みちのく二日目

8月1日。
起床。
新秋田県立美術館はホテルから歩いて10分くらい。
ワークショップは10時開始、
9時半くらいに受付開始なので、
集合時間は余裕をもって8時。
と指定したのは、他でもない、わしだ。
しかし若干、もう少し寝てたかったという思いが頭をかすめる。
初めての場所でのイベントは、不安からか、集合を早くし過ぎてしまうことがある。
奥さんと二人で出向くと、迎えてくださったのは、学芸主事の大塚さん。
今回のワークショップを企画してくださった方。
そのまま、プレオープン中の美術館を案内していただく。
すぐ近くに、旧県立美術館がある。
その三角屋根をモチーフとして受け継いで、新県立美術館は、上から見ると三角になるように、
安藤忠雄さんによって設計されている。
実に立派な建物だ。

わしの地元の群馬県前橋市には、長らく美術館がなかったのだけど、
何年か前に美術館ができることになって、
それに向けたプレイベントを盛んに行っていた。
わしもその一環として、工作のワークショップの講師を務めたりしたものだが、
何と、途中で市長が代わって、新市長の方針で、美術館構想自体がストップされてしまった。
そういうことで、わしの地元は、全国で唯一美術館の無い県庁所在地のままなのである。
ということもあって、秋田県において安藤建築で堂々と美術館が立て替えられているのを見ると、
何ともうらやましいと言うか…。

美術館の内観は素晴らしいが、それだけ眺めて一時間も過ごせるものではない。
実はワークショップは、美術館内だと適した面積の部屋が空いていないので、
またすぐ近所の公共施設の一室を使わせてもらって行い、
参加者の作品ができたら美術館に持ってきて、飾る、という流れなのだ。
その公共施設の開館時間は9時なので、それまで待つ。
座って待つ。
8時55分を待って移動、
今回のワークショップは、秋田県の教職員の方、
それも特別支援教育の方が過半数とのこと。
五十数名。
10時開始で昼休憩をはさみ、4時終了。
よくやる、子ども対象の工作とは若干違う。
年齢、キャリアがわしより上の方も多い。上の方の方が多い。
上の方に対し先生をするというのは、普段あまりない。
本日のメニューは、
スリラーで登場、
パワーポイントによる美術の授業のポイントの紹介、
かくれんぼ、
高くしよう対決、
試作品を作るデモスト、
スライドで過去作品の紹介、
自由制作、
美術館に持ち運んでの展示。
詳しくは、今後同様のイベントをやった場合にネタばれになってしまうから伏せる。
大人相手のワークショップは、2010年の東京現美、今年の6月の横浜美大の講座に続く3回目だが、
徐々に練度は上がっていると思う。
わし自身徐々に大人になっているのかもしれない。
大塚さんら、スタッフの方々の周到な準備、当日の運営のおかげで、非常にスムーズに進んだ。
特支の先生方を対象にしたところに関口を講師として充てた、配役の妙も大きかった。
わしの持つ、教員としての面、アーティストとしての面、どちらも余すことなく使えた。
だからうまく進んだのだろう。
逆に言うと、もう余すところはない。
これ以上の余白はないので、わしにできることはここが精一杯です。

終了後、秋田名物のババヘラアイスを食べた。
ババヘラアイスとは、道端にパラソルが立っていて、
そのふもとで「ババ(おばさん、おばあさん)」が、
シャリシャリ感が特徴のアイスを売っている。
注文すると、ヘラを使って花の形に盛り付けてくれる。
そういうものだ。
わしが購入した際のババさんも、見事にババで、素晴らしかった。
普通、店員さんとは、若くてきれいな方が、ありがたがられると思う。
しかし、この場合は、若くてきれいな店員さんだと残念である。
なぜならそれは、名物ババヘラアイスだからだ。
ババヘラアイスは、ババでなくてはいけない。
ババがババであるほど、素晴らしい。
それは、秋田県を新幹線で走る時、外の風景が延々と田園風景で、それを見て、
「ああ、東北っぽいなあ。いいなあ」
と思うのに似ているかもしれない。
東京を発って、電車で前橋に向かう際、
外の風景が、ビルが終わり、徐々に何もなくなり、田んぼになると、なぜか
「何もないじゃん!」
と、まるでそれがだめなことのように思ったりする。
東北でなくて関東だから、「関東なのに!」と思ってしまうのだろうか。
ネーミング一つでババの価値を上げてしまう、ババヘラアイスの感性に、
何かヒントはないかしら?
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by syun__kan | 2013-08-07 15:59 | 日記 | Comments(0)
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