生後7ヶ月を過ぎ、好調に離乳食街道をひた走るボリさんと、
離乳食を作り出し続ける奥さんは、
6月7日に白米のおかゆでスタートし、食べる種類を順調に増やす。
にんじん、豆腐、ほうれん草、鯛、かぼちゃ、トマト、バナナ、りんご、ブロッコリー、しらす、ジャガイモ、パプリカ、小松菜、桃、とうもろこし、キャベツ・・・
それらを奥さんはすりつぶし続け、ボリさんに与え続け、
ボリさんは「いつなんどきだれのちょうせんでもうける」とばかり、ほぼ拒むことなく受け入れ続ける。
先日、何と下の歯が一枚、うっすらと生えてきた。
何ということだ。まるで人間じゃないか・・・
本当に、あっという間にフェアリーでなくなってしまう。
まだいいんじゃないですか?と言いたくもなるが・・・
ボリさんは人生を先に進めることに非常に前向きな姿勢を見せる。
新しい技やグッズがあると、すぐに試してみたくなるボリさん、
歯で木のスプーンをコリコリと噛み、削る。
ボリさん、それは噛むものではない。
いや、ボリさんはまだ、歯が食べ物を噛み砕くものであると知らないのであろう。
試用期間なのだ。
いつか、流動的でない硬めの食べ物を食べる折になって、
「ああこれかみくだくためのものなのか」
と気づくのであろう。
そして今日は、大好きな、しらすをすりつぶしたものを、奥さんがスプーンで与えられるのが待ちきれなかったのか、
手でわしっと掴んで、ぐちゃ!っと口に運び、
すぐ次の二度目のアプローチでは、掴んだしらすを自らの側頭部に、むちょ!っと押し当てたとのこと。
わしは仕事に行っていて、見ていなかったのだが、奥さんによると、
耳の中にしらすが盛られていたとのこと。
ボリさん、それは聴くものではない。
いや、ボリさんには聴こえるのかもしれない。
すりつぶされ、食べられゆくしらすの、最後の叫びが・・・
「しらすしらすしらすしらすしらすしらすしらすしらす・・・」
おそらく聴こえるのだろう。
何しろまだフェアリーだから。