タロイモ

友人の小池さんにこの間会ったとき、
「日本から出なければならないなら、どこへ行きたい?」
と聞いてみた。
小池さんは、
「中国かな」
と答えていた。
小池さんは、陶芸をやったりするので、陶芸の歴史の古い中国には興味があるらしい。
「それか、南の方にも行ってみたい。ていうか、タロイモ食べているところに行ってみたい」
とも言っていた。
こうして、「タロイモ」という言葉は、十数年ぶりにわしの耳に届けられたのだった。

「タロイモ」
地球における、南の方の地域で、主食として食べられている。
と、そんなイメージで、中学校くらいの地理の授業で習った。
教科書、もしくは資料集には、小さな写真も載っていた。記憶がある。
といっても、タロイモそのものの写真ではなく、
タロイモをすり潰したものを、肌の黒い、カラフルな服を着た人たちが囲み、手ですくって食べているような写真だったと思う。
というか、小さい写真だったから、本当に「すり潰したもの」だったのかもわからない。
蒸したものかもしれない。ゆでたのかもしれないし、焼いたのかもしれない。
わからない。
教科書からは伝わってこない。
どんな味かもわからない。
香辛料系?
塩コショウ?
または甘ーいとか?
謎だ。

でも、中学校時代のわし達にとっては、「タロイモ」は重要だった。
覚えとかなければならない。
覚えないと、テストで良い点取れない。
高校受験も受からないかもしれない。

もし、受験予備校で、「この地域の主食は何だ、関口」と聞かれ、答えられなかったら、
「タロイモに決まってるだろ!そんなこともまだ覚えていないのか、関口!」
と、怒られただろう。

でも考えてみれば、学校の地理の先生も、予備校の先生も、
本当の意味でタロイモを知っていたのか!?
と、いま糾弾したい。

あなたタロイモ食べたことあるのかい?
ゆでるのかい?蒸すのかい?
そんなこともわからないまま、生徒に「タロイモ」を覚えさす権利はあるのか!!
タロイモ持ってきてみせて!食べさせてください!
そうしたら教員として認めよう!
ぬーすんだバーイクではーしーりーだすー!
ぼくらの七日間タロイモ!

と、急に思春期的な穴開きアナーキーな気持ちが沸騰しかけてしまった。

でもとりあえず、わしは普通に高校受かったので、それ以来、「タロイモ」には遭遇しなくなった。
わしの人生における、ミドルティーンの数年間のみを駆け抜けた「タロイモ」。

このまま、遭遇せず、食べることもなく、人生は過ぎていくのだろう。
もし本当の意味でタロイモを知りたかったら、小池さんの抱いたイメージのように、飛行機に乗って食べに行くしかない。
本当の勉強はそこからだ。
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by syun__kan | 2011-05-23 10:47 | 日記 | Comments(0)
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