三千件

子どもの頃、年末だったか年始だったかに、
実家で購読していた読売新聞で、
結構な紙面を割いて、
一般から公募した一コマ漫画のコンクールが掲載されていた。
一コマ漫画といっても、風刺画的なものや、コマ割りされたものも含まれていて、
全体的に、新聞的な、「ウィット」とか「ユーモア」とか「ジョーク」といった言葉が合う、
あったかい感じの作品が選ばれていて、
大賞は、それなりの賞金をもらっていた。

ところで、わしの現在の自宅の最寄り駅のホームに、
「ハトの落し物に注意」
という看板が下がっている。
それを見ると、わしはいつも、

一コマ目に、駅のホームで、主人公が「ハトの落し物に注意」の看板を見ていて、
二コマ目に、主人公の頭の上に雲みたいな形の吹き出しが出て、
ハトがフンを落としていく想像が描かれて、
しかしそのコマの端から、シルクハットを被った、燕尾服の、いかにも手品師といった出で立ちの人物が歩いてフェードインし、
三コマ目で、主人公の目の前で、手品師の袖から、ハトがぼとって落っこち、
主人公が目を丸くしてリアクションしている、
そういう漫画が思い浮かび、
この漫画を読売新聞に応募すれば、
年末だったか年始だったかの漫画コンクールで、大賞取れるんじゃないか、
なんだかすごくあたたかみのある、子どもから大人まで理解できるネタだし、
セリフがなくて絵で語っているところも審査員の受けがいいんじゃないか、
しかし曲りなりにも現代芸術家を名乗っているわしが、一般公募の漫画コンクールに応募するのもどうなのか、
でも賞金は欲しいし、
ちょっと葛藤している。

と、奥さんに話したら、
「そんな程度のネタどうせ年間三千件くらい来てるよ」
と言われた。

三千件…
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by syun__kan | 2013-05-13 22:43 | 日記 | Comments(0)
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