関口、比喩やめるってよ

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今年の初めだったか、川島誠の「800」という小説を読んだ。
800メートル走に打ち込む二人の高校生を、両者の視点から描いた話である、
と紹介するだけだとシンプルな青春ぽい話に思えるが、
どうしてどうして、もっともっと、なんというかそれだけじゃないというか、
いや、それだけ、確かに800メートル走に打ち込むだけなのだが、
もっとなんかこう、うまくいえないんだけど、うーん・・・
レッツゴー!!!
という感じの話で、衝撃的と言っていいくらいに面白かった。
硬質な文章、純粋で深い味わい、
硬ーいフランスパンのようだった。

それ以来、ティーンエイジャーが主人公の小説が気になるようになり、古本屋に行って文庫本を買うときのチョイスがいつもそれになった。

あさのあつこさんの「バッテリー」も読んだ。が、
これはもう、全編が情に溢れていて、行間から情という名の水分がしたたり落ちるようだった。
ページが濡れてるかと思った。
フレンチトーストのようだった。
情に惹かれる方は大好きなはずだが、乾いたフランスパンを求めていたわしには合ってなかった。

森絵都さんの「DIVE!!」は、さすがに上手かった。
「すんごい勢い!」というのはないけど、綿密によくできたエンターテイメントで、
百貨店のアップルパイのよう。

山下貴光さんの「屋上ミサイル」は、ミステリーのようなSFのような青春のような、
要素がいろいろ混ざっていて、
昔モスバーガーで売っていた、パンの部分がライスで中にきんぴらみたいなのが挟まってるバーガーのようだった。

関口尚さんの「ナツイロ」は、甘苦い感じで、
マーマレードを塗ったトーストみたいだった。

というのを経て、ついにたどり着いたのが、朝井リョウさんの「桐島、部活やめるってよ」。
新聞広告等で目にし、いつか読みたいと思っていたのだ。
いかにもティーンエイジャー純度の非常に高そうな感じがしたし。
ところが・・・!合わなかった。
わし自身が高校時代に青春していなかったからかだろう。
高校生あるある的な言葉、心理に全然共感出来なかった。当時と同じだ。
じゃあこの本は、ヤマザキの88円のつぶあん&マーガリンのコッペパン。

だめだ、フランスパンにたどり着けない。
そろそろティーンエイジャー本のマイブームを店じまいしようか。
そこで思いついたのが、川島誠の、他の本を読むことだ。
どうしてそれを思いつかなかったのか。
そこで、川島誠の「夏の子どもたち」という本を古本屋で買って読んだ。

か、かてえ!
「800」よりも硬いかもしれない。
まさにフランスパン!
端っこのカカトみたいになっている部分かのごとく。
川島誠の描く少年の物語は、やはり良かった。
フランスパンが欲しくば、フランスに行けばよかったのだ。

ということで、解決法を得たわしは、もう一冊、川島誠の本を手に取った。
「太陽のみなしご」というタイトル。

しかしこれが、硬くなかった…。
川島誠が全部フランスパンというわけではなかったようだ…
さながらこれは…なんというかもっとやわらかい生地の…うまく言えないんだけど…

というかどうしてわしは本をパンに例え続けているのか?
なんでだっけ?
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by syun__kan | 2013-11-16 00:27 | 日記 | Comments(0)
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