わしと奥さんによるハネムーン前編

以前、3のつく数と3の倍数でアホになるネタで一世を風靡していた世界のナベアツさんが、
3の倍数を数えるときは
「顔は耳を噛む感じで、
そして気持ちとしては南の島に来たように自分を解放する」と、
自身のネタについて解説していた。

今ならそれがよく分かる。
なぜならわしは新婚旅行の前半は、南の島の高級リゾートで過ごしたからだ。

結婚3年目にして、ようやくいろいろな状況が整った。
現地での交渉事をわしが行うことを交換条件に、奥さんがホテルや飛行機を予約してくれ、
犬猫を実家に預かってもらい、
出発前の12月25日は、残務を終わらすためにせかせかと仕事し、
タイでは脱がなきゃならんから、なるべく薄着で、下着のシャツにホッカイロを8枚貼り、
極寒の羽田へ。
疲労と寒さに意識朦朧のままエコノミークラスで縮こまり、
バンコクのスワンナプーム国際空港を経由し、プーケットへ。
やってきたのがJWマリオット・リゾートホテル。

わしはここでアホになった。
平均気温30度。サアーーンッ じゅう度。
ホテルのすぐ前には、何のひねりもない、完全なる、白い砂浜と青い海。
ホテルの敷地内にはプールも何箇所もある。

お客さんは世界各地から訪れた、リラーックスしたピープル。
みんな半裸である。
おじさんは短パンにビーチサンダルのみの格好で、女性はくるっと布を巻いただけのような格好で、
その辺を歩き回る。

泳いで、デッキチェアで寝て、カフェでビールやアイスを食べる。

家族連れを中心とした、あらゆる人種のお客さんたちは、
わしのお給料とは比較にならないビジネスをしているのだろうけど、
わしと同じように、普段はせかせかと働いているのだろう。
そしてこの時期だけ、アホになりに来る。
何もしなくて良い。半裸でよい。
太宰治とかを読むと、よく湯治に行ったりする。
日本においては、湯治がリゾートだったのだろう。
入るのが、海か、プールか、温泉かの違いだ。
とにかく、体や精神を補完したいとき、人間は裸になり、水に浸かるものらしい。

わしはプーケットに滞在中、インターネットが使える環境にあったので、
一回このブログに日記を書こうとした。
でも、だめだった。
何も考える気が起きなかったのである。
ごちゃごちゃしたことを考えられなくなる装置らしい。
リゾートというのは。

無理やり何かをしようとする…
例えば面白くないものを無理やり面白くしようとしたり、
無理やりなるべく多くのお金を生み出そうとしたり、
無理やり体力を振り絞ったり、頭をしぼり出したり、
そういった「無理やり」が、人間社会が人間社会たるゆえんな気がした。
そういう「無理やり」を、できなくする装置らしい。
人がチラホラとしかいない、完璧なビーチというのは。

基本的に水辺でダラダラしていたが、ゾウに乗ったりもした。
ゾウの背中に二人がけのイスが装着されていて、奥さんと座り、
ゾウの頭の上にはゾウ使いの男性が座る。
ビーチサンダルを脱いで素足でゾウの背中に触ると、
ザラッとした、ムニョっとした感触と、骨格の動きが伝わってきた。
しばらく歩くと、ゾウ使いはスマホを取り出して音楽を流し、いじって遊び、タバコを吸い始めた。
ゾウは鼻でその辺の雑草をブチブチと巻き上げ、言葉の通り道草を食い、
ザザーーーッと放尿し、
ベロベロベロベローーッと放屁した。
くっさかった。
でもそれでいいんだ。
ゆるゆるなほうが、嬉しい。

3泊4日の最後の夕方は、実にきれいな夕日だった。
砂浜に体育座りして、わしと奥さんはそれを眺めたのである。
そよぐ風が本当に気持ちよかった。
なんとベタベタな。
しかし仕方ない。
本当に夕日が海に沈んでいくんだから。

こうして旅の前半、プーケットは終了したのである。
次は後半、アジアの喧騒、バンコクへ!
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by syun__kan | 2013-01-05 15:13 | 日記 | Comments(0)
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