・予備校時代からの友人、三宅感くんの家に、奥さんと犬を連れて遊びに行った。
・西武線の西の方にある最寄り駅に着いたら、三宅くんと三宅くんの奥さんが、出迎えてくれた。
・三宅くんは、白塗りに赤、黄色、緑などのラインが入った京劇っぽいメイクで、着物を着ていて、後頭部から頭頂にかけて臼のような形態が乗り、髪の毛が臼のてっぺんから吹き上がるような格好をしていた。
・三宅くんの奥さんのミホさんは、着物を来て、白塗りに日の丸のような頬紅と、緑の眉墨で、髪の毛をヤマトタケルのように結んでいて、腰の帯にウルトラ怪獣の「ダダ」の人形を、二つ、挟んでいて、妊娠6ヶ月だった。
・三宅くん、ミホさん、わし、わしの奥さん、犬のハルは、商店街を歩いて三宅くんの家に向かった。
・途中でスーパーに寄り、キリンビールを1パック買った。
・三宅くんの家に着いた。玄関前に、高さ80センチくらいある、ガンダムの足のような靴?パーツ?が揃えて置いてあった。本当は、これを履いて迎えに行きたかったが断念したらしい。確かに、今三宅くんは、普通のサンダルを履いていて、そこだけ少し残念そうだった。
・通された一室は、暗く、何語か分からない音楽がかかり、赤い布で壁面を覆われ、テーブル上の蝋燭とイルミネーションが造花を照らしていた。
・壁には仏像やキリストの絵画や、「光虫」「問答無用」「認者」などとよくわからないことが書かれた張り紙があって、その中に、
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○ヘササラダ
○カントリーチキン
○カゲベンカレー
○ゲチョアイス
○らっぴょっぴ
と書かれた紙があった。どうも、今日ご馳走してくれる料理の名前らしい。
・カントリーチキンが出てきた。敷かれたレタスに、香ばしく焼かれたチキンが乗っていた。美味しかった。
・ヘササラダが出てきた。トマトに丸くて白いチーズが乗って、楊枝で刺されていた。美味しかった。
・らっぴょっぴが出てきた。とろみのあるスープで、優しい味だった。何が入っているか、何の味かは、わからなかった。
・カゲベンカレーが出てきた。キーマになりそうでならず、踏みとどまった感じのカレーだった。美味しかった。
・ゲチョアイスは、アイスを作る手動の機械でその場で作られた。わしもハンドルをまわして協力した。キャラメルなどが入っているらしく、最後にナッツが振りかけられ、非常に美味しかった。
・わしらが、タイで買ってきた、木製のワニの玩具をあげると、喜んでくれた。いずれ生誕する、三宅くんの息子さんも、喜んでくれるだろうか。
・三宅くんは、アートの世界にも、もうすぐ打って出るらしい。わしはとても楽しみだ。わしも三宅くんも、人生において、諦めたことなんて、まだ一つもないはずである。
・そろそろおいとまします、と言うと、三宅くんとミホさんは、フルメイクのまま、また最寄駅まで見送ってくれた。わしは、自分が普通の格好をしていることが、えらく恥ずかしかった。