シャクトリムシ

とんでもない疲れ。
どこに出しても恥ずかしくない疲れ。
全米ナンバーワンの疲れ。
そんなことをつぶやきながら玄関をくぐる。
仕事から帰ってきて、奥さんが用意してくれた夕飯を食べる。
それから、アート関係の方たちにメールする。
アーツ前橋でやっている展示のワークショップ担当のAさん、
出版した工作本の担当者のBさん、
日東電工のCさん。
もう9時過ぎなので、皆様もう終業されているだろうけど、仕方ない。
わしは日中は教員の仕事をしているから、アート関係のことは夜に済ませるしかない。
明日朝にでも読んでいただければ良いだろう。

お風呂に入ろうとしてTシャツを脱いだら、胸の真ん中に赤い傷があるのに気づく。
なんだっけこれ。
触るとけっこう痛い。
今日何かぶつかったりしたっけ…
いやそんなことはない。
昼休みに生徒とサッカーしているうちに転んだとか?
いやいや、そんな激しいプレーはなかった。
ひっかかれたとか?
ないない。
全然思い出せない…
それなりの傷があるのに思い出せないのは何だか気持ち悪い。
確かに、今は意識朦朧としている。
一日の終わりに、余力を残さないよう、日々全力投球しよう。というような、
そういうかっこいいモットーに従って生きている。とか、
そういうわけじゃない。が、
仕事した一日の終わりには、だいたいフラフラ状態になっている。
だから、今日一日のことも思い出せないのか。
ああ、何だったっけ、この傷…

風呂場に入って、ようやく思い出す。
今日、理科系の授業で、シャクトリムシを生徒に紹介したんだった。
映像でシャクトリムシの歩き方を見せて、
それからとっさに、わしは床にうつぶせに這いつくばって、
おしりを上下させながらシャクトリムシの様に歩いてみせた。
動きを伝えたかったのだ。
その時、首から笛をぶら下げたままだった。
昼休みのサッカーで使ったままの笛が、
床との間でこすれて、わしの胸部を圧迫し、傷つけたのだろう。
そのときはアドレナリンが出ていて気づかなかった。
はあ、思い出してよかった。
もう疲れたよ。
やれやれだ。

風呂から出て、犬猫のトイレを片付けて、後は寝るだけだ。
ふと、パソコンを見て、メールが来ているのに気づく。
Aさん、Bさん、Cさん、全員から返信が来ている!
まだ仕事してるんかいな!
お三方、皆女性である。
9時過ぎに送ったメールが全部その日に返ってくるとは…
サバイバルだなおい、世の中は。

シャクトリムシの様に、シャクとって、一日一日生きて行かにゃあならんのだな。
自己憐憫など100年早かった。
わしは心の中で「ち」と、舌打ちして、布団に倒れた。
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by syun__kan | 2014-07-05 21:50 | 日記 | Comments(0)
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