歌っていいことになった

学生時代に、アメリカの古いミュージカル映画をよく見ていた。
フレッド・アステアが帽子掛けをパートナーにして踊ったり、ジーン・ケリーが雨の中で唄ったりするやつ。
日常的な会話をしていた人物たちが、突如、歌い、踊りだす。
そういった場面を観ていると、自然とこちらも心がうきうきした。

…関口君の悪いところは、それを日常に応用しようとするところだった。
「これらの映画のように、わしの住む世界も、みんなもっと踊りだせばいいのに!
そうすればもっと楽しい世の中になるのに!」
と思い、
実際にわしは、日常で踊りだすようになってしまった。
これほんと。

結果、わしは、
「どこでも踊っている人」
として、若干ストレンジピープルとして捉えられるようになってしまった。
まあ、美大だったから目立たなかったけど、
普通の大学だったらちょいとなんだったね。

「そういう世界だったらいいのに!」
と思うことは勝手だけども、世界はまだそうなってなかった。
ちなみに最近は、さすがに少し自制するようになったけども。

ところで、この間、帰り道に自転車に乗っている人と、すれ違ったら、彼の歌声が聞こえた。
その次に来た、スクーターに乗っているサラリーマン風の男も、歌っていた。
声が聞こえたわけではないけど、顔が歌っていた。

わしも昔、スクーターに乗っているときはよく歌っていたけど、
通行人のそばを通るときは、声を潜めていたものだ。

でも最近、すれ違いざまの人が、通行人を気にせず歌っていることが多くなった気がする。

これはもしかして、わしの思い描いた「ミュージカル映画的世界」に、世界が近づいてきたということか。
歌っていいことになったのか。
だとすれば、あと一歩だ。
次はみんなが踊りだすのを期待している。
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by syun__kan | 2015-05-07 19:00 | 日記 | Comments(0)
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