虚しい

荒涼とした風が吹き抜ける。
今は何もない更地。
しかしそこは、かつて幾多の戦いが繰り広げられた戦場であった。

更地をそのつもりで見渡すと、すぐに激戦の跡が見つかる。
微妙な凹凸、色の変化。
素人目にはわからないかもしれないが、ある程度の知識がある者なら、一目瞭然だ。
何しろ、そこは15年以上の長きにわたり戦いの舞台だった。
戦士の青春、情念、苦悩…すべて染みついている。

わしは思わずつぶやく、
「夏草や つわものどもが 夢の跡」

戦いは、何度も終結に向かいかけた。
誰もがそれを願っているかに見えた。
しかし少し離れた所で別の戦いの火の手があがる。
戦いは飛び火する。
その繰り返しだった。
もはやこれは、終わりのない戦いなのでは?
諦念が戦士を支配した時期もあった。

しかしついに、思わぬ形で戦いは終わりを告げた。
洗わないことにしたのである。
洗うことで、油分が取れ過ぎ、その分の油分が新たに分泌され、むしろそれが原因になっていると仮定したのである。

わしのおでこの肌荒れの話である。

ある時からわしは、洗顔フォームで顔を洗ったり、化粧水をつけたりすることを止め、
顔は朝晩、お湯で軽く洗うだけにした。
それで治ったのである。

前髪を上げ、更地になったおでこを鏡に映し、わしは思う。
洗うことを止めて肌荒れが治るとは、これいかに。
人間の行いとは、いったい何なのだろうか。
虚しい。
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by syun__kan | 2014-03-30 14:58 | 日記 | Comments(0)
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