幸せは歩き終わったばかりの温かい犬

仕事でくたくたに疲れきって、それでも出かける犬の散歩。
最近はipodでビートルズを良く聴いている。
とぼとぼ歩きながら近所を回る40分間に聴くのは、一つの時代を作った音楽。
ポールの流麗なベース、ジョンの震える声。
最高だ。癒される。
使われている楽器が電子音じゃなくて、音数も少ないから、疲れない。
「While My Guitar Gently Weeps」は良い。
なよなよしたセンチメンタリズムを、極限まで突き詰めたら、
逆に結晶化して固くなった感じだ。
「Happiness is a Warm Gun」ももちろん良い。
ジョン・レノンさんは美術学校に行っていたとのことで、
音楽からもそれをとても感じる。
なんというか…歌詞が視覚的だし、
いきなりセイウチについて歌うの?!とかそういう意外性や、
冒険に出て、世界の果ての果てまで行って、見つけて採ってきたような歌詞を、
いきなり西友の前に展示するような突き放し方、
そういうのが美大生的だ。
ぶよぶよした塊の奥のほうにある、種みたいな本質を、
ぶよぶよを少しずつかき分けながら捕りに行くんじゃなくて、
いきなりものすごいパンチをして腕を突っ込んで捕ってみせる。
その鮮やかさ、鮮度が命だ。
純粋なものに触れるのは最高の癒しだ。
だから一日の終わりの犬の散歩にも最適だ。

ところで最近は、職場の特別支援学校で創作ダンスの授業をしている。
わしはダンスが好きだから、選曲や振り付けに、いろいろ意見はある。
しかし授業の創作ダンスにおける「創作」の主語は生徒であろうから、
今年は基本的に生徒に選ばせようと思った。
自分の趣味を押し付けないように気をつける。
ビートルズの「Get back」でダンスさせても面白そうだけど、そういうのは無しにしよう。
だから問いかける。
何かやりたい曲ありますか?
出てきた意見は、まずはファンキーモンキーベイビーズ。
の「ナイトショット」「走り出そう」という曲。
わしは事情は良く知らない。
うちにはテレビがないし、日本のポップスもほとんど聴かない。
生徒にアルバムを借りた。
中の冊子に写真が載ってる。
おしゃれなレストランで、各席におしゃれな男女が座って食事をしている中、
バンドのメンバーの一人が、ランニングシャツとレイバンのサングラス姿で席に着き、
山盛りのごはんを手にして笑顔を見せていた。
その写真を見ると、いかにも、
「わが道を行くぜ!周りの、いけてるおしゃれで仲の良いわいわいした感じになんか、かまわないぜ!」
という印象を受けたが、
アルバムの曲を聴いてみると、いかにも、いけてるおしゃれで仲の良いわいわいした感じで、およびそういった人たちに向けた曲という感じがした。

授業ではいったん、曲を流して生徒に自由に動いてみてもらい、
出てきた動きをメモしておいて、後でわしが曲に当てはめて振り付けにして、
後日練習する。

だからわし自身が、やっぱりファンキーモンキーベイビーズの曲を繰り返し聴き込む必要がある。
ビートルズはお休みである。

生徒みんなの趣味を活かすため、他にも曲を募集して、出てきたのはゆずの「センチメンタル」と「みんな集まれ!キョウリュウジャー」。
それらも音源も入手して、聴き込み、生徒のアイデアを基にして振り付けを考える。

ゆずは免疫がある。小さい頃、妹が好きだった。
キョウリュウジャーは、ダンスを交えて展開する戦隊物として、この一年間子どもたちを席巻したらしい。
Youtubeで振り付けを調べて参考にする。

結局、「ナイトショット」「センチメンタル」「みんな集まれ!キョウリュウジャー」を編集してつなげてメドレーにした。
それを聴きながら、犬の散歩をする。
他の仕事もいっぱいある。
貧乏暇無し、めまぐるしい一日の中で、悠長にダンスを考えている時間などない。
一日の終わりの癒しの時間は、脳内で仕事を続ける時間となる。
疲れた頭に流れ込む電子音、そして歌詞。
ちょい危険なウィークエンドナイト、どんなスリルさえ射程圏内。打ち寄せる波の音に、あわてて靴を脱ぎ捨て。ガブガブ噛み付けガブティラ。ガンガン撃ちまくれパラサガン。

数週間過ごし、
結局ダンスは完成し、授業で生徒と踊った。
楽しかった。この達成感はやはり良い。

帰ってきて犬の散歩に行く。
ダンスは完成したし、授業は終わった。
ビートルズを聴いて癒されればいい。
しかし楽しさを思い出したくて「ナイトショット」「センチメンタル」「キョウリュウジャー」メドレーを聴く。
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by syun__kan | 2014-03-02 18:56 | 日記 | Comments(0)
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