広島滞在制作・オフ日その2・黒田

こちらに来てよく分かったことがある。
広島の人はとにかく黒田が好きである。
わしが制作に使っている新聞は、美術館の職員さんが集めてくださった中国新聞が多いのだけど、
とにかく見出しへの「黒田」の登場回数の多さと言ったら。
黒田、黒田。
あ、黒田は広島カープのスター選手である。
わしは全然野球詳しくないのだけど、
どんなに詳しくない人でも、その事実だけは広島に来て数分でインプットされるだろう。
駅にも、売店にも、地下道にも、
黒田が溢れている。
勝ったら、黒田がどうこうしたということが見出しになり、
負けても、「黒田阻まれる」とか、
黒田を主語にしてすべてが語られる。
そしてその出来事に関連した、
「あの時黒田は、契約満了の外人選手にロッカールームで頭を下げた」
とか、深い感じのエピソードが記事に挿入されたりする。

カープのシンボルは、鯉である。
他のチームが、ドラゴンやら鷹やら、
かっこいい強そうなダンスィーなシンボルを擁しているのに対し、
なぜに口をパクパクしている魚類なのか?
しかしそのようなポカッとした可愛さが、「カープ女子」に見られるような、
最近の人気の理由の一つなのかもしれない。
市民球団であるという点も大きい。
しかも今年は、何十年ぶりかの優勝が狙える位置にいるのだ。

ところがこのところ、本拠地広島市民球場球場で、
惜しい所でカープが敗れるという結果が、続く時期があったようだ。

これが困るのである。

わしが止まっているカプセルホテルに、夜10時半過ぎ、
ムスッとした赤い服のおじさんたちが、なだれ込んでくるのである。

ホテルを取るくらいだから、県外から来ているのだろう。
わざわざ来たのに、負けるのだから、
憤然やるかたなしであろう。
カプセルホテルの空気は一気に悪くなるのである。

でも昨日は勝ったらしい。
昨夜イオンの食品売り場で買い物していたら、
なだれ込んできた赤い服の人々の顔が、
一様に、にこやかだったのだ。
家族連れも、酒類を漁るヤンキーのお兄さんたちも、
皆晴れ晴れとしている。
今朝、ネットのニュースで見たら、
2位の巨人に、奇跡的な逆転サヨナラ勝ちをしたとのこと。
いやあ、それは、よかった。

広島におけるカープファンの占める割合は、わしの印象だと異様に高く、
7割超えてるんじゃないかと思う。
県民の大半の、機嫌を左右するのだから、
わしも滞在中、カープの動向を気にするようになった。
勝ってほしいと思うようになった。
カープよ、なるべく勝ってくれ。
今日こそ勝ってくれ!
勝負はここからだ!
頼んだぞ、黒田!

これって、ファンということなのだろうか?
何となく、不思議な圧力のようなものに押されている感じもするが?

しかしながら、広島でお世話になった方々が、その後も喜んでいて欲しいので、
滞在制作終了後、東京埼玉に戻った後も、わしはカープを応援する気がする。

今日はそんな晴れ晴れとした広島で、
美術館休館日でオフ日となったわしは、宮島観光に出かけたのであった。
行きはJR~フェリー、
帰りはフェリー~広島電鉄。

宮島、および厳島神社は、「~越し」の景色の多い観光地だった。
神殿の回廊越しに見える、大鳥居、
民家の屋根越しに見える、五重塔、
揚げもみじ越しに見る、通りの観光客たちなど、
要素がレイヤーをかけて目の前に広がるのが楽しい。

あなご飯が名物で、頻繁に売っているが、
名店に並ぶのはおっくうで、並んでない店で弁当を買い、
フェリーを降りた広場の日陰で広げて食べようとするが、
横からモシャモシャ音がすると思ったらわしの荷物が鹿に襲われている。
周囲の観光客にとっては、そんなわしの様子がそのまま観光名所になったように、
笑顔で見られていて、
わしは慌てながらも外国人観光客にもわかるように、
「ノーノ―、イッツマイン!イッツマイン!」と、
英語でリアクションを取ってしまうのだった。
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by syun__kan | 2016-08-08 23:57 | 日記 | Comments(0)
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