リュックが終わりたがってるんだ

奥さんの記憶によれば、わしがこのリュックを手に入れたのは2009年。
8年前ということだ。
原宿で買ったことは覚えている。
一万円前後だったか…
COLUMBIAのリュックだ。
奥さんが買ってくれたのである。

このリュックをわしは、
一貫して背負い続けた。
とにかく、わしの日常に、完全に馴染んだ。
背中と癒着していた。
相互依存した。
とりあえず、仕事には毎日背負って行く。
お弁当等を入れて。
加えて休日も、
財布のみ持ち歩く時はポーチ、財布+本とかの時は肩掛けカバンのこともあるが、
それ以上何か持ち運ぼうものなら、このリュックを背負った。
当然、ワークショップ等で東北や広島に行くときも、
どこに行くのも一緒である。
(ネット上を見ると、
2011年の多摩美出前アート大学の講師紹介の写真で、このリュックを背負っている)
f0177496_21331489.jpg
色が良い。
黒ベースで、カラフルにいろいろな色が入っているから、
何色の服を着ても何となく馴染んだ。
肩紐に色が着いているのが良い。

ただ、年月を重ねると故障箇所が出てくる。
一つのファスナーが壊れ、パカパカ開いてしまった口を、わしは安全ピンで留めた。
肩紐も、表面が破け始めた。
しかしわしは、背負い続けた。

奥さんが買ってくれたことに起因する思い入れもあったし、
物欲の無さには定評がある、わしの性格によるところもあったと思うが、
それ以上に、
何というかこう、ただひたすら、
要するに癒着していたのだ。
思考停止とも言える。

でもまあ、物を長く使うことは基本的には良いことだし、
リュックとしても、長く活躍し続けることは本望だろう。
と思っていたのだが…

この間ふとリュックを見たら、
リュックが終わりたがっていた。
なんかこう、ヨレっとしていて、
「もういい。終わりたい」と言っていた。
物の方から、終わりたがることがあるとは思っていなかったので、
ちょっと驚いた。
「ああ、ごめん」と思った。

わしからの愛が、重かったみたいだ。
背負っていたのは、リュックの方だった。

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by syun__kan | 2017-07-04 21:35 | 日記 | Comments(0)
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