蝶野さん
f0177496_22595879.jpg

土日は、美術関係の所業をしているか、デザインチャイルド誕生に向けた家具等の準備をしている。
平日は、前日に入浴できた場合は6時半に起きる。
前日にくたびれて風呂に入れなかった場合は6時に起きて入浴する。
それから前日夜の分の洗い物をする。
7時過ぎに家を出て職場に着くのは8時前か。
そこからはノンストップ、とりあえず16時前、生徒を下校させるまで駆けずり回る。
途中に、非常に激しい鬼ごっこ等が挿入される。
生徒が帰って大人だけになった後は、準備、記録、会議等々の仕事にあたる。
あまりに消耗している日は、音楽室の隅で15分くらい、内緒で仮眠をとる。
仕事がすべて終わるのは、日によってまちまちだが、平均すると20時くらいか。
家に着くと21時くらい。
奥さんも働いているので、一緒にちょっと準備して、21時半頃夕食。
そのまま22時半くらいまで、二人でしゃべる。
パソコンで、美術関係のメールのやりとりをする。
それから一念発起して、犬の散歩へ行く。
23時過ぎ、余力があれば風呂に入る。
24時、犬と猫のトイレを片付けて、餌をあげて、就寝する。
ああ、今日もブログを書けなかった、という思いが頭をかすめたりする。
しかし先日、仕事を6時半に終わりにできた。
わしの頭に、「家に帰ってブログを書く」と、
「本日発売の新日本プロレスDVDマガジンの最新号(蝶野正洋特集)を買いに行く」の二択が浮かぶ。
体力的には限界が近い。家に帰って体を休めることが内外からの求めである。
しかし案の定、足を延ばして、帰り道、DVDマガジンを入荷していることが予測される本屋に行く。

蝶野正洋はわしのアイドルである。
その蝶野さんが、まさしく絶頂期だった、1997年~98年の試合を盛りだくさん収録している。
これは素晴らしい商品だ!!
1680円。

ここでわしは躊躇する。逡巡する。
もうすぐわしはパパである。
いやある意味ですでにパパである。
その意識は、確実に経済感覚に働きかけてくる。
1680円。
1680円あれば、もう一枚まともなジャージなり、靴なりを買った方がいいんじゃないか?
と、わしは自分のその時の格好を客観視して思う。

そして、DVDを買ったところで、観る時間はあるのかと。
二週間ほど前、ツタヤで映画を借りて観たが、それは実に半年ぶりの映画鑑賞だった。
今、情報のインプットにあてられる時間は、そんなものだ。
買ったってどうせ見れない。

わしはいったん店を出て、店先に立ち、道行く人々を眺めながら考える。

しかし関口よ、蝶野さんを裏切っていいのかと。
もちろん、このDVDマガジンを買ったからって、蝶野さんにロイヤリティーが入るとは限らない、
そんな小さなことではなく、
蝶野さんがプロレス界において残した功績は、同世代の武藤や橋本に比べ、過小評価される傾向があるんじゃないかと。
このDVDマガジンのシリーズの、過去のラインナップを見たって、武藤選手や橋本選手の試合の方が、より頻繁に取り上げられている。
わしがこの商品を購入することで、蝶野さんの功績に、一票投じる、意思表示になるんじゃないか?

などと考えながら、わしはもう家に向かって自転車を走らせている。
わしはもうパパである。

その夜、奥さんと犬の散歩をしながら、蝶野正洋のDVDマガジンを、買わなかった話をする。
そして、蝶野さんがどうして面白いかを、「語ってもいい?」と聞く。
奥さんは、100メートルほど先の、小学校の前を過ぎるまでの間なら、語ってもいいと、条件付きの許可を出す。
わしは語る、

「同期の武藤も橋本も、柔道の猛者だったし、センスも良かった。
でも蝶野さんは、格闘技経験がなくて、ただの元暴走族だった。
要するに、プロレスをするにあたって、それほど秀でたものを持っていなかったんだ。
でも、97年に、プロレス界のMVPを獲った。
その年の蝶野さんは、ほかの誰よりも、輝いていたわけです。
つまり、
凡人が天才を超えるためには、どうすればいいかっていうエッセンスが、97年の蝶野さんには、詰まってるわけよ!
天才がMVPを獲るのは当たり前じゃない?
それは観ていて、気持ちいいかもしれないけど、参考にはならない。
わしは凡人で、低賃金だけど、だからこそ、蝶野さんの97年に、勇気をもらうんだよ!!」

そこで小学校に着いてタイムアップしてしまったのだが、奥さんは、「買いなよ」と言ってくれた。
わしはただ単に、背中を押されたかったのかもしれない。
甘ったれである。まだまだパパの器ではない。

何はともあれ、翌日も仕事を6時半に終わることができた。
わしは本屋に足を向けた。
二度足を向けて、買わずに帰ることは、さすがに大人だから、ない。
足を向けた以上、買うのである。
買うのか!やった!

本屋に着いたら、売り切れていた。
残念だったがちょっと嬉しかった。
[PR]
by syun__kan | 2013-07-05 23:47 | 日記 | Comments(0)
<< 太郎さんからの日比野さんからの関口 極私的アーティスト十戒2013 >>



現代芸術家、関口光太郎の日記。
by syun__kan
関口光太郎ホームページ
カテゴリ
プロフィール
新聞紙×ガムテープアートとは?
日記
作品写真
リンク
2020東京五輪に向けて、毎日何か作る
以前の記事
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
お気に入りブログ
感はがんばる
外部リンク
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
記事ランキング
画像一覧