読書1年生

わしは読書が苦手だ。
読むのが遅い。
集中力がない。
興味の幅が狭い。

いや、小学生の頃は、よく本を読んだものだ。
「ズッコケ3人組」や、「ルドルフとイッパイアッテナ」など。
学校の図書室に、よく馴染んでいた。
週に数冊、読んでいたのではないか?
おもしろい児童書が、多かったのだろう。

中学生になると、児童書は幼稚に感じられ、大人向けの小説は、難しい。
一般的にも、読書離れが進む年頃だと思う。
しかし、宗田理の「ぼくらの七日間戦争」は、中学生の心情にフィットしていた。
だから、中学生の頃は、延々と続く「ぼくらのシリーズ」を、だらだらと読んでいた。

高校生の頃は、ほとんど本を読まなかった。
というか、高校時代の記憶自体があまりない。
本も、テレビも、音楽も、いろいろなものが、わしの心情、発達段階にフィットしていなかった。

高校3年の終わり、進路が決まって、ふと暇になった時期に、
市立図書館で一番目につく本を読んでみようと思って借りてきたのが、
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」。
驚異的に面白かった…。
部屋に寝転がって、上中下巻を3日で読んだ。
読むのが遅く、集中力もないわしにしては、破格のスピードであった。
無理もない。
「ぼくらのシリーズ」から「ねじまき鳥クロニクル」へのジャンプは、
二次元から3次元へのジャンプくらい、視点が変わる。

というわけで、大学時代の前半は、村上春樹。
小説のディティールに憧れ、ウィスキーをコップに1センチ注ぎ、飲む。
サンドウィッチを作る。
しかし、「ノルウェイの森」を読むにあたり、病んだ彼女を持ちながら浮気をする主人公に大きく憤慨。
「こんなのただのムッツリスケベがモヤモヤと自己肯定しているだけじゃないか!」
と思い、すごく嫌いになる。
その勢いで、村上春樹的なにおいのするものをすべて排除しようとする。
さよなら春樹。
スピッツもさようなら。
くるりも、岩井俊二もさようなら。

で、再びあまり本を読まなくなる。
他の作家も、読んでみようとしたけど、
悔しいかな、読書中の気持ちよさに関して、村上春樹を上回る人は、なかなかいなかった。
ブックオフで、安くなっている本をポツポツと読む。
「長距離走者の孤独」とか、「変身」とか、海外の名作。
村上龍の「コインロッカーベイビーズ」は、好きだった。

就職して1年目。
忙しすぎて、まったく余裕がなく、
文庫本一冊読むのに1年かかった。
自転車通勤だったし、この生活パターンの中で、どこで本など読めばいいんであ?という感じだった。

3年目より電車通勤となるが、アイポッドに気をとられて、読書の習慣は戻らず。

しかし最近、ようやく本を読む気になってきた。
きっかけは、東京都現代美術館でワークショップをするに当たって、予習のために読んだ、
「パリのノートルダム」。
建築の本。
ひたすら、パリのノートルダム大聖堂について、ネチネチと詳しく書いてある本。
建造の歴史について。装飾の彫刻について。
マニアック。誰が読むんであ?
しかも、出版部数少ないから、大した大きさじゃないのに3600円もしやがる。
しかし、この本によってわしは、
文字情報を通じて知識を得ること、時間を忘れることの心地よさを思い出し、
書店に足を運ぶ気持ちになるに至る。

今は、最新の作家の本を読んでみている。
書店に平積みされている本から選ぶ。
この間まで、伊坂幸太郎を読んでいた。
今は、恩田陸。
好む好まざるは別として、
現世代の作家の本を読むと、
今の時代に物を生み出すことの息吹や気合いを感じる。
それが良い。
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by syun__kan | 2010-04-18 22:03 | 日記 | Comments(0)
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