メメント・プリキュア

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3歳になるボリさんと、プリキュアの映画を観に行った。
ボリさんももうすぐ幼稚園に上がるので、
入園準備としてプリキュアくらい押さえておいた方が良いだろうということで、
今シーズンのプリキュアをワンセグで見せていたら、
彼女は容易く魅了された。

もっとも、わしとしても、映画に行くのは、やぶさかではない。
うちにはテレビがないので、ガラケーのワンセグで見せるわけだが、
電波がいまいちなので、
視聴する際はわしがアンテナを押さえ、
自らが人柱というか人アンテナとなる必要があり、
必然的にわしも大体毎回、「キラキラ☆プリキュアアラモード」を視聴し、
戦闘の最中に突然ケーキを作り出す展開にドキモを抜かれ、
クリームに砂埃が入らないかハラハラしたが、
それなりに楽しんでいた。

映画館のある大泉学園は、東映の本拠地である。
春休みの館内には、プリキュアのフィギュア等の展示物があり、
小さな女の子連れの家族がたくさん。
子どもだけ、うさぎ型の小さなペンライトがもらえ、
客席はほどよく埋まっていた。

わしは3回泣いた。
最初は、主人公である「うさみいちか」ちゃんが、
キュアホイップに変身する場面。
変身すること自体、まったく予想外ではなく、
非常に当たり前な展開なのだが、
やはり泣いた。

なぜって?
この作品には、作家のエゴのようなものが、全く無い。
おそらく、会議に会議を重ねて、たどりついた形だろうし、
テレビアニメ、映画作品、
CD、DVD、各種イベント、
玩具、書籍、文房具、衣類、生活用品等々、
様々な媒体が、全部絡み合い、一緒になって練り上げられた、壮大なビジネスプロジェクトである。
壮大でありながら、何の破たんもない世界。
そういうものが、
うさみいちかちゃんの決めポーズと共に、
無事こちらにどーんと届けられたと実感され、
そのダイナミズムに、感極まった。

内容的には、今シーズンのプリキュアと、
昨年、一昨年のプリキュアが出てくる形で、
わしは今シーズンのメンバーしか分からないのでリアクションを取りづらい場面もあったが、
おそらくこの映画用のオリジナルキャラクターである「さくら」という小さな女の子も出て来て、
さくらと仲の良いキツネの「しずく」も出て来て、
二人の友情が描かれ、
しずくが敵の悪い奴の手中に落ち、
「もう一度しずくに会いたい」と言ってさくらが泣き、
はい、この辺でわしは2度目の泣き。

さくらは5歳くらいの年齢設定と思われる。
幼少期に、どれくらい濃密に関わり、愛情を伝え合うか。
それが非常に大切であることが、ここでは示されている。
月並みに言えば「絆」のようなリレーションシップを育む時期があったからこそ、
さくらは、いなくなったしずくをこんなにも求めるのだ。
となりのボリさんは、
戦闘シーンに興奮して、ペンライトを「エイ!エイ!」と振り回しているが、
その横でお父さんはむせび泣いている。

歳を重ねるごとに、だんだん、涙もろくなる。
若いころは、逆にまったく涙が出なかったのに。
いろいろなものが、「泣ける」ようになった。
なんでだろう?と考えて、
だんだん、人生の残り時間が短くなっていくからかもしれない、
などと真面目に思った。
まだ若いのに大げさだ、とも思うけど、
30過ぎて、人生の短さに頻繁に思いを馳せるようになった。

うさみいちかちゃんが「大丈夫、一緒に行こう」というようなことを話し、
きらびやかな格好をした女の子たちが一致団結して敵を倒す。
しずくは戻って来る。
プリキュアたちの勝ちだ…ネタバレかもしれないが。
まあ良いだろう。
正直、「この敵に今回ばかりは倒されてしまうかもしれない」と感じる場面は無かった。
「辛そうな人は助けるべきである」
「みんなで協力すれば、大変と思われることでも達成できる」
そういったメッセージが、高らかに謳われた。

案の定、わしはまた泣いている。
「辛そうな人は助けるべきである」
「みんなで協力すれば、大変と思われることでも達成できる」
こういったメッセージは、人生を歩み進めるにつれ、
だんだん例外が出てくる。
世の中はもっと複雑で、ややこしい。
「倒せない気配が全然しない敵」というのも、
現実的ではない。
そういった例外、複雑さ、ややこしさが極まったところで、人生は終わるのかもしれない。

でも3歳なら、今はこれでいいだろう!
間違っていない!
ボリさんよ、
辛そうな人は助けるべきだし、みんなで協力すれば、大変と思われることでも達成できるのだよ!
ビジネスプロジェクトだとしても、そのメッセージには血が通っている。

劇場を後にし、
翌日にはテレビ版のプリキュアの放送があった。
わしは新居に引っ越したばかりで、何と、
ついにテレビを購入したのである。
そんなに大画面ではないが、ワンセグよりは遥かに大きな画面で見るエンディングテーマは、
やはり鮮明で、
ダンスの振り付けがよく分かった。
わしとボリさんは、せっせと振り付けを模倣した。

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by syun__kan | 2017-04-03 22:14 | 日記 | Comments(0)
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