三宅感。

取りに行きたいものがあって、
実家に帰ろうとして家を出たのだけど、
道すがら三宅感の映画制作のお手伝いをすることになり、
東青梅に行ってきた。

★三宅感・・・関口と、予備校、大学で同じ専攻だった友人。
彫刻科に所属していたころから映画監督を志し、クレイアニメや短編映画を制作。
NHKの「デジスタ」で賞を受けるなどの結果も残している。
4年生のころから作り始めた映画を、3年経った今でも制作し続けている。

制作の手伝いは、ずっとしたいなとは思っていたのだが、
この一年半は自分のことで手一杯で、今日やっと顔を出すことができた。

久し振りに会った三宅は、髪がボーボーに伸びて、天然パーマでクルクルして、
ラブセクシーのころのプリンスみたいだった。

東青梅の山道の、倉庫みたいなところで、制作をしていた。
倉庫には、三宅の知り合いの、女の子たちを中心とした手伝いの人たちが、集まってきた。
ガタイの良い男衆も、2、3人いる。

ほんとに、プリンスみたいだ。
プリンスの周りは、ウェンディ、リサ、シーラE、キャット、マイテとか、いつの時代もセクシーな女性のサポートメンバーが取り巻いていた。
その輪の外には、寡黙な感じのメンズが、サックスとかキーボードとかで脇を固めていた。

この集団形式は、表現者が活動を進めていく一つのパターンなのかもしれない。
カリスマの周りに集う、女性と男性。
率いる人と、ついていく人。
集団の方向性を決めるのは、カリスマ一人。
ついていく人は、カリスマのイマジネーションとか、特異性、過剰性に身をゆだねて、その魅力的なプロジェクトの進行に自己投影しているのかもしれない。

三宅は、立派なカリスマだった。
彼は、とても赤裸々な人だ。
エンターティナーであると同時に、自分の弱さも、チンパンジーのお尻のように、いつもむき出しのままだ。

赤裸々であるという事は、私にとっては、不可能なことだ。
私はいつも、何かしら演技しているところがある。
強みも、弱みも、普段は隠していたい人だ。

その点で、三宅とわしはすごく対照的というか、違った人間性を持っていると思った。

むき出しの人と、いつも演技している人。
一緒にいやすいのは、むき出しのひとだと思う。少なくとも、私にとってはそうだ。

いつも演技している人(仲間由紀恵さんとか?)は、その演技を切り崩して奥のほうを垣間見たり、深読みしたりすることは楽しいけど、いつもそんなことしてたら疲れてしまう。

三宅氏の場合、てんこ盛りの特殊性を持っていて、その部分までむき出しなので、
傍らにいて、こんなに面白い人はいない。

彼となら一緒にいい夢を見れる。と、わしは正直に思う。
でも本人は弱さもむき出しなので、サポートせずにはいられなくなるのかもしれない。

プリンスの次には、わしが一番好きな映画、「ブルース・ブラザーズ」を思い出した。
黒スーツにサングラスのジェイクとエルウッドが、自分達の育った孤児院の財政的な危機を救うため、
昔のバンド仲間を集めてライブを開いてお金を集めようとするロードムービー。

昔のバンド仲間は、みんな堅気の商売についているのだけど、
ジェイクとエルウッドの誘いを受け、なんだかんだでツアーに巻き込まれ、
案の定、ギャラの未払いとか、いろいろ振り回される。

最後のほうで、ジェイクとエルウッドは演奏するメンバーを残してトンズラするのだけど、
そのときのドラマーの、
「あ、逃げるの、うん、まあ、いいよ」というニュアンスの笑みがとても良い。

ラストシーンは、ジェイクもエルウッドもメンバーも、みんな刑務所に入っていて、
刑務所の中で「監獄ロック」をワーッと演奏している。
とても楽しそうだ。

そう、カリスマの最高の資質は、
こいつとなら一緒に刑務所に入ってもかまわない、と人に思わせることなのだろう。

・・・とはいえ、私は教員としての立場があるので、そこまでは逸脱できない。
(美術の先生というのは難しい。ロック的な価値観と、公務員的な価値観の間を行ったり来たりしなくてはならない)

なんだかんだで、教員をしながら、こうした美大からの文脈上にある友人の映画制作を手伝えたりするのは、とても幸せなことだ。
普段と違った価値観の世界に身を置くことは、すごくいい刺激になる。これは間違いないと思う。

日本という恵まれた環境の中で生まれ育って、私に苦しみがあったとすれば、
それはカテゴライズされない苦しみ、類似品のいない苦しみだったと思う。
(もちろんそれは同時に誇りでもある)
だからこそ、独自の手法と独自の価値観で身を立てなければならない。
言い換えると、身を立てる上で、手法と価値観を自分で作り出さなくてはならない。
たぶん、三宅氏も、そうだったんじゃないかなーと思う。
だからこそ、「三宅が今何やってんのか」ということは、気になる。
参考にしたいのだと思う。
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by syun__kan | 2008-07-27 23:02 | 日記 | Comments(2)
Commented by みらりん at 2008-07-31 22:19 x
誕生日おめおめ
Commented by 関口光太郎 at 2008-08-01 22:01 x
ありがとう!!
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