私とクラウザーさん

7月上旬、通勤中のコンビニで、「デトロイト・メタル・シティ」のポスターを見る。
そこには、「僕がしたかったのは、こんなバンドじゃない!」「おしゃれポップが歌いたい!」というキャッチコピーが書かれていた。
おしゃれなポップスを歌いたい主人公が、何かの因果でメタル系のバンドになってしまう話であることはすぐにわかった。
主演と思われる人は、キムタクとか、そういうわしの知っている人じゃなかった。
デトロイトと書かれているからには、アメリカで話が進むのだろうと思った。

7月中旬、西武池袋線の電車内に「デトロイト・メタル・シティ」の中吊り広告が貼ってあった。
ここで、この映画は漫画が原作であることを知る。
映画の公開にあわせて、CDが発売されることも知った。

7月下旬、西武池袋線の池袋駅改札を出たら、「デトロイト・メタル・シティ」のポスターが、天井からおびただしい数で吊り下がっていた。
ポスターには、「クラウザーさーん!クラウザーさーん!クラウザーさーん!」と、3回書いてあった。
ということは、おびただしい数×3回「クラウザーさーん!」という文章を見たことになる。

8月上旬、羽田空港に角川文庫かなにかのポスターがいっぱい貼ってあった。
そこには、すごい男前の役者さんがキメ顔を作っていて、
「自分の頭で考えろ」「言いたい奴には言わせておけ」とか、挑発的でかっこいいキャッチコピーが書いてあった。
すると、いっしょにいたHさんが、この役者さんが「デトロイト・メタル・シティ」の人だよ、ということを教えてくれて、びっくりした。
男前を、オカッパ頭にして「おしゃれポップが歌いたい」の感じにして、フェイスペイントしてメタルな感じにしていたのか。

8月中旬、映画館にポニョを見に行って、「デトロイト・メタル・シティ」の予告編を観ることになる。
いっしょにいたHさんは、「松雪泰子が出てるから観たい」と言っていた。
どうやら話は、デトロイトではなく日本で進むらしいことを知る。

別の日に、池袋パルコの別館に言ったら「デトロイト・メタル・シティ」のコーナーができていて、
ポスターや、映画のシーンの写真や、原作の漫画が展示されていた。
ここでは、監督の存在に思いを馳せた。
ポスターには、主演の俳優さんの名前や、加藤ローサの名前は大きくクレジットされていて、
監督の名前は、その10分の1くらいの大きさだった。
この監督は、ほんとにこの映画を撮りたかったのかしら?
おそらく、監督が発案した企画ではないだろう。
誰か別の人が、「男前をオカッパにしたり、フェイスペイントしたりして、漫画やCDと連動して、いろんなキャンペーンを組んで、お客さんを呼ぼう」という案を出して、
企画が進んで行ったんだと推測する。
監督は、雇われただけな気がする。
自分の撮りたい映画を撮れる、岩井さんとか中島さんとか井筒さんとかビートさんとかっていうのは、ほんの一握りの存在なんだろうなあ。
友達の三宅は映画監督を目指しているけど、一握りの存在になれるのだろうか。

タワーレコードは「デトロイト・メタル・シティ」とタイアップしているようで、
セールのキャラクターがクラウザーさんだった。
クラウザーさんが新宿のタワレコの街頭スクリーンで、
「半端なセールなら潰してやる!」と吠えている。
なんだか、うんざりしてしまった。観ていないけど、飽きてしまった。

このあいだ、池袋に行ったら、「デトロイト・メタル・シティ」を上映している映画館に長蛇の列ができていた。
こうしてクラウザーさんは、私の体を駆け抜けていった。
[PR]
by syun__kan | 2008-08-26 20:53 | 日記 | Comments(0)
<< 私とマイナスドライバー 明るい夜に出発だ >>