ひばりが丘の、いつも「少し古いJポップ」をBGMで流している、
1000円出せばとにかく肉がおなかいっぱい食べられるステーキ屋さんで肉を食べていたら、
「イエーイエー、教科書にない、僕らだけの歌―」
という歌詞が聴こえてきた。
ふむ、「教科書」という言葉は、良い意味で使われる場合と、良くない意味で使われる場合があるな、
と、肉を噛みながら思う。
スポーツで「教科書どおりの動き」とか言えば、
優秀なプレー!というニュアンスが強いけど、
今流れているこの歌においては、「僕らだけの歌」が素晴らしいものなのであって、
「教科書にある歌」は、ありきたりで大人たちから強制的に押し着せられるものであると。
そういう悪いニュアンスが「教科書」という言葉に込められているな。
と、わしは肉を噛む。
わしはというと…
教科書、大好きです。
教科書、素晴らしいと思う。
教科書にある歌も、絵も、公式も、文献も、基本的に素晴らしいと思うよ。
と、わしは肉を噛む。
だって、教科書に載るレベルのものを作った人ってさ、
若い頃は、教科書的なもの、スタンダードなものに反発したんだと思う。
これまでの常識に反発し、
わが道を行き、
自分のスタイルを作り上げ、
気づいたらそれが新たなスタンダードになっていて、
結果的に教科書に載る。
ビートルズしかり、岡本太郎しかり。
それって、最高にかっこいいことだと思うよ。
と、わしは肉を噛む。まだ噛んでいる。
硬いんだ。仕方ない。1000円で200グラム食べられるんだから、文句は言えない。
そしてわしは、平成27年度から発行される教科書、
日本文教出版社「高校美術3」において、2ページにわたり掲載されるのであった。
高校の美術で「3」まで履修する人はそんなに多くないだろから、部数はそれほど多くないと思うけど。
あと、小学生向けの図工の教科書にも、作品写真が小さく1枚、載る予定。
正直、美術と教育の二股をかける者として、こんなに喜ばしく、誇らしいことはない。
わしも、噛めば噛むほど味が出ると良いなと思う。