カヒについて

日の出は別に特別ではない。
改まって拝むものではない。
頻繁に見る。
前日やり切らなかった仕事を朝やる時、
出勤の自転車を漕ぎながら朝日に向かうことはよくある。
冬という季節は寒いという特徴を持っているので、
わしはカナダ用のコートを着込んで腹巻きしている。
とりあえず目が寒い。
今通っている経路は気に入っている。
大通りではなく、土手や路地的な道を抜けていくからだ。
羽毛や綿やポリエステルの奥の方で稼働しているわしの体は徐々に温まり、汗ばむ。
アップダウンはある。
自転車の変則切り替えは「無かったら無いで何とか成る」ものの代表例だが、
あったらあったでいじくりまわす。
普段数十円のどこの馬の骨かもわからないコーラで過ごしているわしにとっては、自動販売機の100円以上のコーラは高級品だが、
たまには…
日の出を見る頻度より低ければバチは当たらないはず。
冬の乾燥した寒さの中で温まった体にコカ・コーラを注ぎ込むのは、至上の感覚である。
缶の口当たりならばなお良い。
硬貨を挿入してボタンを押し、「どですかでん!」の音とともに転がり落ちる缶コーラを、自転車にまたがったまま拾い出し、
蓋を開ける時の音、

「カヒ」

飲み口に「ホウン」と白い冷気が立つ。
この美味しさは、日がある程度高くなってからエンジン付のサムシングで出発する人にはわからないだろう。

踏切は開かなくて困ることがあるので、少しずれたところに、うらぶれにうらぶれた陸橋を発見し、
最近はそこを渡る。
陸橋の上からは、遠くに富士山が見えるんだ。
朝日を浴びて存在する富士山を、毎日のように見れるのは、なかなか良い。
開運しそうとは言わないが、心理学的に良い影響がありそうだ。
富士山のことは割と気に入っている。
シンプルだし、問答無用だし、かっこよくも見えるしちょっと面白い感じもする。

帰り道。
陸橋を渡る時にふと富士山の方を見ると、
何も見えなかった。
最近は「大きなものは夜ライトアップされている」という何となくの洗脳があった。
スカイツリーとか。
しかし富士山は、でかすぎてライトアップできないみたいよ。
ダンディーだ。
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by syun__kan | 2015-01-22 18:01 | 日記 | Comments(0)
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