鎌倉明弘さんという美術家がいて、昨年末に火災事故でお亡くなりになった。
わしは、鎌倉さんと、5年ほど前、横浜ザイムでのグループ展でご一緒したことがあった。
亡くなったことは、共通の友人である狩野仁美氏が電話で知らせてくれた。
鎌倉さんが亡くなった火災現場は自宅兼アトリエで、
焼け跡には、焼け残ったドローイング等の作品が落ちていて、
でもそれらは現場検証の人や野次馬たちに踏まれていた。
狩野をはじめとする友人たちが作品を焼け跡から拾い出し、このたび国分寺で展示を開いた。
「鎌倉明弘さんを偲ぶ」展。
今日はそれを観に行っていた。
美術家に一番必要な素養とは、美しさを追求することだと思う。
美術とは、美の術であり、それはつまりどういうことかというと、美しく生きることだと思うのだ。
お金とか、そういうのではなく、美しいか否かを判断基準にして、何をするかを選択する、人生を歩むこと。
この展示の出来事、様子、人々は、美しかった。
生前の鎌倉さんとはグループ展でご一緒しただけで、プライベートまでは付き合いは無かったが、
美しい友人たちを持った鎌倉さんも美しい人だったのだろう。
これぞ美術であり、彼らこそ美術家だと思った。