ノーミュージック・ライフ

「ノーミュージック・ノーライフ」という言葉が嫌いである。
だって、耳が不自由で音楽が聴こえない人だっているじゃないか!
音楽無しの人生だって、普通に有り得る!

と言っていたら、奥さんが、
「その言葉を言うのは、ミュージシャンか、CDショップの人でしょ。
その人たちは、音楽がないと生きていけないじゃん」
と述べた。
ああ、確かに…
彼らは音楽がないと、仕事無くなる。

それに、耳が不自由でも音楽を楽しむ術はある、というような感じの意見も聞こえてきたりして、
わしの気勢は削がれていくわけだが、
要するにだ、何が言いたいかというと、
わしのiPodが壊れたということだ。

長年連れ添った、たぶん10年くらいか?iPodちゃん、
アップデートしたら動かなくなってしまった。
アップデートしなければよかった。
というか、ザ・アナログ人間のわしにとっては、
世の中に「必要な事」としていつの間にか組み込まれている、
この「アップデート」という仕組みに全く馴染めずにいる。
特に問題ないと感じているものが、突然「いろいろ性能が向上しますから必要です」みたいな理由を言われて使用を中断され、
再起動すると仕組みがいろいろ変わっていて、
使い方をまた一から覚えなくてはならない。
何なのだろう、何というか、
完成してから売ってくれ。という感じだ。
それが道理ってもんじゃろう。

ああ、完全にグチだ。
パーフェクトコンプリートグチ、グチの結晶だ。
つまらない人間になったものだ。くそう。

そんなわけで、実はこの半年くらい、
音楽を聴いていない。
家では迷惑になるので自分の好きな音楽を垂れ流すことはせず、
かといってイヤホンをすると家族と話ができない。ので、
これまで音楽を聴くタイミングは通勤で歩いているときと犬の散歩しているときだったのだが、
この半年は無音である。

現代芸術に少しでも興味のある人ならご存知だと思うが、
ジョン・ケージという音楽家が作曲した「4分33秒」という曲がある。
ピアニストがピアノの前に座り、ピアノの蓋を開け、
特に音は出さず、
4分33秒経ったら蓋を閉じる、という曲。
楽器を鳴らさない、ということで逆に聴こえてくるもの、見えてくるものは何か、
みたいな、そういう感じの作品である。

わしはそれをずっと聞いている状態、
タイトルは「4分33秒」どころではなく「半年」である。
一体わしは、何が聴こえてきたのだろうか。見えてきたのだろうか。

とりあえず犬の散歩中は「ペンパイナポーアッポーペン」をエンドレスで口ずさんでいたりする。
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by syun__kan | 2016-11-12 01:03 | 日記 | Comments(0)
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