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島根滞在制作13日目:こちら浜田
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今日は形が概ねできたので、壊れやすそうな部分に、ボンドを塗布した。

夏が終わった。
こちら浜田では。
一昨日の夜に終わったと思う。
一昨日夜に、外を歩くとき、肌寒さを感じた。
昨日は、気温は高かったが、空気が乾燥していた。
今日は湿度は高めなものの、気温が低い。
いくつかある「夏的要素」が、すべて揃うことがなくなった。
おそらくもうないと思う。
東京も同様だろうか?
夕方にはセミがカナカナ鳴いている。
また今年も、美術館に籠っているうちに夏が終わってしまった。
でもまあ残念ではなく、わしなりに夏を満喫した結果だ。

帰りがけに、外を見ると、
閉館の時間を過ぎているというのに、
一階の出入り口外に、大人がスマホを持って集まっている。
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学芸員さんに聞くと、
「ポケモンGO」とのこと。
まだいたのか!そういう方。
よく分からないけど、美術館周辺は、
「ジムになっている」
「ボールを増やせる」
らしい。
こちとら、どう考えてもポケットに入らないモンスター作ってるけどな…

デジタルvs手作り論争ってあるけど、
わしはどっちでもいい。
子どもが享受する遊びやエンタメやアートも、
デジタルと手作り、どちらも食らえば良いと思う。
それぞれの良さがある。
ただ、わしがデジタルが全くできないだけだ。

ヤマタノオロチの高さを測ったら、4メートル30センチだった。
わしの大型作品の中では、そんなに大きくない。
横幅はたぶん、6メートルくらい。

疲れが相変わらず溜まっているので、今日はやや早めの18時過ぎに制作を切り上げた。
こちら浜田では、夜は雨なり。
ホテル近くの、「まめだ」という定食屋、
滞在初日の夜に入って唐揚げ定食を頼んだら、
骨付きの大迫力の唐揚げでしかも650円で素晴らしく、
またあの、小さくて白くて四角い、「板前さん」って感じの帽子を被った厨房の方々のキビキビ感が良くて、
その後もう一度行った。
滞在制作ももう少しで終わりなので、またもう一度、あの唐揚げ定食を食べたいと思ってのぞいたら、
今日は満席だったので諦めた。
お盆になり、浜田駅周辺に滞在する人が目に見えて増えている。
いわゆる帰省をしているのだろう。
浜田駅周辺は、風向き次第で潮の香りがしたりする。
マクドナルドもスターバックスも無いので、
フォレオフィッシュやキャラメル・マキアートは存在しないが、
そのかわりお魚がすこぶる美味しく、
だいぶ慣れ親しんできたこの周辺、
しかし馴染んできたところでもうすぐお別れである。
ほぼ毎日行っている「YOUMEマート」に行ったら、おそばが75%引きで吹く。
このスーパーはギリギリの商品に対して思い切った値引きに出る。
これまでも何回か吹いた。
ヤマザキの菓子パンが75%引きになってたりするからだ。

家族を連れて、海水浴にでも、また浜田に来たいな等とも思うけども、
一方で、そんなことは実現しないだろうとも思っている。
お金も時間もないのである。
感傷的になりそうなところだが、そこはあと一日頑張って、
キャラメル・ガチアートを作ろう。

キャラメル・ガチアートって何かって?
子どもが見て楽しい、体験して楽しい、
一見甘いお菓子のようだけど、
でも子どもだましなんかじゃないガチなアートを作ろうってことだよ!!
なんのことやら!!

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by syun__kan | 2017-08-14 21:34 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作12日目:内装工事
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今日は8本目の首を付けてから、
あとはひたすら、内装工事していた。
内側に入ったときに、木の骨組みが見えないようにして、
トンネル的にする作業だ。
昨年作った「大人魚姫の城」も、中に入れるようにしたところ、
子どもたちが出たり入ったりして、妙に楽しんでいたので、
今回もそのような仕様にする。
中に入って、特に何があるわけでもないのだが、
中に入れるということだけで、それ自体が一つの軽いエンタメとなるよう。

学生の時に、立体作品でお客さんを圧倒するための3要素として、
「大きさ」「数」「密度」
を思いつき、
そのうちのどれかを取り入れて制作するという、一つの法則のようなものにたどり着いて実践していた。
何かすごいおっきいとか、
数がものすごいたくさんとか、
何かすごいぎっしりとあるとか、
そういうものを目の当たりにすると、人は大体、
圧倒され、感じ入ってしまうものだ。
これは世界の宗教建築や宗教的美術作品から学んだ。
どの宗教的な施設も、必ずこの3要素を取り入れている。
宗教は、無条件に人を圧倒して、感じ入らせて、
メンバーを増やしていかないといけないからね。
ただ、3要素の他に、実はもう一つあると気付いていて、
しかしその要素は、在学中は実現できていなかった。
何だと思う?
それは「内包」だよ。
作品で、その人を包み込んじゃう。
そうすると、その人は無条件に圧倒され、感じ入ってしまうものだ。
昨年の「大人魚姫の城」で、ようやく実現できたというわけ。

今回のヤマタノオロチも、
中に入ると、作品に内包される。
でも、「関口教を信じよう」とは思わないだろうけど。
たぶんただ何となく楽しいだけだ。

さあ、制作はあと2日間。
まだまだやることあるよー。
ほんとに最後まで、予断を許さないぜよ。

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by syun__kan | 2017-08-13 21:16 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作11日目:ただごと
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今日は首を付けた。
それにより、徐々にただごとではない感じになってきた。
ただごとに関しては、かなりない感じになってきた。
学芸員さん、清掃員さんも、
こうなってくると、
「ああ、これまで新聞をガムテープで巻き続けていたこの男は、
こういうただごとではない男だったのか」
という目になる。
そう、わしはまあまあただごとではない。
というかただごとではいけないのである。
2012年の、岡本太郎賞受賞者なりぞ。
このくらいやらなければ、太郎さんに怒られる。
三宅一生さんにも、顔向けできない。
しかしながら、代償として、
今わしを、究極強烈疲労が襲っている。
きょうはやばい。早く寝よう。
イモトアヤコさんが、エベレスト登山に挑戦しているとき、
「人間、一年に一回くらい、
とことん自分を追い込むことをした方が良い」
というようなことを言っていた。
わしも賛成である。
せっかく2週間もらったのだ、
これはただごとからの逃避行でなくてはならない。

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by syun__kan | 2017-08-12 21:40 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作10日目:時代
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重い。
朝起きたら、なかなかに体が重い。
昨日、威勢の良いことは書いたが、
連日の制作により疲れは溜まっている。
もう歳だ、なんて言うにはまだまだ早いが、
若さで押し切れるような感じでもない。

8時過ぎに美術館の方がホテルに迎えに来てくださり、
いつも通り制作が始まるが、
どうにも、若干、朦朧とする。
滞在制作という非日常も、10日目を迎えて日常になった。
やったらやっただけ進むのがわしの制作技法だが、
体も誤魔化しが効かなくなり、
やったらやっただけのリアクション、
すなわち疲れをわしに訴えて来るようになった。

「わしはもうだめじゃ」
と言ってついに、
13時半くらいに、
電気を消してヤマタノオロチの体の中にこっそりと横になる、
そのまま1時間ほど寝た。
するとやはり回復して、調子が出てきたが、
でも今日はあんまりがっつかず、ほどほどで終え、
終わったら何か気分転換的なことしよう、
DVDとか観よう、
そうだ「君の名は。」観よう、と思った。
世の中のトレンドを10年遅れくらいで追いかけるわしは、
「君の名は。」なんて案の定観てない。
まだたったの一年遅れでブーム乗ろうとするなんて、わしにしては上出来じゃないか。
浜田駅の向こうにゲオがあるから、夜に観よう、
会員カード持ってないけど、作ればいいじゃないか。
そう思うと俄然、
「前々前世」が頭に流れて止まらない。
バンド名は分からないけど、
というか何度か名前は目にしたけど読み方が分からず、
しかしこの曲は何度も聞いたことがある。
「君の前々前世から僕は」
今日は7本目と8本目の首と頭を作ってから、
「君を探し続けたよ」
尻尾8本をおしりに取り付け、
「君の前々前世から僕は」
19時に制作を終了した。
「君を探し続けたよ」
そこしか歌詞が分からないので、永遠にループする。
今日一日で何回「ぜん」を頭の中で繰り返したか。
駅周辺まで車で送ってもらい、
昨年の大ヒット作品を借りるべく、駅向こうのゲオへ歩く。
本屋とくっついていて、この本屋もなかなか広くて充実していて、良い。
なるべく時代には付いて行かねばならぬ。
「君の名は。」をもう、みんな観ている前提で世の中は進んでいる。
ヤマタノオロチが完成したって、
それを見るお客さんは、
基本的に「君の名は。」を既に知っているお客さんなのであり、
クリエイターたるもの、そのつもりで制作するべきだ。
だいたい、わしは最先端に付いて行こうとする意識が足りぬ。
未だにガラケーだし、
そういえば滞在初日に、学芸員さんの娘さん(小4)と話をする中で、
「ガビーン」
と言ったら、
「…それなに?」
と怪訝な顔をされたのである。
今の子は、「ガビーン」と言わないらしい。
その言葉の存在さえ知らないらしい。
それこそガビーンである。おじさんにとっては。
いつの間に死んでいたんだ、「ガビーン」。
「ピューと吹くジャガー」の頃くらいまでは生きていたはずだったのに。
ピヨ彦、よく「ガビーン!」って言ってたよね?
だからわしは、その小4の娘さんに「ガビーン」の正しい発音と、
ついでに「ガビョーン」の言い方も伝授してきたのだが、
ああ、そんなことしている内にわしはどんどん時代と乖離し、
取り残されていくのだろう。
だめだだめだ、こんなことでは、
「君の名は。」観なくては!
と思ってゲオに着いたら、
数十本、ケースは並んでいるのに、
「君の名は。」は、すべて貸し出し中だった。
ガビーン。
結局、わしは、
君の名前をまだ知らないし、
そもそも「君」が誰を指しているかも、知らないし、
そもそも君の名前が重要な話なのかも分からない。

いやじゃいやじゃ、
まだ時代に付いていきたい。
まだ頑張りたい。
東京帰ったら観ます。
わしはまだだめじゃない。

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by syun__kan | 2017-08-11 23:54 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作9日目:搬入口へ移動
気付かれた方がいるかは分からないが、
関口は8月2日に制作初日を迎えて以降、
一日も休んでいない。

昨年広島で滞在制作した際は、
14日間の滞在において、2日間、閉館日があり、
その日はオフ日ということで厳島神社を観に行ったりしたものだ。

しかーし。
この、浜田市世界こども美術館は、
子どもが楽しめる美術館を謳っているだけあって、
なんと8月中は閉館日無しなのであった!

じぇじぇじぇ!
すごいね!
本気だね!

ホテル代を出していただいている以上、
「関口この日休みます」
とか言って、
海水浴とか行ってる場合じゃない。
制作するためのホテル代である。
いつやるか!?
いつ新聞揉むか!?今でしょ!!
世界遺産の石見銀山とか観に行ってる場合じゃない。
こんなに集中して制作できる時なんて、今だけなのだから!
足を延ばして、出雲大社なんか観に行ってる場合じゃない。
こんなにテープ貼りまくれるの、今だけなのだから!
だから8時半から19時半くらいまで、毎日11時間は制作している。


まあ、ちょっと見たかったかな。銀山。社。
まあまあ、運よく神楽は見れたから、良いだろう。
美味しいお魚も食べたし。
浜田市のお・も・て・な・しは、享受している。

ここまで、何故か2013年の流行語大賞のワードを使ってしまったので、
あと一つ、「倍返し」をどうやって使おうか、悩んでいる。

制作場所は、初めは木工室でスタートし、
広い創作室に移動してワークショップを実施したのを機にそこで制作を続けた。
部屋が広いと、引いて全体を見ることができるのでやはり良い。
美術、特に立体作品の制作においては、制作場所は広いに越したことは無い。

そして、明日からその創作室は、他のワークショップで使われるため、
わしは搬入口に移動したのだった。
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いいね、このコンクリ感。
これでこそ、彫刻のアトリエという感じがする。
空間は広く、そしてきれい過ぎない方が良い。
遠慮なく使える。
彫刻というのは、空間への攻撃である。

制作の進度は…依然、予断を許さない。
あと5日間か…。
首&頭は、今、6本と少しできている。
明日、11日午前中に、8本仕上げたい。
午後に、尻尾を取り付けるための骨組みを作りたい。
12日は、内側を新聞&ガムテープで塞ぎたい。
13日に組み立てて、接続部分を修正したい。
14日は、具を追加して、壊れそうな部分にボンドを塗りたい。
15日は外に出して、組み立てて写真撮りたい。
これで終わりだ。

それにしても、こうして日程を書き連ねると、
こんなに長く家を空けてしまい、
奥さんと娘に申し訳ない、という思いが沸く。
16日に帰ったら、
そう、


倍返しだ!と言い切るには、そんなに役に立てる自信があまりなく、
しかし1.3倍返しくらいは、せねばなるまい。

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by syun__kan | 2017-08-10 22:52 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作8日目:怪獣
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8月6日のワークショップに参加してくださった17名の方は、
3つのグループに分かれていただき、
途中、ヤマタノオロチの首と頭を作ってもらった。
あらかじめわしが作っておいた1本を参考にしてもらい、
各グループに芯となる木を配って作って行った。
今日は、参加者様たちが作ったその3本の首と頭を、
関口的世界観に寄せるために、
ひたすらアレンジした。

この内、広島からいらしたご家族が作られた1本は、
まず頭の角度を変えた。
首を、体に平行に付けるのではなく、縦に付けることにしたので、
前を向かせるために、首と顔を90度にする必要がある。
また、目がとても大きかったのを、切れ長な感じに変えさせてもらった。
長谷川集平の絵本「トリゴラス」のような顔になった。
東宝のゴジラ怪獣「チタノザウルス」風でもある。
そして首に建物的なモールドを付けた。
写真の中では、真ん中の1本である。

次に、美術部顧問の先生のご家族が作られた1本は、
やはり頭の角度を変え、
目の周辺を少しアレンジした。
「対メガロ」の時のゴジラ風の、目の深い感じになったと、個人的には思っている。
そして首に建物的なモールドを付けた。
写真の中では、手前の1本である。

最後に、未就学児と保護者様中心のグループが作られた1本は、
頭の角度を変え、
目を切れ長にし、
そして首に建物的なモールドを付けた。
写真の中では、奥の1本である。

どの顔も、頭の角度と目以外はほとんどいじっていない。
口やツノは、参加者様の造形をそのまま引き継いでいる。
どれも、素晴らしく素敵な顔になっている…
関口一人で作ったものより遥かに良い。
やはり、一般の方の造形の方が勢いと意外性と純粋さがあり、
それを関口が修正することで偶然性が生まれ、面白さが出る。

このアレンジで、今日の制作時間は終わってしまった。
1本3時間くらいかかっている。
疲れたが、しかし面白かった。
関口は生粋の怪獣少年である。

怪獣について語り出せば長い。
語っていいかい?
だめ?
ちょっとだけ!

じゃあかいつまんで説明すると、
ゴジラ、モスラ、キングギドラ等は「東宝系」。
ゴジラ怪獣と言ってしまっても良い。
彼らは何というか、武骨で、「拙者とて武士の端くれ」とか言い出しそうな、
ストロングスタイルの香りがする。

これに対し、ウルトラマンや、
バルタン星人、レッドキング等が「円谷系」。
いわゆるウルトラ怪獣である。
彼らはカラフルで、意外性に富んだ造形をしており、
ハイカラである。

第3勢力と言って良いか…
若干マイナーだが、ガメラの怪獣が「大映系」である。
非常に乱暴に言ってしまえば、小学生の落書きのようなデザイン。
特に昭和のガメラ怪獣は、
かろうじてギャオスはキリッとしていてアートを感じるものの、
他は非常にやぼったい。ジャイガーとか、バルゴンとか。
体の三分の一くらいが頭である。
しかしそれが逆にインパクトある、とも言える。

ここから先、初期のウルトラ怪獣をデザインした成田亨について、
30分くらいかけて延々と書いてしまったのだが、
キリがないのでDeleteした。
これだからオタクは!!
ただ、成田氏の、
「新しいデザインは必ず単純な形をしている。人間は考えることができなくなると、ものを複雑にして堕落してゆく」
という言葉をきちんと胸に刻み、
反省し、
残りの期間頑張っていくなり。
余計なことは要らないのだね!

そして追伸。
昭和のゴジラの着ぐるみに入って演技していた、
スーツアクターの中島春雄さんが、
7日に亡くなったそうです。
残念です。

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by syun__kan | 2017-08-09 23:51 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作7日目:健康保健衛生
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今日はついに1週間を迎えた。
つまり折り返し地点である。
この滞在制作は、2週間でヤマタノオロチを完成させようというものである。

体の表面は、だいぶ密度を増してきたが、
なんか禍々しくなってきてしまった。
そう、ちょっと禍々しすぎる。
ちょいまがである。
それは本意ではない。
「世界各地をイメージさせるモチーフ」という目標達成のためには、
もう一工夫要る。

首と頭は、現状では体に平行に付いているが、
これだと子どもが押して、揺らしてボキッとなることが明白に予想させるので、
角度を上に向け、触れない感じで立てることにする。
そのためには、もう一回ホームセンターに行って、ツーバイフォー木材を買い足す必要がある。
そして、これは一昨日のワークショップで参加者の皆さんが作ってくださった首と頭なので、
本当に素晴らしい造形ではあるのだが、
関口的世界に寄せるため、
アレンジを施す必要がある。
そしてさらに重要なことは、まだ4本しかないということ。
ヤマタノさんは首8本である。

といった調子で、
折り返し地点を迎え、依然、予断を許さない状況が続いている。

ここで体調を崩すわけにはいかない。
出張および旅行というのは、いろいろなところに体調を崩すトラップがあるものだが、
それなりに旅慣れてきたので、
いろいろと対策はしている。
つもりだ。
つもりではある。

まずは交通機関における冷房の効きすぎ。
これには、ちゃんとジャージの上着を用意している。

栄養的には、美術館の方が取ってくれたホテルが朝食バイキング付きだったので、
朝ごはんを、野菜を中心に大量に食べることで解決している。

些細というか、女々しいというか、
問題があったのが肌荒れで、
これはホテルのシャンプーが合わなかったからだろうということで、
奥さんに電話して家のシャンプーは何か聞き、
「ジュレーム」ということが分かり、
ドラッグストアで買おうということで、
しかし一本買うと900円台だし、
しかしながらお試しパックも86円だから、
10泊以上泊まるのだからやっぱり一本買おう、
いやでも大浴場にマイシャンプーをボトルで持っていくのって恥ずかしいな、
部屋のユニットバスに入ればよいのでは?
いやいや、足が伸ばせる大浴場はやっぱり良いしな、
部屋であらかじめ染み込ませていくか?
頭にジュレーム染み込ませてから大浴場に行くか?
などと考えたけど結局やっぱりジュレーム一本買い、
多少の恥ずかしさを気にせず、大浴場に持って行って使うことで解決している。

爪切りを忘れたのは小さなミスだ。
スーツケースに入れたつもりだったのだが、入ってなかった。
近いうちに100円ショップで買うことになるだろう。
でも大丈夫だ、体調を崩すようなミスではない。

リップクリームも持っていなかった。
ガムテープを使う際、切ってからいったん上唇に貼る癖があるので、
制作してるとあっという間にガビガビになってしまう。
だから三日目くらいには、買ったのだが、
浜田市の祭りに行った時に失くしてしまった。
ショッキング。
しかしこれも、体調を大きく崩すようなミスではない。

このように、トラップにはまらず、
はまりそうになっても誤魔化しつつ、元気にやっている。

ところでこの美術館の職員さんたちは、小学生の子がいる方が多く、
面白いのは、出勤の際に職場に子どもを連れて来ていたりする点だ。
家で留守番させても良いのだろうが、子どもが楽しめる美術館なので、展示を観て過ごさすこともできるし、
空いている部屋で宿題をさせたりしている。
彼らと少し仲良くなったりもした。

今日は、小4の息子さんが来ていて、
新聞紙で作ったボールとグローブでキャッチボールに誘われた。
制作の合間の気分転換に応じ、
ヤマタノオロチを作っている広い部屋で投げ合う。
彼は運動が得意らしく、良い球を投げる。
こちらも、野球が得意ではないが、
普段の仕事で子どもの遊びに応じることは日常茶飯事なので、負けじと投げる。
またこのグローブとボールが、思いのほか使いやすいのだ。
つい熱が入る。
しかし制作時間も貴重なので、
「あと10球ね」
と呼びかけて終わりにし、
「ありがとうございました」
と言って別れる。
そして気付く。
筋肉痛だ。

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by syun__kan | 2017-08-08 23:43 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作6日目:旅
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自由の女神、サグラダファミリア等を付ける。
ヤマタノオロチの体には、「世界子ども美術館」にちなんで、世界のモチーフを付けている。

旅はするものである。
旅行が趣味というわけではないが、
貧乏なりに、今までそれなりに色々な場所に行った。

社会に出てアート活動をするようになってからは、ワークショップや展示で、
国内の色々な場所に呼んでいただけることも出てきた。

昨年夏は広島で滞在制作し、今年の前半には福島でワークショップした。
そして今夏は島根だ。
広島、福島、島根。
今の日本を形作る、重要なポイントを巡らせていただいている気がする。

行った先々で、その場所に関して知ろうとすることで、
自分の見識も広がる。
千葉県船橋市のアンデルセン公園こども美術館で展示した際は、
アンデルセンについて勉強したし、
愛媛でワークショップした際は、
地元を盛り上げる地域振興のパワーに感動した。

浜田市の魚は非常に美味しい。
初日に学芸員さんに連れて行ってもらい、食べたお刺身は新鮮そのもので、
関東で食べるものと全く違った。

色々な土地で得た知識や経験は、
自分の思考パターンのレパートリーを増やし、
様々な状況に対応する力となっていく。

観光名所に足を運ぶのも面白いのだが、もう一つ魅力的なのは、
地元のスーパーに買い物に行くこと。
観光名所等の「よそ行き」の顔ではない、その土地の人の素のニュアンスを感じ取るわけだ。

今回の島根県浜田市でも、「YOUMEマート」というスーパーに、
ほぼ毎晩行っている。
8時過ぎるとお総菜、お弁当類の3割引き・半額シールが眩しい。
そう、半額シールほど眩しいものは無い。全国共通だ。
ホテルにコンロなどないのに、スペアリブ用の骨付き豚肉に貼られたシールさえ眩しい。

それに、浜田市ならではのお総菜があったりする。
今日は「かれいの南蛮漬け」に惹かれた。
かれいは名産である。
それが安価の上さらに、3割引きで手に入る。
奥さんこれはお買い得ですよ。
加えて3割引きのちらし寿司も買い、本日の夕飯にする。

レジの仕組みというのは、昨今様々に多様化している。
資源を守るため、あるいは経費節減のため、
ビニール袋等が自然に付加されない場合も多いし、
セルフレジの場合もあるし、
スキャンだけ店員さんがやって支払いはセルフだったりで、
油断がならない。
YOUMEマートは、ビニール袋は自動で付加されず、
欲しい場合は4円払って買わなくてはならない。
それは、これまでの滞在で分かっていたので、
今日はちゃんと袋を持参している。
しかしわしは油断してしまった。
悠然とホテルの部屋に帰って来てから気付いた。
箸がないのだ。
箸も、ちゃんと「箸ください」と言わなければ、
付いて来ないのであった。

もう夜である…
今からコンビニ等に行って箸を調達するか?
大変だな…
しばしの逡巡の後に、しかしわしはちゃんと解決策を出す。
わしは学生時代に、インドにも旅行したことがあるのだ。
経験は思考のレパートリーを増やす。
インドでは、左手は「不浄の手」で、
食べ物などを掴んではいけないのだけど、
右手は「浄の手」なんですよ。
奥さん。

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by syun__kan | 2017-08-07 21:06 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作5日目:ワークショップと雑炊
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本日は広島に原爆が落ちた日。
ホテルに迎えに来てくださった学芸員さんの車に乗るのがちょうど8時15分で、
車の中のテレビで式典の中継を見た。
昨年はわしは式典会場にいた。
黙祷。
浜田市は、広島から近いので、
原爆投下の際は逃げてきた方、温泉で治療に当たった方がいたという。

会場に着き、5日目がスタート。
わしの作品は、小さいパーツがたくさん付いている。
わしはそれらのパーツを、「具」と呼んでいる。

今回の作品も、ヤマタノオロチの体のこちら側には、「具」がいっぱい付いているが、
反対側は、展示する際にあまり人目に付かない予定なこともあり、
平らになっている。
平らな面はどのように作るかというと、
新聞紙をくしゃくしゃにして、
ちょっと広げて平らにつぶしてテープを縦横に貼りつけてシート状にし、
木材と針金による骨組みを、覆うようにして取り付けている。
わしはその、平らにした新聞紙とガムテープのシートを、「皮」と呼んでける。

内側は木と針金による「骨」。
「具」と「皮」と「骨」。

そうそう、ヤマタノオロチに関しては、手足や首は、中は空洞ではなく、
中身までぎっしりと、くしゃくしゃにした新聞紙が詰まっている。
さながら「肉」だ。

なお、本日はワークショップがあった。
当初参加者が集まらなくて若干困っていたが、
蓋を開ければ17名の方と、楽しく活動できた。
床にばら撒いた大量の新聞紙であそび、
ややあって、
最後にはカラーガムテープも使用して自分の好きなものを作った。
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昨年の広島での展示を観て、今回も隣県である島根まで訪ねて来てくださったご家族もあり、
感激した。
10時から休憩を挟んで14時まで活動し、
皆様が帰られた後には、
活動によってくしゃくしゃ、しわしわになった新聞紙が、
まだ大量に散らばって残されている。

良い出汁が出ている。

一枚一枚が分離し、既にくしゃくしゃになっている新聞紙は、
制作を進めるのに非常に使いやすいのである。
だって、一冊一冊になったままの新聞だと、それを一枚ずつ引きはがし、
手でくしゃくしゃに丸めるところから始めなくてはならない。
集団遊び後の新聞紙は、その工程が要らないのでありがたい。
ワークショップ後の時間、わしは散らばったくしゃくしゃの新聞紙の中に座り、
新聞紙をかき集めながら、
150センチくらいの、ヤマタノオロチの尻尾を、
立て続けに6本作った。
まるで鍋が終わった後の汁で「雑炊」しているみたいだった。

どうしてこう、さっきから、
料理系で例えているのだろう。
正直あまり訳が分からないというか、必然性がない。
少し疲れているのかもしれない。
ワークショップをフルサイズで一本行うと、それなりに消耗するものだ。

そういえば今日、美術館を訪れた子どもたちは、
帰るときには立派な万華鏡を、携えて帰っていた。
別の部屋で万華鏡作りのワークショップをやっていたようだ。
聞けば70人も参加したとのことで、
「すごいですね、準備とか大変でしたね」
と、学芸員さんに声をかけると、
忙しい時期なので今回は既成の工作キットを使ったのだと。
そういうのも時としてはアリであろう。
わしは、
「冷凍食品みたいなものですね」
と言った。

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by syun__kan | 2017-08-06 23:10 | 日記 | Comments(0)
島根滞在制作4日目:既にある
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制作も4日目を終え、
そろそろ迫力のようなものも、醸されてきた気もする。

正直に述べると、浜田市世界子ども美術館のことはとても気に入っている。
建ったのは1996年ということで、
バブル期後ということ。
バブル期に建った美術館は、
ロビーが総大理石だったりとか、突如石庭があったりとか、
現在の社会的な雰囲気から見ると、何かすごいことしちゃったね!
という物件が多いけど、
こちらはバブル期後ということで、
だいぶ落ち着いてるというか、常識的というか、
建物はシンプル。
しかし中身は…
とにかく、子どもが何か造形的に体験できる企画を、
年がら年中、これでもか!これでもか!
と、打ち出し続けている。
そして、
作家による所蔵作品もあるが、
それらと同列に、子どもの作品が扱われ、展示される。

要するにだ、
わしは、どうして新聞紙×ガムテープアートをやっているのかと聞かれると、
「アートをもっと身近にしたい。
画材屋さんになんて行かなくても、
美術史の知識なんて無くても、
アートはできるんだよということを、伝えたい」
と答えているが、
ここ、浜田市世界子ども美術館においては、それは既に、実現されているのであった。
わしが改めてやって来てどうこう言うことは、もう無いのである。

そして夜には、浜田市のお祭りがあり、
終了後に神楽の公演が見られるとのことで、わしは美術館の職員さんに連れて行ってもらった。
f0177496_23183105.jpg
ついに本物を見ることができた、神楽のヤマタノオロチ。
舞台から溢れんばかりの、いや実際に溢れている8匹の大蛇が、
所狭しと舞い踊る。
ぐんずほぐれつ、あらん限りの形態を、その長い体で作り上げ、
火まで吹いて大暴れし、
最後にはスサノオノミコトに討伐される。
強烈な禍々しさ、しかしそれは市民の娯楽の一つとして老若男女に根付く。

大迫力の立体的なヤマタノオロチも、浜田市には、既にあった。
わしのやることは、特にもう無い?!

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by syun__kan | 2017-08-05 23:44 | 日記 | Comments(0)



現代芸術家、関口光太郎の日記。
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