昨年から、自転車による通勤ルートを、
非常にうらぶれた歩道橋で西武池袋線の線路を渡るコースにしたのだが、
歩道橋上から、冬季は遠くに、富士山が見える。
冬季しか見えない、ということは、春になって知った。
空気が澄んでいないと見えないのだ。
夏の間も、もちろん見えない。
最近は、徐々に秋も深まり、かなり空気が乾いて来た。
この間の朝、それを実感し、
「今日は富士山見えるだろ」
と直感した。
そして、歩道橋上から西の方角を見たのだが…
富士山は見えなかった。
空気は澄んでいるように感じられたのだが。
その時、わしは、
そんなわけないのだけど、
「あれ?富士山移動したのかな?」
と思った。
そんなわけないのだが。
でも一瞬、本気で、そう思った。
そう、そういうことってないかな?
そんなわけないのだけど一瞬本気で考えてしまうこと。
例えば、前、
道路沿いに小さい川が流れている道路を、自転車で走っていた。
近所なので、ホームセンターに行く時など、たまに通る道だ。
しかしその時、川の流れが、何となく、
いつもと逆方向に流れている気がした。
今は南から北に流れているけど、いつもは北から南だったような。
そのときわしは、
「あれ?今、時間が逆行してるのかな?」
と思った。
そんなわけないのだが。
でも一瞬、本気で、そう思った。
そして、車道を見て、
車が後ろ向きに走っていないかをチェックした。
一瞬、本気で。
でも、車は、ちゃんと前向きに走っていたので、
時間は逆行しているわけではなかった。
良かった、と思った。
一瞬、本気で。
もし車が逆向きに走っていたとしたら、
車側の時間から見たわしは、
後ろ向きに自転車で走っていただろう。