対極主義

先日、同僚の結婚式のため、表参道に向かったが、1時間以上早く着いてしまった。
ふと、久々に岡本太郎記念館に行ってみることにする。

イッセイミヤケとか、その他(普段使わない名前のため思い出せない)ハイブランドショップが並ぶ、
必ず何かしらの主張のある髪型、ファッションをした人々が行きかう通りを歩く、
そんなわしは新聞にガムテープ巻きつけることが天命の低所得な現代の若者さ、そろそろ若くもないな、頭も1000円カット。
赤いレンガ外装のカフェを右に折れて住宅地。

岡本太郎記念館は変わらずそこにあり、変わらず来場者多数。
600円払い、見学。
岡本太郎の元自宅兼アトリエを改造した施設、
館内は濃度100%の太郎ワールド。
書籍等の関連商品もすべて手に入る。
「運命に盾を突け」
「瞬間瞬間に生きろ」
「人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ」
「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが爆発だ」 
「自分の中に毒を持て」
などなど、太郎の言葉がそこかしこに踊る。

「ここに来ると元気をもらえる」と、何度も訪れる人も多い。
確かに、ここには何かしら、そういったエネルギーが充満している…
というより、焦るのである。
このままでいいのだろうか、もっとこうした方がいいのではないか、そう急き立てられる感じだ。

しかし、「運命に盾を突け」と言われても、わしはこのあと同僚の結婚式に参加する運命であり、
それに盾突いたら新郎新婦に迷惑がかかる。
わしが毒を持って結婚式に参加し、その瞬間、わしの全身全霊が無条件に宇宙に向かってパーッと開いてしまったら、
おそらく式場にも迷惑がかかるのではないか。

だからわしは、記念館で精神を鼓舞されながらも、このあと大人しく結婚式に参加するしかないのである。

こんなことでは、岡本太郎に勝てないではないか。
ロール・オーバー・タローできないじゃないか。
太郎は「対極主義」を唱えた。
「人類の進歩と調和と発展」を謳った大阪万博において、その対極にあるような原始的でベラボーな太陽の塔を打ち立てたように。
わしはやっぱり、今日という日の運命に、盾突くべきではないだろうか!
爆発しようか、今日!!

なんつって。
わかっている。
太郎が言いたいのは、そんなことじゃない。
太郎は原始人ではない。都会的な人間である。
「対極主義」は、何かに刃向かうために一極に立て、という意味じゃない。
対極的な世界観がぶつかり合って、本当の世界観が生まれる。
水と油は対極だけど、混ざり合えば、おいしいドレッシングになるように。
そういう意味だ。

太郎だって大人しく結婚式に出ただろう。
というか、そういう席でとてもかっこよく振舞っただろう。
だからわしも、大人しく式場に向かって、
結婚を承認する拍手を送り、ご祝儀を収めた。
おめでとう!末永くお幸せに!

披露宴でおいしいドレッシングが出ればこの日記もうまく収まったのだが、
フォアグラのペーストに奈良漬を巻いたりとか、とても美味しいけど日常から遠く離れた料理たちだったので、
ドレッシングさえかかっていなかった。
[PR]
by syun__kan | 2015-12-31 15:20 | 日記 | Comments(0)
<< 正月の実家 ニュー予言 >>