アーティストなのけ?

アーティストとしての活動について、このブログにはほとんど書いていない。
なぜかと言うと、アーティストとしての活動なんて、ほとんどしていないからだ。
2008年3月から7月の、「21世紀人展」を最後にして、
その後は、ほとんど仕事オンリーの生活だ。
21世紀人展…思えば、あれは、究極の体験だった。
訳がわからない。
事の発端は、大学を卒業してしばらくして、「アルネ」という雑誌に、
わしの卒業制作「瞬間寺院」の写真が載ったことだった。
「アルネ」っていうのは、周りの友だちに聞くと、
非常に影響力のある、その系統の草分け的な雑誌らしく、
直接お会いしてお話した、編集者である大橋さんも、とても有名な方で、
わしはとても嬉しく思っていた。
しばらくしてわしは養護学校に就職し、しゃかりきで働く日々が始まった。
そんなある日、朝7時半頃、雨の中、わしは自転車こいで傘さして、通勤していた。
踏み切りで止まっているとき、大橋さんから電話が。
三宅一生さんという人がコンタクトを取りたがっているから、
三宅さんの秘書の人に電話しろという内容。
しかし、アート、デザイン業界にめちゃくちゃ疎いわしは、
「三宅一生」という人が、誰なのか知らず!!
よくわからないまま、その日の放課後、秘書の人に電話。
近々、東京ミッドタウンにある21_21デザインサイトで、
「チョコレート展」という展示のオープニングレセプションがあるから、そこに三宅もいるから、
来てくださいといわれる。
よくわからないけど、「行きます」と答える。
三宅一生さんとは、誰ぞ?
ということで、家に帰って、Hさんや、実家の父に
「三宅一生さんと、会うことになったんじゃけど」と話すと、
みんな、「三宅一生!!?」と、ぶったまげる。
三宅一生さんとは、その業界でハンパ無い大御所であることがわかってくる。
「チョコレート展」のオープニングレセプションは、平日だった。
なのでわしは、その日もクシャクシャになるまで働き、その後電車と地下鉄を乗り継いで、
六本木の21_21デザインサイトに向かった。
早く行かないと、7時半を過ぎ、オープニングレセプションは終わってしまう。
しかし、わしは仕事の疲れから、六本木駅を寝過ごす!!
そんなこんなで、相当焦りながら、21_21デザインサイトに初めてたどり着く。
オープニングレセプションは、終わりかけていて、
三宅一生さんは、21_21デザインサイトの事務所にいて、
奥から出てきた。口元にチョコレートが付いていた。
「アルネ」に載っていた、わしの「瞬間寺院」の写真を見て、
来年の企画展に誘おうと思った、とのこと。
「ここに、君の作品を置きたいのだけど」と言われ、
大きな大きな吹き抜けの空間を見せられたときの、わしの気持ちは、一つの究極だった。
一生の夢が叶うんだ、というような。
あの日、21_21デザインサイトを出て、
六本木駅まで歩いた東京ミッドタウンの風景を忘れない。
手作り感溢れるわしの職場の雰囲気と、完全に対比的な、
ものすごいお金が動いて作られたことをひしひし感じる、人工的なミッドタウン。
そのミッドタウンの中に作品を置くことができる。ミッドタウンの登場人物になれる。
なんだかすごく混乱した。
それから、いろいろあった。
「21世紀人展」にかかわるすべての出来事は、
わしにとって、身に余る光栄なことばかりだった。
群馬のわしの実家に、三宅一生さんが訪れる。
いくつもの雑誌に取材される。
実際に、吹き抜けの空間に、わしの7メートルの作品が設置されたときの恍惚感も、忘れられない。
恍惚すぎて、あまり思い出したくないくらいだ。
三宅一生さんという人は、本当にすごい。
何しろ、雑誌に載っていた一点の作品写真を見て、わしを展示に参加させることを決めたのだ。
わしがどんな人物かも、わからないのに。この直感力はすごい。
通常の学芸員さんは、こんな風に、直感だけで、展示の参加者を決めれないのではないだろうか。
時代を切り拓く人の、仕事の仕方を垣間見た気がした。
三宅一生デザイン事務所の人たちも、展示に関わる人も、みんないちいち超一流のプロだった。
わしにとっては、この「21世紀人展」が、頂点だった。
展示が終わると、その後は、基本的に、元の生活に戻った。
アーティストとしては、ほとんど何もしていない。
いや、そんなことはない。「21世紀人展」とは比べ物にならないくらい小規模だけど、
ほんの少しずつ、活動している。
2008年秋には曙橋で二人展をしたし、2009年は3月に広島、8月に群馬でワークショップをした。
2010年には、NHKの「ハート展」に出品する。
3月には、東京都現代美術館で大人相手のワークショップをする。
なんだかワークショップばっかりだけど、一応アーティスト活動は、ほそぼそと息が続いている。
ただ、一つ言えるのは、もう待ってるだけでは仕事は来ない。ということだ。
なので、来年は少し打って出ようと思う…。
「ポートフォリオ100冊全国バラ撒き計画」が、仄あたたかく胸にしまってある。
写真は、「瞬間寺院」。関口光太郎作。2006年。なつかしい。
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by syun__kan | 2009-12-30 15:19 | 日記 | Comments(2)
Commented by 読者 at 2009-12-30 21:04 x
アーティストです!!
きみの笑顔が好きです。(写真で見ただけだが)
Commented by 関口光太郎 at 2009-12-31 22:23 x
読者さん、あけましておめでとうございます。
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