遠かった。
電車、飛行機、船、バス、あらゆる乗り物に乗って、やっと着いた。
行った日は、鹿児島実業が甲子園で勝っていたので、鹿児島の人たちは機嫌がよかった。
天気雨だった。
一日を通して、雲が本当にきれいだった。
ウミガメの赤ちゃんが、卵からかえって、
砂浜から出てきて海に入っていくところを見学するツアーに参加した。
月明かりの下、みんなで砂浜にたたずんで、
カメを探すのは、とても不思議な雰囲気があった。
カメはとても小さくて、テケテケテケと、真っすぐに海に入っていった。
かっこよかったよ。
灯台のふもとに立った。
灯台は水平線を照らすので、ふもとに立つと、光の軌道に包囲されるんだ。
星もとてもきれいだった。
詩的すぎて、詩なんか書く気にならないかんじだった。
森に入ったり、山に登ったりもした。
木が、生えては腐り、コケが生えて、また木が生えて、大きくなって、倒れて腐って、コケが生え、
それを延々えんえんと繰り返している感じだった。
要するに、詩的すぎて、詩を書く気なんて起きない感じだったよ。
よく歩いた。自分がまだこれだけ歩けるということに安心したよ。
野生の鹿をたくさん見た。
鹿はかわいい。
鹿肉の刺身を食べた。
鹿は食べてもうまい。
屋久島の人は色黒だった。子どもは特に人種を超えるくらい焼けていた。
黒さはある種のステイタスで、白いとなめられる感じだった。
暗黙の屋久島ルール、島の人独特のカタさ、にらみつけるようにして観光客をさばく。
もちろん優しい人もたくさんいる。
帰る日は、鹿児島実業は甲子園で負けていて、
鹿児島は不穏な空気に包まれていた。(ウソ)
鹿児島名物の白熊は時間がなくて食べられなかったんだ。
屋久島はすごく癒された。また行きたいなあ。