決闘前夜

いいことを教えてあげよう。
明日は決闘である。
ドキッとするだろう?

血で血を洗う、やるかやられるかの、決闘をする。
相手は素人ではない。
プロ。というか、
プロも何も…チャンピオンクラス。
知らない人はいないほどの人物。
しかも会場は、圧倒的にアウェー。というか、
アウェーも何も、相手の自宅だった場所だ。
わしは怖い。
やられるかも知れない。
爆死するかもしれない。
何しろ相手は爆発的だ。

確かに、わしの今までの戦績は悪くない。
いつも、周りの光を全部消してやる、くらいの、物騒な気持ちで戦ってきた。
何もそんな物騒なテンションで向かわなくても・・・と思われるかもしれないけど、自分としては、正解だったと思う。
何しろ、消すか消されるか。
鑑賞者の脳に、いかに自分の遺伝子を残すか。
表現者としての種の保存に関わる問題なのだ。
強い作品が、弱い作品の印象を消してしまう。
美術家にとって、エキシビションとは、戦いである。

しかし、今までの敵は、いつも自分と同じ立場の、同世代の、未完成な若者たちだった。
今回の敵は、生半可ではない。
岡本太郎である。
明日、岡本太郎記念館が閉館したら、わしの作品を搬入する。
明後日も、一日中搬入。
岡本太郎記念館に関口光太郎作品を突っ込んでしまう。
突っ込んでしまい、館内を落ち着いて眺め回せば、すぐに勝ち負けが分かる。
どっちが魅力的か。
怖いのである。
太郎の太陽に焼き殺されるかもしれない。
「はじめから勝とうなんてつもりはないよ」
と言ってしまえば、楽かもしれない。
でもせっかくだから、言っとこう、刺し違えてでも太郎を倒す。
そのつもりで搬入する。
会場には、太郎が書いた、有名な「殺すな」の文字も展示されている。
それは、わしに対して言っているのだ。
というつもり。
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by syun__kan | 2012-10-07 22:46 | 日記 | Comments(0)
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