混じり気のない気高い文化部系とは言ったものの、
全くスポーツ経験が無いわけではない。
わしはわしなりにスポーツと絡んできた。
小学校の頃はイトマンスイミングスクールに行っていた。
しかしバタフライを泳ぐ自分がイメージできず、背泳ぎをやっている段階で辞めた。
「みどり帽」止まりで「黒帽」に進めなかったわけだ。
2年間くらいアマチュアレスリングも習っていた。
中学では何と柔道部。
坊主にもしなかったし、白帯のままで向上心も無く、
しょうもない部員でいつも顧問のサクライマモル先生に怒られていたけど、
手足が、というか胴体も含め、体全体が長かったため、
寝技でグニョグニョと絡み付いて、たまに勝つこともできた。
高校では美術部と掛け持ちし、弱小登山部のヘッポコ部長を務めていた。
要するにわしは決定的に球技が苦手であった。
ボールが自分の元に来ると、完全に慌ててしまうのである。
また、長い体の末端の手足まで細やかに行き届いた動きをさせることができず、
ボールは思う方向に全然飛んでいかなかった。
サッカーボールのリフティングなんか、2回くらいしかできない。
なんというか、ボディ・イメージが無かった。
ところが特別支援学校で働くようになり、自分が体育を教える機会が出てきた。
ははは!
おわらいぐさだ。
あの運動おんちなサンコンが、体育を教えるとはな!!
(「サンコン」は、学生時代までのあだ名)
ただ、わしは、美大生的な感覚については持ち合わせていた。
全てさらけ出すこと。それがアートであり、ロックである。
大人は、苦手なことは、なるべくやらない。
かっこつけていたいからね。
でも、苦手なものをあえて超本気で試行して見せれば、見ている人に何らかの感慨を与えられるかも知れないじゃないか!
できなかったら「チクショー!!」と叫べばいいじゃないか!!
ということで、わしはブリッジにしても立ち幅跳びにしても走るにしても、
へたくそながら、というかへたくそだからこそ、超本気でやって見せることにしている。
今日は、気まぐれで出ることになったランの大会。
雨天の中、奥さんとボリさんは親子ラン400メートルに出て、
わしは10キロを55分13秒で完走した。
1時間を切るのが一応目標だったので良かった。
体育会系空間にスパイのように潜入する美大的デカダンス家族。
楽しかったです。
来年はハーフマラソンで2時間切ろう。