トラブリング

今は5月16日14時2分。
運よく?パソコンが目の前にあるので、
今日これまでのことを書いてみよう。

今朝は4時に起きた。
布団から這い出し、リビング的な部屋で鳴っている携帯のアラームを止め、
そのままリビングの床に倒れて二度寝とまどろみの中間のような時間を15分くらい過ごした。

今日は愛媛に行くのである。
昨年のワークショップ「一遍10メートル伝」で縁のできた愛媛大、松山大の連携事業・SENSEさんのお招きで、
今日16日に松山大で10~30人くらいの学生さん?を相手に講義し、17日に別の公共施設、西条市丹原文化会館で子ども相手のワークショップを行う。

しかしながら前日15日は、仕事は当然、普段と変わりなくあり、
しかも愛犬ハルちゃんが腰を痛めたとかで、触ると痛がって噛もうとする感じになり、
家には1歳5か月のボリさんもいるので奥さんは病院に連れて行けず、
わしが早めに帰宅してハルちゃんをスリングに入れて小脇に抱え、
自転車で動物病院に行ったのであった。
その後ボリさんを風呂に入れたり、アート系の用事のメールを送ったりしていると0時になり、就寝し、からの4時である。

前日早く帰ったため、生徒作品を選び、ピックアップすることができなかった。
そう、わしの職場の旭出学園生徒の美術作品の面白さを世の中にアピールしたいわしは、
松山大でも生徒の作品を紹介したいのである。
なので朝5時25分に家を出て、いったん職場に向かう。
途中でボトル缶コーヒーとソーセージ一本に貫かれた揚げパンをファミリーマートで購入し、食べた。

美術室で作品をピックアップしたのち、最寄りの大泉学園駅に向かう。
電車を乗り継ぎ、羽田空港へ。
駅を降りるとモビットの広告に竹中直人さんの顔が広がる。
9時25分発の松山行き。

ここ数年、ワークショップや家族旅行で国内のいろんなとこに行く機会がちょこちょこある。
羽田空港や新幹線も、なんとなく慣れてきた。
電車のごみごみ感も空港の清潔感も、どちらも好きだ。

…とか言って、ずいぶん普通のエッセイだなおい。まあ良いとしよう。
だんだん普通じゃなくなる。

JAL国内線に乗ると、とりあえず機内誌の浅田次郎さんによる「つばさよつばさ」を読む。
今回は、それを読んだ後、
松山大の講義で使おうと思っているパワーポイントを書いた。
そう、そのために、今回はめずらしくノートパソコンを機内に帯同したのだ。
大体こんなもんでいいかな、くらい書いたら、その後は読書。
森絵都さんの「永遠の出口」。
物語は第3章、主人公の家族が大分の空港に到着する様子が描写される。

しかしだ。わしの乗っている飛行機は、松山空港付近まで来て、高度が下がっていよいよ着陸か、となっても、
飛行機はまた上がってしまう。
二度繰り返す。
松山空港が霧のため、着陸できないとのこと。
けっこう楽観主義なところがあるので「少し遅れます」くらいの連絡をしとけばいいかと思っていたら、
飛行機はなんと羽田空港に逆戻りしてしまう。
窓側の席からは松山城が見えてるというのに。
にわかにざわざわする機内だが、皆落ち着いていて、プンプン感を出す者はいない。
さすが日本。和をもって尊しとなす。
見回すと、説明を求めるお客さんに対応するキャビンアテンダントさんが、
トレーシングペーパーをクシャッとさせたような見事な申し訳ない顔を作っていた。
それで十分であろう。
わしは、この状況は全然悪い気がしなかった。
むしろ、すわり心地の良い席で、ぼやっと、ゆっくり本を読んでいていい、しかも合法的に、
そんな時間を欲していたのだと思った。

羽田には13時20分くらいに着いた。
松山大の方からは、振り替え輸送のルートの情報が送られてきていた。
ほかのお客さんも、払い戻しなり、振り替えなり、後便なり、
それぞれの対処法をさっさとこなし始めた。
そのクールさが気持ちよかった。
手続きをすると、13時55分発の高松行きに乗れるとのことで、
しかしながらおなかだけはすいていた。
ソーセージに貫かれた揚げパンしか食べてないのである。
出発ロビーの売店はどこも高く、飲食店に入る時間もなく、
わしは最安値のパンとまたもボトル缶コーヒーを買って5分で食べ、
再び機上の人となった。

今、5月16日14時50分。
ぼやぼやパソコンを打っているわけ。
今日はこれから何があるのだろう。
着いたら、リムジンバスとかで松山に向かうという指示が出ている。
講義は16時半からだったけど、やれるのか?
まあ、悪くない休日だ。



…とか書いていたのが昨日の話だ。
今は17日、帰りの飛行機の中。
ここまでの文を読み返すと、わしは、
高松空港に着いたのち、16日16時半からの松山大での講義にある程度出るつもりでいることがわかる。

一つ学んだことがある。
高松と松山は遠い。
繰り返す。
高松と松山は遠い。
松の字が被っているからといって、
高松山!!!みたいにスピーディにはいかないのである。

羽田からの振替便で、高松空港に着き、間髪入れずリムジンバスに乗ったのが15時25分。
45分かけて高松駅へ到着。
もう16時10分なのに、わしは香川県にいる。
松山行きの高速バスが出るのが16時50分。
講義に出るのはコンプリートリィに無理なのだ。
早朝、作品のピックアップをしたり、機内でパワーポイントを書いたりした事実はとりあえずタンスの奥に仕舞われた。

期せずして初めて香川県に上陸した。しかし40分しかいられない。
しかも初めの10分はトイレ、次の5分は案内所で高速バス乗り場を問い合わせるために使ってしまった。
わしの残された香川県はあと25分間。

どこだ!!

うどんはどこだ!!

「うどんだけじゃない」というキャッチコピーを空港や駅でたくさん目にしたが、
実際そうなのかもしれないが、
25分しかいられないのであれば、だけじゃないの部分は省略せざるを得ない。

すぐに目についたチェーンぽいお店で肉うどん、
あなご天をトッピングし。
吸い込んだ瞬間びびっと来た。
ちがう!確かにいつものうどんではない!!

さあ済んだ。高速バス乗り場に戻る。

「香川県?行ったことがあるよ」と、今後わしは言っていいのか、あるいはその資格はないのか、
悩みながら高速バスに乗った。
車内は座席毎の読書灯完備の完全長距離仕様。
そう、実際長距離なのである。
松山駅までは、2時間43分!4000円!

スーツケースをバスのトランクに入れてしまったのが失敗だった。
途中で文庫本を読み終えてしまったのである。
未読のもう一冊はスーツケースの中。
わしの「永遠の出口」はどこだ。
その後、無為の1時間半を過ごす。
さすがに、「今日一日乗り物に乗ってるなおい」と思い始め、
やることがなくて何だか深淵なことを考え始めてしまう。
そういえば先週は用事で二度群馬まで往復し、
GWには三重県まで行った。
わしがもし乗り物マニアだったら、だったとしたら、至福の昨今だっただろう。
「坊ちゃんエクスプレスは、あと何分でどこどこに到着です」
みたいな放送が流れる、
このバス、坊ちゃんエクスプレスなのか…
なんとも脱力感のある名前だ。
「坊ちゃん」と「エクスプレス」の間に語感の落差が激しい。
「丸の内サディスティック」とはちがう。
椎名林檎が「坊ちゃんエクスプレス」という歌を作ったらどうなるだろうか。
「きーまぐれーをゆるーしーてー」みたいな感じになるだろうか、
確かに天気のきまぐれはどうにもならない。
坂の上の雲も、今日は晴れてほしかった。
講義に出られなかったことを先方にメールする際、「すみません」と書くが、しっくり来ず、
招いてくださった大学の先生からのメールの「すみません」もしっくり来ないのである。
天気が悪かったのだから。
そんなようなことを、等々を、めくるめく、考えているうちに、予定より少し遅れて19時40分、
ようやく松山駅到着。
つ、い、た。
二度目の松山。
招いてくださった皆様と居酒屋で食事会。

松山は、お世辞でもなんでもなく本当に面白いところで、勉強になることがたくさんある。
高校の美術の先生からなど、ためになるお話を聞けた。

宿泊は2週間前になんとか探して予約した、一泊5千円台、
中野ブロードウェイのような骨董おもちゃがロビーに溢れるけっこう謎なホテルだった。

16日にとっては翌日、書いている今にとっては今日、
17日は、5時半起床、6時出発。
天気は快晴に改正。
大学の先生に迎えに来ていただき、丹原文化会館に向かう。
こんなに早起きなのは、イベントの開会式に出るためだ。
ほんとは開会式は出ず、ワークショップ開始時間に間に合えばいいよという話もあったのだけど、
前日何もしなかったわしは、
少しでも今回愛媛に来た意味を残したかった。
SENSEの学生さんたちのグループの手伝いを受け、
アートフェスティバルにおいて、ワークショップを開始する。

前回来たときにも思ったけど、松山の学生さんの、
ゆったりのリズムで大丈夫なのかと心配になりつつも気づいたらわりとよくやっていて最後にはちゃんとまとまっている、その感じが面白い、
ワークショップは子どもたちがひっきりなしに造形活動し続け、盛況だった。

ワークショップ自体は続いているが、わしは帰りの便に間に合うよう、
14時に手配されたタクシーに乗る。
壬生川駅に着き、特急で松山駅へ。
晴れた田園風景、余裕ある車内で後ろに傾けた椅子、
こんなに快適な鉄道乗車体験は初めてだったかもしれない。
昨日から乗り物に乗り続けているにもかかわらず、わしは楽しんだ。

松山駅に着き、飛行機にはまだほんの少し余裕があったので、
わしは市電に乗って道後温泉に行き、
道後温泉周辺20分の滞在で、前回お金がなくて買えなくてずっと欲しかったポンジュースのTシャツを買い、
漬物を買い、
すぐにリムジンバスで空港に向かった。
飛行機に乗り、パソコンで日記を書く。

今の今、18時57分、飛行機は羽田の滑走路に着いた。
楽しかった。活力を得た。
結局わしは、また愛媛に癒されたのである。
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by syun__kan | 2015-05-17 22:43 | 日記 | Comments(0)
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