カテゴリ:日記( 499 )

いくつかの掲載

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©劉成吉

「くりっくにっぽん」というサイトで、
関口の記事が掲載されました。
奥さんの反応は、
「老けたね」でした。

http://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/09/post-24.php

「あさひでがくえんさん」も出てます。

もう一件、紹介がだいぶ遅れましたが、
7月に、広島で文化情報を紹介するフリーペーパー、「to you」にも、
紹介されました。
(もう手に入りません)

http://www.cf.city.hiroshima.jp/bunka/01to_you/1-02back.html

こちらで特筆すべきは、
関口(の似顔絵イラスト)が、表紙を務めたということです。
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奥さんの反応は、
「君こんな優男風なイケメンじゃないよね」でした。

あともう一件、
中日新聞のポプレスというコーナーにて、
紹介されました。
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http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/popress/feature/CK2016090902000239.html

奥さんの反応は、
「なぜ毎回同じTシャツなのか」でした。
確かに、6月くらいにホットペッパーに載った時もオバケTシャツだった。
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by syun__kan | 2016-10-02 00:27 | 日記 | Comments(0)

広島企画2016・終了・歓喜の暴動

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10日の土曜日の夕方、広島入り。
美術館で一か月振りに作品と対面。
すごく小さく見えた。
大人魚姫の城も、大人魚姫も。
あれ?こんなに小さかったっけ?という感じ。
大人魚姫なんて、2年前に作って最初に千葉の船橋で展示した時から、
半分くらいになった気がした。

自分が通っていた小学校に、久々に行ったりすると、
妙に設備が小さく見えたりするが、
それは自分が大きくなったからではない。
当時の自分は、その場に「入り込んでいた」からだ。
と思った。

だって、作品の補修を始めたら、
城も大人魚姫も、元の大きさを取り戻した。

2学期が始まり久々1週間フルに過ごした末の土曜の体は困憊の疲労を宿していて、
この日は深追いせずに19時、美術館職員の方々や同時参加のスサイタカコさんと、広島市街に食事へ。
食事中、広島東洋カープ25年ぶりの優勝が決まる。
店内にテレビがあったわけではないが、職員さんはスマホで、
東京ドームでの広島―巨人戦の推移をチェックし、
勝ちが決まると、
店内は大盛り上がりになったわけではないが、
静かにホクホクとしていた。

店を出ると、街はそこかしこに、優勝の影響が見て取れた。
道行く人が一様に笑顔だ。
ホテルに向かう過程で、ついにアーケード商店街に差し掛かると、
そこは赤い歓喜の暴動と化していた。
老若男女、人がとめどなく商店街に繰り出していて、
「エーイ!」という掛け声が空間に無数に反響し、
行く人の波、戻る人の波が無差別にハイタッチし合っている。
これは渋谷のハロウィンの騒ぎとは質が違う。
そこに本物の感情があるからだ。
もちろんただの便乗もあるだろうが、
広島のカープファン率は非常に高い。
街にはそこかしこにカープのポスター、道行く人はユニフォームにキャップ、
新聞は黒田黒田。
それが25年ぶりの優勝とあって、
本物の笑顔を無数に見た。
わしももちろん、ハイタッチに加わった。
自分が何か赤いものを身に付けていないかと省みたが、何もなく残念で、
スーツケースを持っているのでニワカ感半端ない感じだが、
しかし8月前半の日記で、わしはさり気なくカープファン宣言したはずだ。
加わっていいだろう、
しかし周囲の人の積年ぶりに比較するとあまりに軽すぎて、
「エーイ!」という掛け声をするのは何となく憚られ、
かわりに「おめでとー!」と言ってタッチした。
わしは勝手に、大学3年時の2004年にインド・ネパールを旅行した時、
ネパールで遭遇した暴動を想起した。
あの時は、人々の本物の怒り、本物の感情に触れ、
日本みたいな安全地帯でちょこちょことアートやってることが恥ずかしくなり、
ちょいとスランプになったりしたものだが、
ところがどっこい、この日本でも、
純化された地方ブランドを25年寝かせて中央を倒したりすれば、
本物の感情の爆発に出会えるではないか。

そのまま、駅近四畳半素泊まり4000円の宿に泊まり、
翌11日は「大人魚姫の城を解体しよう」のワークショップ。
城を取り壊し、廃材となった新聞紙をテープで巻いて各自好きなものを作り、
持って帰ろうというもの。
集まってくださったたくさんの親子連れ様方に、

「取り壊してしまうのは寂しいですが、
この城には、私の、作ろう!という念がこもってます。
どうぞその念を、持ち帰ってください」

と話しかけ、開始。
わしはこの日のためにアレンジしたマイケル風の衣装で、
一思いに、城を破壊、解体、分解しまくった。
昨年、一昨年、「一遍10メートル伝」のワークショップ等でお世話になった、
松山大の先生やゼミのメンバー様も見に来てくださり、
正岡子規の顔写真がプリントされたクッキーなど、
素敵なお土産をたくさんいただいた。
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閉館後は、搬出の準備。
19時半、新幹線に乗り、
日付変更少し前に着いた新橋のカプセルホテルに一泊して翌朝そのまま出勤した。

このようにして夏のWS企画、
「あちらの世界?こちらの世界??」は終わったのである。
最後に残るのは、大体いつも、
自分の未熟と支えていただいた感謝の念だ。
あまりに普通、しかし真実である。
山下様をはじめとする美術館の皆様、スサイ様、素敵なお客様方、
どうもありがとうございました。
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by syun__kan | 2016-09-15 23:13 | 日記 | Comments(2)

奥さん観ず

以前は、やたらめったら、自分の好きな物を人に勧めていたが、
あれは恥点だった。
周りからしたら、はた迷惑な話だったろう。

しかしながら、近しい人と好きな物を共有することの素晴らしさは、
そういうリスクを超えても手にしたい、
と思う気持ちもわかる。

今はわしは、何かを人に勧めることはほとんどしない。
それぞれには、それぞれの考えがあるものさ。
世の中の大小のトラブルの多くは、考えの押し付けから発生する。

ただ、ただ、奥さんにシン・ゴジラは観てほしい。

スーパー戦隊や仮面ライダーやウルトラマンが毎年、何らかの新作を発表する中、
わしにとって造形の師匠的存在である日本のゴジラは、10年以上、沈黙してしまっていた。

ところが今年、「シン・ゴジラ」が公開され、
先立って、ペットボトルキャップやガチャガチャにて、
ゴジラの玩具が散見されるようになった。
街で見かけるちっこいゴジラ、キングギドラ、メカゴジラ…
これがまず、嬉しかった。
子どものころのわしは、とにかく、ゴジラのこまごまとした玩具をチェケラするのが、生活の一部だった。

そして8月初め、広島滞在中に鑑賞した「シン・ゴジラ」は、
掛け値なしに素晴らしい作品で、
またその後、日本全国においてゴジラが、
この夏の文化的な大きな話題の一つとなるという、
長年のファンからするとちょっと信じられないというか、
夢のような状況。

そして多分この作品、
世の中を斜に構えて捉えることにかけては筋金入りの、
わしの周辺でおそらくもっとも辛口なコメンテーター、
うちの奥さんのお眼鏡にもかなう。
最も身近なはずの人物と、この映画について語り合えたら、どんなに楽しいか。

「明日雨だね。ボリさん預かるから行ってきていいよ」

「君、エヴァ世代でしょ。
わしは全然エヴァンゲリオン見たことないけどさ、
シン・ゴジラの監督はエヴァの監督の庵野さんだよ」

「この夏の話題作だよ。
君は時代の最先端を追いかけることがモットーでしょ。
チェックしておいた方がいいと思うけどな」

「君、大杉蓮さん好きだって前言ってなかったっけ?
シン・ゴジラ、大杉蓮さんめっちゃ出てるよ。
たぶんゴジラより出てるよ」

「ゴジラっていうのはさ、
でかい画面で見る必然性があるよね。
人の顔が大写しになってもさ、肌荒れとかが目に入るだけだけど、
ゴジラってでかくてなんぼだからね」

「制作費数十億らしいよ」

「エヴァンゲリオンの音楽が一部使われてるよ」

「竹野内豊、好きでしょ?けっこう出てるよ」

様々な方向から、揺さぶりをかけたが、
しかし奥さんは、それら全てに何らかの回答を示し、観に行かなかった。
とりわけ、

「私は妊娠中から、もう4年間くらい、
映画館で映画なんて観てないよ。
久々に行くのに、なんで興味無いものを観なければならないのだ!」

というアンサーは強かった。
その、揺るがなさは、
自衛隊のどんな攻撃もほとんど効果なかった、ゴジラの姿を彷彿とさせ、
むしろ奥さんがゴジラなんじゃないかと錯覚した。
奥・ゴジラなんじゃないかと。

でもわしは、一連のやり取りの中で、
一瞬、奥さんが揺らいだのを見逃していない。
まだ決着はついていないと信じている。
電車爆弾か、お酒好きな奥さんにはヤシオリ作戦が有効だろうか?
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by syun__kan | 2016-09-04 23:44 | 日記 | Comments(0)

夏の終わり

ショッピングモールの雑貨屋。
奥さんが化粧品を見ている間、
暇なわしは、カートに乗ったボリさん(2歳8か月)を押して、
店内をうろうろ、
適当に、ボリさんの興味を引きそうな品物の前を巡る。

犬のぬいぐるみ、
よく見ると、カタカタ動いている。
どうやら、何かをしゃべりかけると、
それを録音して再生し、
同時にカタカタ動くという商品。
隣には、猫バージョンもあった。

何て話しかけようか少し迷った後、
「あーこんにちは」
としゃべりかけると、若干犬アレンジされた声で、
ザーという雑音の後、
「あーこんにちは」
と言ってくれる犬のぬいぐるみ。
「本日は天気晴朗なれども浪高し」
と、若干複雑に話しかけても、同じように返してくれる。
ボリさんに
「ほら、しゃべるよ」
と、見せるが、
少し微笑むのみでそれほど反応はない。
しかしわしはこの手の商品はわりと好きだ…
めちゃくちゃ好きというわけではないけど、2分間くらいは好きだ。

わしの頭に、些細なアイデアが浮かび、
わしは犬に
「はい、どうもこんにちは」
と、ハキハキとしゃべりかけ、
すぐに猫のぬいぐるみと向かい合わせた。
少しの間の後、犬から発せられた音声を認識し、
若干猫アレンジされた声で、
「ザー…はい、どうもこんにちにゃ」
と話す猫。
それを吸収し、
「ザー…ばい、ぼうもごんぢぢま」
と話す犬。
「ザー…びゃい、びょーびょにょんにょにょびゃ」
と話す猫。
「ザー…ヴァン、ヴァーヴァウヴァワワワワ」
と話す犬。
「ザー…ビュニャイ、ビュニョ、ビュニョ、ヨ、ヨ、ヨ、ヨ…」
と呻く猫。
「ザー…ブ、ワ、ブ、ワ、ブ、ワ…」
と、呻く犬…

「こんな感じになったよ」
と、ぼりさんに示して見せるが、
ボリさんは「ああ、うん…」という感じで、
他のことに興味が行っていた。
いつの間にか、当たり障りのないように流すという技術を身に付けつつあるのかもしれない。
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by syun__kan | 2016-08-30 22:14 | 日記 | Comments(0)

揺れない

さいたま新都心に近づくにつれ、子連れが目立つようになった。
混雑する駅の階段を、片腕にベビーカーをぶら下げ、
片腕に2歳児を抱いて降りるお母さん。
かなりの体力を要する動作だが、
彼女はブレない。
決して転ぶことはない。
母とは基本的にそういうものだ。

さいたま新都心に着くと、そこは小さな子どもを擁する家族連れで沸騰していた。
電車での移動に疲れて泣く子、なだめる親御さん、怒る親御さん、待ち合わせを呼ぶ声、トイレを探す声等々、
わしは「あびってる」とつぶやく。
「あびってる」とは、「阿鼻叫喚になっている状態」を表す、うちの家族内で通じる略語である。
うちもそのあびってる一部である。
奥さんの友達の親子に誘われ、
今日はさいたまスーパーアリーナでの、「おかあさんといっしょ」のライブステージを観に、
親子3人で来たのである。

会場が近づくと、
キャラクターのぬいぐるみと記念写真を撮れるコーナーが設置されていた。
開演までの時間、並んでみた。
どこかのお父さんがしゃべる、
「スーパーアリーナ前に来た。ケツメイシのライブで」
そう言われれば、わしも来たことある。
誰かのコンサートだったか、格闘技のイベントだったか。
若いころに。
10代、20代の、揺れるお年頃さ。
でも、父親になった今日は、「おかあさんといっしょライブステージ」を観に来た。
ここにいるみんなそう。

世の中の、メインカルチャーは、
めざましテレビで紹介されるようなメイン中のメインは、
10代、20代の若者に向けて放たれている気がする。
ちょうどこの、長い列を誘導する、バイトのスタッフさんのような。
ゼリーのように揺れる、お年頃に寄り添う、音楽やゲームや電子機器やカフェやお菓子。

しかし今日ここに集ったのは、
もう揺れてない、ブレてない、
カチカチ?がちがち?パサパサ?モロモロ?に、
ある程度固まって、
音楽もゲームも電子機器もカフェもお菓子もそれほど、真剣に興味があるわけではなくなり、
ある程度背負うものを背負って、ある種の凄みを若干漂わせた、親たちと、
まだ固まるどころか、プルプル揺れる予兆さえ見えない、
まだゼリーにならない、しゃばしゃばの液状なくらいに人として未完成な乳幼児なのであった。

しかし、そんな親と子には、そんな親と子向けの、
カルチャーと言うものがあるのさ!

それがムームーであり、ガラピコであり、ムテキチであり、あつこお姉さんなのである!!

うちにはテレビがないので、予備知識が全くないのに、
キャラクターやおにいさん、おねえさんを気に入り、
ステージを見つめて手を振るボリさん(2歳8か月)。
ステージで歌い踊り、「今この瞬間を生きる!」といったパフォーマンスを繰り広げるのは、
わしより遥かにしっかりしているように見える、若者たちだった。
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by syun__kan | 2016-08-24 16:31 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・最終日・完成

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6時半起床。
荷物を整理する…
そう、今日は最終日である。
美術館での制作が終わったら、その足で帰らなくてはならない。
鼻が若干つんとする。

初日にも食べた「なか卯」に、原点に返るつもりで行き、納豆定食を食べ、
スーツケースもろともレンタル電気自転車に積み込み、
美術館に乗り込む。
8時。

お借りしていたタッパーなどを、流しで洗う。
美術館の方には、炊飯器やおかずなど、たくさん提供していただいた。
立て替えていただいていた、仕出し弁当代やデリバリーのお好み焼き代(そう、広島にはデリバリーのお好み焼きがあるのだ。しかもうまい)を、
紙に包んで用意する。
そのために、なか卯でたくさん小銭を崩してきた。

スタジオに行き、
参加者様たちが残した作品を、内部構造の壁に取り付けまくる。
本当にたくさんの方々に参加していただいた。
その後は、正面入り口のトンネルの壁を整備する。
この三日間、学芸員の山下さんと、補助の米倉さんに、付きっ切りで手伝っていただいている。
10時に開館し、
11時くらいには、あらかた内部構造は出来上がった。

外側に出て、お客さんたちと話しながら、
不足しているパーツを作る。
わしの顔は、ニヤつきが取れない。
内部構造ができたことで、ほぼ勝ちは見えたのだ。
この作品が「完成しない」ということが、ありえなくなった。

7月16日のWSに参加してくださり、
城の左の方、「海」という文字の旗が立つ塔を、作るチームだった女の子が、来てくれていた。
「こんな風になったのかー!」というリアクションをしていて、
妹?友達?に、「私がこの塔を作ったの」という話をしていた。
城の出来上がりを、楽しみにしてくれていたのだ。
ならば、ぜひ、
「中に入る」ということもしてもらいたい。
学芸員さんにお願いし、13時から、
中に入って良いことにしてもらった。

13時になって、
ガムテープを手でちぎるという非常に簡易的なテープカットをして、
開通式を行った。
「注意事項が3つあります。
1つ目、中は狭いので走らないでください。
2つ目、壁には、友達の作品が付いているので、壁を触らないでください。
3つ目、中には、楽しい仕掛けとかは何もないです。
入って、出るだけです。
それだけです。
そのことについて、クレームを入れないでください」
という話をしたのち、
待ち構えていた数人の子どもたちが、中に入り、
中を観察して、尻尾から出た。
入って出ただけなのに、
「楽しい」「けっこうすごい」
というリアクションを聞き、
さすがにわしも…
ウルッときた。
苦労して、真剣に作った構造体が、機能しているという喜びだ。
嬉し泣きなんて人生で何度もあるもんじゃない。
金メダルを獲ったオリンピック選手は、嬉し泣きをしたりしなかったりするが、
それと同等くらいの喜びが、わしにも去来したということだ。
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気に入ってくれた子どもたちは、
回遊魚の様に延々と出たり入ったりした。
わしは、中の部屋に安置する、人魚の王様を作り、
設置した。
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お客さんの中には、
野菜ジュースを差し入れてくださった方など、
2度目、3度目のリピーターの方もいて、
とても嬉しかった。
お家で自主的にガムテープ工作を始められた子もいたりして、
広島の子どもたちに、ささやかな、良い(と言って良いかはわかならいけど、何らかの)影響を与えられたんだなという気がした。
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閉館し、
簡単に撮影し、微調整し、片付けし、
学芸員さんからお土産をいただき、
わしの滞在制作は終わった。
市電に乗り、
駅でもみじ饅頭をやみくもに買い込み、
今は新幹線の帰路。

今回の企画は、「異界」がテーマであり、
子どもたちがある程度常時体験できるような展示、WS、
2か月弱。
という内容でお話をいただいた。
その後決まった企画タイトルは、「あちらの世界?こちらの世界??」だった。

このテーマ及びタイトルには、非常に頭を悩まされた。
わしにとっては超難題だった…
ある意味わしの作るものは大体いつも、日常と乖離した異界であり、
学芸員さんのイメージする異界とは何ぞや?
ということを、数か月考え続けた気がする。
結局のところ、「人魚姫の物語の世界が異界」みたいな感じで、
どうにか案を着地させ、準備を開始したが、
正直言って、あちらの世界とはなんぞや?こちらの世界とはなんぞや??ということについて、
完ぺきに腑に落ちる答えを持てないまま、
滞在制作もスタートさせた気がする。

しかしながら、広島の街を回って分かった。
この街は、原爆の痕跡があまりにも多い。
物理的な痕跡だけでなく、71年たった今でも、人々の心に大きな影響を残し続けている。
ヒントだったのが、イサムノグチのデザインによる平和大橋、西平和大橋。
「ゆく(しぬ)」「つくる(いきる)」をテーマにしたこの橋に見られるように、
やはりこの地では、
原爆というあまりに大きな「死」「不条理」「過去」に対し、
どういうアンサーをするか、どういう未来を見せるか、
それが問われている気がした。

「あちらの世界」は「死」であり、「過去」であり、
「こちらの世界」は「生」であり、「未来」なのだ。

まあ、行く前からそれは薄々気付いてはいたのかもしれない、
人魚姫の城の骨組みは、魚の骨をイメージして作った。
「死」のイメージである骨を、わしや参加者が肉付けしていくことで、生き返らせる。
これが、大人魚姫の城作りの、裏テーマだった。
東日本大震災の時も、近いことを思った。
新しいものを作る、どんどん作るという姿を、
教員でありアーティストであるわしが、率先して見せなければならない。
広島市街の観光を経て、わしの中で、裏テーマはメインテーマに格上げされた。

しかし、わしが一生懸命肉付けした城でさえ、
参加者が作ったカラフルな作品が周りで泳ぐと、
わしの作ったベージュの部分が遺跡のように見えたりして、それはそれで面白かった。
生命力という点で、子どもたちのワークスはわしの上を行っていた。

もう一点、今回の滞在制作は、
わしの作品世界と、一般のお客さんの作品世界の融合という部分でも、
「あちらの世界?こちらの世界??」だった。
「大人魚姫のお城」は、わしのキャリアに正統に加わるべき代表作であるが、
しかしお客さんたちの作った様々なもの、
ギュッと捻ってペッと貼っただけの、ミニマリズムな作品も、
ぜんぶ一体化している。
老若男女、さらに広島という土地柄、
外国の方にも多数参加いただいた。アジア、欧米。
こういうのは初めてだった。
他者受容、相互理解というやつだ。
大人になったから、
教員として10年過ごしたり、自分が子どもを持ったりしたから、
できたことだと思う。
というか、この規模なら12日間で作れるという見立てをして、骨を組み、
一日10~12時間作り、休館日はちゃんと休み、
まさに最終日の時間内ギリギリに仕上げて帰れるというのも、
今までの経験値があるからだ。
(たくさんお手伝いをしていただいたけど…
というか山下さんと米倉さんのヘルプがなかったらできてなかったかも…
そこはご愛敬)

さあ、これで2016年の、
わしのアーティスト活動は終わった。
そう、もう終わりだ。
ワークショップとかはやるけど、
作家としての履歴を更新することは今年はたぶんもうない。
ライバルたちよ。
そこの二人。
三宅感、戸坂明日香よ。
君たちは昨年末から今年初めにかけて、
様々な勲を伝えてくれた。
Eテレの番組に出たり、岡本太郎賞を獲ったりと。
ご活躍の様子。
今現在は何をしているのか?
詳しくは知らない。
わしの滞在制作の日記を読んでいたか?
「大人魚姫のお城」は、君たちへのアンサーでもある。
残暑見舞いである。
この作品が例えば、三宅君の受賞作「青空があるでしょう」を超えるものだとは思わない。
でも、わしなりの、今までのいろいろな経験を詰め込んだ、精一杯のサムシングです。
成果が出たときだけ報告するのが、ずるいということはわかっている。
人生の3%輝くために、残りの97%、暗く深い所に潜るのが、アーティストである。
それぞれに、わしの想像もつかない経験を重ねているであろう、
君たちの、次なる報告を期待して待っています。
予備校の時のデッサンの講評で、
君たちより上の順位を取れるのは、「フォーンのトルソ」を描く時だけだった。
マルスもヘルメスもブルータスも、
だいたい君たちの方が上手かった。
あのうらみ?は忘れんぞよ。
君たちがレースから降りることを、わしは許さん。
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by syun__kan | 2016-08-11 23:59 | 日記 | Comments(9)

広島滞在制作・11日目・ハードワーク

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今朝の状況。
城の裏。
針金を組み合わせてドーム状の形を作っている。
そこから、尻尾に向けて、
通路のアーチを、針金で作った。
その後、新聞を上から降り積もらせ、
内部から補強し、かまくら状に。
さらに、お客さんが自由制作した作品たちを内部構造の内壁に取り付けた。

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この入り口から、入ることができる。

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入り口はトンネル状。
壁はまだ未完成。

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内部は小さな部屋があり、魚型の尻尾方向に道が続く。

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尻尾の下から外に出た。

という感じ。

明日完成させて、
12日からは入れるようになります。
明日もがんばらにゃ!!

最後の一泊だという、
感慨も起きないほど、
ハードワークのラスト二日。
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by syun__kan | 2016-08-10 23:56 | 日記 | Comments(2)

広島滞在制作・10日目・戻るべき場所

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日程も残り少なくなってきた。
実は最後の4泊、つまり7日の夜からは、
同じカプセルホテル内でも1000円高い、
ちょっとだけいい部屋に泊まっている。
寝るところはカプセル方式なのだが、
簡易的ながらも個室が隣接し、
机イスがあり、
一応自分用のテレビもある。
最後くらいちゃんと休んだ方が良いという奥さんからのアドバイスを受け、
この部屋にした。
普通のカプセル方式にも慣れ親しんでいたが、
このように自分のスペースを与えられると、
居住空間に知らないおじさんたちがうろうろしていないということは、
こんなに快適なのかと気づく。

今日はなんと、九州に帰省されていた、わしの職場の関係の方が、
帰りがけに「新幹線で通る駅だから」と、
親子で滞在制作を訪れてくださり、
お土産をいただいたりした。
本当に、ありがたい限りだ。
こうしてわしは、自分の戻るべき東京埼玉に思いを馳せる。
自分の家、職場である旭出学園。
あ、ちなみに旭出学園の新聞&ガムテープでできたゆるキャラ、
「あさひでがくえんさん」は、
今年もゆるキャラグランプリに出場しています!
500位を目指してるけど、正直苦戦中!
よろしければ、投票お願いします!
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http://www.yurugp.jp/vote/detail.php?id=00002923

夜になると、ボリさん(2歳8か月)の体調不良の知らせも奥さんから電話で入り、
心配でならない。
早く良くなると良いのだが。

戻るべき場所のことが気になり、
オリンピックのようなわしの超集中制作期間も、そろそろ終わるのだ、
という思いが強くなる。
早かったな、とも思うが、
充分やった。満足だ。とも言える。
半月も家を空けて好きな事をしたのだから、
今年の残りの期間は、家族や職場にかしずいて生きていきます。

と、言いながらも、
今日からの三日間は、
「大人魚姫の城」に、お客さんが入れるようにするため、
内部構造を大工事中!
針金を組み合わせてテントのような空間を作り、
新聞を大量に降り積もらせて新聞かまくらのようにせしめんとしています。
D.Y.Iな仕事に一日取り組み、汗をかき、
2日目の時点からファブリーズの必要を生じているわしの衣装は、
何だか懐かしいにおいを発していて、
これ何の匂いだっけ?と思い、
浮かんだ顔はサクライ先生、
そう、これは中学の時に所属していた柔道部の部室の匂いなのであった。

工事中の、城の裏側の現在の写真、撮ればよかった。
明日朝忘れずに撮ろう。

東京埼玉に気持ちが戻りつつ、まだたたかいの最中。
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by syun__kan | 2016-08-09 22:39 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・オフ日その2・黒田

こちらに来てよく分かったことがある。
広島の人はとにかく黒田が好きである。
わしが制作に使っている新聞は、美術館の職員さんが集めてくださった中国新聞が多いのだけど、
とにかく見出しへの「黒田」の登場回数の多さと言ったら。
黒田、黒田。
あ、黒田は広島カープのスター選手である。
わしは全然野球詳しくないのだけど、
どんなに詳しくない人でも、その事実だけは広島に来て数分でインプットされるだろう。
駅にも、売店にも、地下道にも、
黒田が溢れている。
勝ったら、黒田がどうこうしたということが見出しになり、
負けても、「黒田阻まれる」とか、
黒田を主語にしてすべてが語られる。
そしてその出来事に関連した、
「あの時黒田は、契約満了の外人選手にロッカールームで頭を下げた」
とか、深い感じのエピソードが記事に挿入されたりする。

カープのシンボルは、鯉である。
他のチームが、ドラゴンやら鷹やら、
かっこいい強そうなダンスィーなシンボルを擁しているのに対し、
なぜに口をパクパクしている魚類なのか?
しかしそのようなポカッとした可愛さが、「カープ女子」に見られるような、
最近の人気の理由の一つなのかもしれない。
市民球団であるという点も大きい。
しかも今年は、何十年ぶりかの優勝が狙える位置にいるのだ。

ところがこのところ、本拠地広島市民球場球場で、
惜しい所でカープが敗れるという結果が、続く時期があったようだ。

これが困るのである。

わしが止まっているカプセルホテルに、夜10時半過ぎ、
ムスッとした赤い服のおじさんたちが、なだれ込んでくるのである。

ホテルを取るくらいだから、県外から来ているのだろう。
わざわざ来たのに、負けるのだから、
憤然やるかたなしであろう。
カプセルホテルの空気は一気に悪くなるのである。

でも昨日は勝ったらしい。
昨夜イオンの食品売り場で買い物していたら、
なだれ込んできた赤い服の人々の顔が、
一様に、にこやかだったのだ。
家族連れも、酒類を漁るヤンキーのお兄さんたちも、
皆晴れ晴れとしている。
今朝、ネットのニュースで見たら、
2位の巨人に、奇跡的な逆転サヨナラ勝ちをしたとのこと。
いやあ、それは、よかった。

広島におけるカープファンの占める割合は、わしの印象だと異様に高く、
7割超えてるんじゃないかと思う。
県民の大半の、機嫌を左右するのだから、
わしも滞在中、カープの動向を気にするようになった。
勝ってほしいと思うようになった。
カープよ、なるべく勝ってくれ。
今日こそ勝ってくれ!
勝負はここからだ!
頼んだぞ、黒田!

これって、ファンということなのだろうか?
何となく、不思議な圧力のようなものに押されている感じもするが?

しかしながら、広島でお世話になった方々が、その後も喜んでいて欲しいので、
滞在制作終了後、東京埼玉に戻った後も、わしはカープを応援する気がする。

今日はそんな晴れ晴れとした広島で、
美術館休館日でオフ日となったわしは、宮島観光に出かけたのであった。
行きはJR~フェリー、
帰りはフェリー~広島電鉄。

宮島、および厳島神社は、「~越し」の景色の多い観光地だった。
神殿の回廊越しに見える、大鳥居、
民家の屋根越しに見える、五重塔、
揚げもみじ越しに見る、通りの観光客たちなど、
要素がレイヤーをかけて目の前に広がるのが楽しい。

あなご飯が名物で、頻繁に売っているが、
名店に並ぶのはおっくうで、並んでない店で弁当を買い、
フェリーを降りた広場の日陰で広げて食べようとするが、
横からモシャモシャ音がすると思ったらわしの荷物が鹿に襲われている。
周囲の観光客にとっては、そんなわしの様子がそのまま観光名所になったように、
笑顔で見られていて、
わしは慌てながらも外国人観光客にもわかるように、
「ノーノ―、イッツマイン!イッツマイン!」と、
英語でリアクションを取ってしまうのだった。
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by syun__kan | 2016-08-08 23:57 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・9日目・健康保健衛生

爪が伸びてきた。
2週間とはそういう長さだ。
出発前から予想はしていた。
期間中、爪伸びるだろうなと。
しかし、家の爪切りを持って出かけると、家族が爪を切れなくなるし、
でも行った先で爪切りを買うのはもったいないけど、どうしよう…
みたいな逡巡を経て、
結果無策で旅立った。
今はただ、伸びた爪を見つめて呆然としている。

健康面では、主に4点、不安要素があった。
上唇、手首、腰、風邪である。

上唇については、わしはいつも制作中、
ガムテープをちぎり、
上唇にいったん留め、
両手で新聞紙を握って形作り、
上唇からテープを取って巻き付ける、
という方法をとるので、
一日やっていると、何度も上唇に付いたテープを「ペッ」と取ることになり、
最後にはわしの上唇は赤く、セクシーな感じになる。

二日も続けてやると、そこはかさぶたになり、
下手をすると血が出る。

12日もの間、一日10時間以上の制作を続け、
果たしてわしの上唇はどうなってしまうのだろう、唇無くなるんじゃないだろうかなどと思っていたが、
二日目終了の時点で確かにかなりのダメージを負っていた。
しかし持参したリップクリームが使い終わり、
新しいのに買い替えたところ、
とても相性が良かったようで、
その後わしの上唇は健康を取り戻している。
まるで新聞ガムテープアートなんかやってないんじゃないかというくらいにプルンとしている。

手首については、昨年、
三宅一生展に出品するための人体像をものすごく集中して作っていたら、
右が腱鞘炎になってはれてしまった。
ガムテープを切るときに、右手のスナップを効かせる際、
疲労が溜まる様だ。
今回も心配していたが、
要するに、「ああ、だいぶ溜まってきたな」と思った時点で、
いったん休めれば良いということがわかった。
そんなに難しくない。

腰については、わしは元来腰痛持ちなので、
疲れがたまった際や、
あと無理な体勢のまま根を詰めると発症する。
下手するとぎっくり腰に近い状態になるので、警戒していたが、
今のところ大丈夫だ。
以前発症したときは、「お姉さん座り」をしながら制作したので、
今回は男らしく、あまりお姉さん座りしないようにしている。

風邪については、一番危ないのが冷房の効き過ぎだ。
新幹線やホテルなど、
「節電どこいった?」と思うくらい効いている場合があるので、
常にジャージを携帯して警戒している。
制作しているミュージアム・スタジオも、時間帯によっては冷房がグーッと効いてくる時があるが、
幸いガムテープ服という通気性ゼロの衣装を着ているため、
わしはわりと快適である。
あと、栄養面に関しては、
最初のころはやや偏りがちだったが、
美術館に炊飯器が持ち込まれたことでかなり改善した。
以前野菜ジュースを差し入れてくださった方が、再度差し入れてくださったり、
美術館の職員さんがおかずを恵んでくださり、
果ては昨日はうなぎをいただいた。
おかげさまで、栄養状態はかなり良いと言える。

というわけで、万全の態勢だ。
今日はついに尻尾まで作りこみ、
魚型の全体を覆うことに成功した。
f0177496_2322019.jpg

こちらが尻尾である。
わしの大型作品に頻繁に顔を出す、
「自転車少年」も、駆けつけてくれた。

明日は休館日で、2度目のオフだ。
宮島でいったん休みます。
その後の3日間で、お城に入れるよう、内部構造を作る。
気を引き締めて頑張ります。
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by syun__kan | 2016-08-07 23:22 | 日記 | Comments(0)