本日は広島に原爆が落ちた日。
ホテルに迎えに来てくださった学芸員さんの車に乗るのがちょうど8時15分で、
車の中のテレビで式典の中継を見た。
昨年はわしは式典会場にいた。
黙祷。
浜田市は、広島から近いので、
原爆投下の際は逃げてきた方、温泉で治療に当たった方がいたという。
会場に着き、5日目がスタート。
わしの作品は、小さいパーツがたくさん付いている。
わしはそれらのパーツを、「具」と呼んでいる。
今回の作品も、ヤマタノオロチの体のこちら側には、「具」がいっぱい付いているが、
反対側は、展示する際にあまり人目に付かない予定なこともあり、
平らになっている。
平らな面はどのように作るかというと、
新聞紙をくしゃくしゃにして、
ちょっと広げて平らにつぶしてテープを縦横に貼りつけてシート状にし、
木材と針金による骨組みを、覆うようにして取り付けている。
わしはその、平らにした新聞紙とガムテープのシートを、「皮」と呼んでける。
内側は木と針金による「骨」。
「具」と「皮」と「骨」。
そうそう、ヤマタノオロチに関しては、手足や首は、中は空洞ではなく、
中身までぎっしりと、くしゃくしゃにした新聞紙が詰まっている。
さながら「肉」だ。
なお、本日はワークショップがあった。
当初参加者が集まらなくて若干困っていたが、
蓋を開ければ17名の方と、楽しく活動できた。
床にばら撒いた大量の新聞紙であそび、
ややあって、
最後にはカラーガムテープも使用して自分の好きなものを作った。
昨年の広島での展示を観て、今回も隣県である島根まで訪ねて来てくださったご家族もあり、
感激した。
10時から休憩を挟んで14時まで活動し、
皆様が帰られた後には、
活動によってくしゃくしゃ、しわしわになった新聞紙が、
まだ大量に散らばって残されている。
良い出汁が出ている。
一枚一枚が分離し、既にくしゃくしゃになっている新聞紙は、
制作を進めるのに非常に使いやすいのである。
だって、一冊一冊になったままの新聞だと、それを一枚ずつ引きはがし、
手でくしゃくしゃに丸めるところから始めなくてはならない。
集団遊び後の新聞紙は、その工程が要らないのでありがたい。
ワークショップ後の時間、わしは散らばったくしゃくしゃの新聞紙の中に座り、
新聞紙をかき集めながら、
150センチくらいの、ヤマタノオロチの尻尾を、
立て続けに6本作った。
まるで鍋が終わった後の汁で「雑炊」しているみたいだった。
どうしてこう、さっきから、
料理系で例えているのだろう。
正直あまり訳が分からないというか、必然性がない。
少し疲れているのかもしれない。
ワークショップをフルサイズで一本行うと、それなりに消耗するものだ。
そういえば今日、美術館を訪れた子どもたちは、
帰るときには立派な万華鏡を、携えて帰っていた。
別の部屋で万華鏡作りのワークショップをやっていたようだ。
聞けば70人も参加したとのことで、
「すごいですね、準備とか大変でしたね」
と、学芸員さんに声をかけると、
忙しい時期なので今回は既成の工作キットを使ったのだと。
そういうのも時としてはアリであろう。
わしは、
「冷凍食品みたいなものですね」
と言った。