広島滞在制作・3日目・ファブリーズ

実はうまく寝られなかった。
線路が近く、電車の音がうるさいからか、
それともカーテンを隔てた隣人のいびきが気になるのか。
ハナホステル1泊目という新しい環境に若干緊張していたのか?
0時半、仕方なくわしは、iPodのイヤホンを耳に入れた。

聴くアルバムはもちろん、YMOの「テクノドン」。
中高生の時、わしはYMOの大ファンだったのだが、
このアルバムだけは、何度聴いても、途中で寝た。
ファンだから、これじゃいけない気がして、
何度もチャレンジし、何度も撃沈した。
そのうちに、このアルバムは、
寝つきが悪い時に聴くという、大切な役割を担うようになった。

細野さんのぼそぼそした歌声と、
ポワポワした音のおかげで、それなりにうつらうつらできた。

朝7時には出発しようと思って、6時15分に起き、
屋上に干してある洗濯物を取り込みに行ったら、
ドアの張り紙に8時にならないと鍵が開かないと。

手元に今日着る分の服はあるが、
靴下だけがない。
干してある。

①7時に出発してコンビニで靴下を買う。
②8時まで待つ。

という選択肢が浮かぶが、
この際、1階のキッチンを使ってみようということで、
コンビニまで歩いて行って、食パン、卵、カット野菜、マヨネーズ、ファブリーズを買った。
どうしてファブリーズが必要かって?
アーティストがあんまり夢を壊したくないが、
ガムテープの服は洗濯できないのさ。

キッチンでは、何やら大勢の外国人が、やおらカップ麺を食べたりコーヒーを飲んだりしていたが、
わしも張り紙で注意事項や物の場所を確認しながら、
卵3つ分のスクランブルエッグのサンドイッチとマヨネーズをかけたサラダを作った、
というか盛った。
しかしながら、やはり自炊した物はうまい。

無事8時となり、靴下をゲットしたわしは、
昨日学芸員さんにカードをもらい、教えてもらった、
電気自転車のレンタサイクルポートに行く。
若干迷いながらポートにたどり着き、若干迷いながら美術館まで着いた。
美術館に向かう坂道を間違え、途中階段があったときは困ったが、
重たい電動自転車を気合いで持ち上げた。
何だか朝からリズムが悪いが、このくらいは笑顔で乗り切らなきゃならん。
「台風クラブ」という映画のラストに近いシーンで、
工藤夕貴の演じる中学生が、
何だかものすごい深い水たまりに、笑顔で踏み込み、渡り、
気にせず歩いて行ってしまうシーンがある。
あれは良いシーンだ。

滞在制作には今日も、たくさんの方がお見えになり、
千葉でホットペッパーを見て気になり、観に来てくれた方、
兵庫から来てくれた方、
広島で開催されている高校総合文化祭関係の先生方、生徒さんたちなど、
魅力的なお客さんをお迎えした。

ご高齢で、車いすで来られた方が、
わしの大人魚姫を見て、

「わー、こんなの初めてだ」

とおっしゃり、

「良い記念になる」

と言って、観光名所の様に、一緒に記念写真を撮られていた。
わしの何倍も長く生きているであろう方にとっても、
わしの作品が「初めて」のことであり、「記念」になるということが、
わしにとって非常に嬉しかった。

17時の閉館の頃になると、疲れを感じた。
制作中に疲れを感じるのは、3日目にして初めてのことだった。

カメラでブログ用に撮影するのを忘れた。申し訳ありません。

事務所に上がると、職員さんたちがケーキで、
わしの誕生日をお祝いしてくださった。
そう、わしは今日33歳になったのである。
特殊な状況で迎えた日ではあるが、生まれて良かった。
生きていることを実感することをしながら迎えられた。

19時過ぎに制作をやめ、
学芸員さんと食事に行った。
炭火焼の居酒屋さん。
テレビでは、広島カープが逆転勝ちした。
現在、ダントツの首位らしい。
最近のカープ人気、そして優勝が視野に入る状況のせいで、スタジアムの座席はずっと完売状態らしく、
滞在制作中に一度は試合を見に行きたいと思っていたが、どうやらそれはかなわない。
でも、全然良いです。
カープが勝てば、広島の方々の機嫌も良くなる。

明日は閉館日。
広島市街を観光します。
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by syun__kan | 2016-07-31 23:59 | 日記 | Comments(0)
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