短編『概念としての髪型』『メガネ』

『概念としての髪型』

31年生きたが、自分に合った髪型というのは、いまだにわからないものだ。
学生時代は、脱色したりパーマ当てたり、いろいろやってみたものだが…
これだ!という髪型には、なかなかたどり着かなかった気がする。
今では、髪型そのものに、もう興味なんて無くなってしまった。

これはもう、合う髪形が見つからないというより、
「髪型」という概念そのものが、わしに合わないのだろう。

しかしながら…

興味無いのに、何らかの具体的な髪型を、頭に乗せておかなければならないのが、髪型というものの不条理な点である。

例えば、煙草に興味が無いなら、ライターを所持する必要はないし、
アクセサリーに興味が無いなら、ピアスなんてする必要は無い。
でも、髪型については、例え興味が無くても、「いらん!」という訳にはいかないのだ。
何らかの髪型を打ち出さなくてはならない。

サム・フランシスが「具象を描け!」と命じられているようなものだ。
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いっそのこと、わしの髪型は「無」にしたい。
「無」とは、スキンヘッドではない。
スキンヘッドも一つの髪型である。
そうでなくて、ここで言う「無」は、ビッグバン以前の「無」…
そこには空間も、時間も無い。
そういう状態を、頭に乗せて歩くことはできないだろうか。
それが無理でも、せめて抽象にしたい。
抽象的な状態を髪型にしたい。




『メガネ』

わしの安物のメガネは、いつの間にか細かい傷だらけになってしまった。
何だかもう、常にくもって見える。
奥さんから、

「レンズがプラスチックのメガネは、拭くと傷がつくから、洗ったほうがいいらしいよ」

というアドバイス。
はあ、そうだったのか。
全然知らなかったなあ。今まで何度も拭いてきてしまった。

そう思って、わしは水道にメガネを持っていって、
レンズを水で洗って、
濡れたので、
拭いた。

あれ?
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by syun__kan | 2014-09-08 21:59 | 日記 | Comments(0)
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