今年印象に残った作品5点。2014

毎年恒例、
になりつつある、その年に鑑賞した作品を5点挙げて振り返る日記。

「未知との遭遇」/スティーブン・スピルバーグ監督
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お父さんの暴走を描く映画。
車に乗っていて、光に包まれ、車ごと捉えられ、ぐらぐら揺らされたりした体験以降、
未確認飛行物体に異常に執着し、
夕飯のマッシュポテトで変な山を作ったり、
家の中に土を持ち込んで変な山を作ったりし、
家族に「もう相手してられないわ!」出ていかれるお父さんをつぶさに描く。

そうこうしているうちにお父さんは未確認飛行物体がやってくる場所のヒントを掴み、
近づいて行って、
異星人と一緒にUFOに乗ってどこかへ行ってしまう。

こんなパパ大暴走映画を見ながら、今年は始まった。
生後すぐのボリさんを寝かしつけつつ。

「仕事も家庭もすべてかなぐり捨てて追い求めたいものってあるよね。
でももう、さすがにそっち側にはいかれへんわ」

と思った。
前なら、これ見たら少しフワッとなってたかもしれない。



「グッドラックららばい」/平安寿子
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こちらはお母さんが暴走。
信金に勤める過度に倹約家の夫と、娘二人を残し、
家出し、20年帰って来ず。
そのことによる一家の苦難を描く…のではなく、
意外と平気に、勝手に生きていくそれぞれの、見事な自由、というか勝手っぷり、
そしてなお家族が崩壊しない様子を描く。

この物語の感想をネットで見ると、見事に二手に分かれていた。

「痛快!」というものと、
「勝手すぎてイラッとした」というもの。

その差は、人それぞれの家族観によるのだろう。
わしはと言えば…非常に楽しめた。
というか、今年最大のヒットだ!ものすごくおもしろいよ!!
人は人。
自分はあいつのものではないし、あいつは自分のものではない。
この原則は非常に重要だが家族内においては軽んじられることが多い。



「どきどきフェノメノン」/森博嗣
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理系の作家として、スカイクロラ等のクールな小説や、
高度なミステリ小説で有名な森氏が、
理系の女子大生を主人公に据え、
その脳内をふんだんに、とことん、ブログのごとく暴走させて描写した作品。

関口はアート系であり、理系とはある意味真逆ではあるが、
マイノリティーの脳内構造を持つ者としては共通している。
だからそういう意味では、非常に共感した。

主人公も、わしも、物事の捉え方がいちいち、一般と違うのである。
それはときどき困ったことにはなるが、ある部分では非常に豊潤なことなのだ。
自閉症の人が自分の物事の捉え方を記した本も面白いが、
それに共通する面白さがあった。



「LOVE POWER PEACE(邦題:ライブ・イン・パリ’71)」/ジェームス・ブラウン
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ずいぶん前のことのような気がするが、今年の上半期にはかなり落ち込んでいた時期があった。
何とかして自分を発奮させようと、躍起になり、いろんなことをしたが、
音楽という部分ではこれをよく聞いていた。

ジェームス・ブラウンをまったく知らない方に、この方の特性をかいつまんで説明を試みると…

要するにこの方は、周囲のテンションを上げるとかではなく、
この方自身が、テンションの化身なのである。
テンションそのものであり、音楽そのものである、という印象を受ける。
曲の間のおしゃべりでさえ、口から発せられただけで何だか音楽になって行くのだ。

これによってのみ、落ち込みが改善したわけではないが、
JBの暴走するエネルギーは確実に自転車を漕いで通勤する関口に伝わった。



「もけら もけら」/山下洋輔・文 元永定正・絵
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ボリさんを遊ばせる児童館にて、
本棚に置かれたボッロボロになった本書を見つけた。
抽象形態の絵とともに、「もけら もけら」というような、
擬音語?擬態語?オノマトペ?のような言葉が連ねられている。
だけ。

ところがそれを、絵とともに読んでいくだけで、
あたかも音楽が刻まれていくような!面白さが現出するのだ!
これはさながら、ジェームス・ブラウン製造機。

強烈に惹きつけられたわしは、次回から児童館に行くたびにその本を探す。
しかし、もう見つからず!
コンディションの悪さから引退してしまったのか?もけらもけら!

図書館で探すが、置いてある館は意外と少ない。
ほっしいなあー!と思いつつも、例によって貧乏性で、購入はしない。
しかし奥さんが茶碗を割った機会に、amazonで買うということなので、
思い切ってついでに買ってもらう。
わーいわーい!

ついに「もけら もけら」を手にしたわしは、口でドラム音を刻みつつ、朗読して一人で盛り上がる。
た、楽しい…

学校に持って行って、機会を見つけて生徒の前で読み聞かせる。
楽しい。
自分が一番楽しい。
ひとしきり、自分で盛り上がった後、生徒の反応に目を向けると、

「確かに少し楽しい気がしたけど、今のは何だったのだろうか」

という表情だった。
暴走しない程度に、来年も楽しもう、関口。
UFOに乗らない程度に。
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by syun__kan | 2014-12-25 22:21 | 日記 | Comments(0)
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