朝の6時に携帯電話のアラームで目覚めた。
新しい朝です。

まだ暗い部屋をひたひた歩いて、
犬と猫にえさをあげた後、鏡を見ると、
最近中途半端に伸びてきた髪の毛が、アンディ・ウォーホルの自画像のように爆発していた。
岡本太郎の太陽のように、獣神サンダー・ライガーのマスクのように。
「東映」のロゴのバックの、荒波の映像のように。

おまけに、一休和尚の肖像のようなヒゲも伸びている。
月曜だからだ。
土日に剃っていないから、3日分伸びている。
口がへの字だ。

鏡を睨んでいる。
一日が始まるのはやぶさかではないが、やはり寝ている方が生物として楽なのだろう、
自然な迫力のある睨み方だ。

こうしてよく見ると、アーティストっぽく見えなくもない。
「安易に社会に迎合しない」的な雰囲気がある。
わしは左右を向き、わしの迫力を楽しんだ。

それから着替えた。
寝巻きとして使用している、古くてだぶだぶしたパーカーを脱ぐ。
普段のワークウェアはジャージだが、今日は出張である。
スーツを着ねばならない。
久々のスーツを着用すると、皮を剥く前のトウモロコシのようになった。
ようするに、カチッと締まっているけども、てっぺんだけボーボーなのである。
しかし、ネクタイでキュッと締められている、その上が、
毛がボーボーで口がへの字で前を睨んでいるのというのも、それはそれで面白い。
美大の教授みたいだ。
余裕のあるアウトローみたいだ。
わしは鏡の前で、わしの美大の教授っぽさを楽しんだ。

しかしわしは美大の教授ではないので、そのままでは外界に出られない。
電気ヒゲソリで、ヒゲを剃る。
安物のヒゲソリであり、ヒゲもある程度伸びているので、痛い。
それでもどうにか、わしの口周辺の皮膚が全てあらわになった。

続いて洗顔し、次にお湯を髪の毛につける。
さらに、タオルをお湯で絞り、海賊ネズミのポロリのように頭に被り、髪の毛をごしごしと揉む。
続いて整髪フォームを髪につけ、ドライヤーで乾かしながら手櫛でなでつける。
これで髪は、おとなしく一方通行になり、均一な水面となってわしの頭を覆った。

鏡の中には、素朴で控えめな青年ができあがっていた。
事実わしは、素朴で控えめである。
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by syun__kan | 2013-02-18 23:27 | 日記 | Comments(0)
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