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広島滞在制作・8日目・たこつくりよる

7時にカプセルの中で起きたが、
疲れが残っているので、少しぐだぐだした。
平和記念式典は8時くらいから始まり、
8時15分の黙とうに間に合えばよいから、
8時前にホテルを出られれば大丈夫だ。

ギリギリになってしまったが、ホテルを出て、
胡町方面の、レンタル電気自動車のポートに行く。
自転車にまたがり、平和記念公園に向かう、
大通りには日ごろと変わらぬ、仕事に向かう人、
商店街にはパチンコ屋の前に並ぶ人。

公園が近づくと、何らかのデモをする人たちを、お巡りさんが囲んでぞろぞろと歩いてゆく。
「核で平和は作れない」等のスローガンを掲げている。
原爆ドーム付近につき、川沿いを自転車で飛ばせば間に合うと思ったのだが、
規制があったようで、お巡りさんに「川沿いは自転車乗っちゃだめ」と言われ、
歩行に切り替わる。
そしたら、8時15分になってしまう。
川の向こうの、平和記念公園の音は聞こえている、
鐘と当時に、川端で立ち止まって慌ただしく黙とうした。

その後、平和記念公園に着く。
老若男女、たくさんの人がいる。
個人で来ている人もたくさんいるが、
団体さんも非常に多い。
「○○会」「○○団」「○○隊」などなど、
世の中にはこんなに多くの団体があるのかという感じ。

式典をやっているまさにその会場は人垣の向こう、
人々の頭越しに、演台上の人が見えたような気がしたりしなかったりする。
広島市長の話、子どもたちの話、総理大臣の話、県知事の話と続いた気がする。
音声は、スピーカで園内に流れ、
映像も所々にモニターがあって、そこで力道山を観るようにみんなで観ることができる。
凍り付いたおしぼりを配っている人たちがいて、
わしもおしぼりを受け取り、
うろうろと歩く。
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知事は、原爆投下後の、広島の人々の様子を述べ、

「これが原爆の現実です。
核武装を必要と唱える人が現実主義者と言われ、核の放棄を唱える人が理想主義者と言われることがありますが、
本当は逆ではないでしょうか。
原爆の現実に思いを馳せるからこそ、核の放棄を唱えるのではないでしょうか」

という内容を話していた。
この話は、良かった。
知事が本当に、自分でそう考えたという感じがした。

人から聞いたことをそのまま話すのは、意見とは言えない。
色々な方向からの話を聞き、
見て、体験して、
肚でくらって内臓まで染み込ませて、
そうして出てきた思いが本当の、その人の意見だと思う。

わしは8月6日に広島に居れて、良い経験ができたことに感謝するだけだ。

そこから美術館に向かい、制作を進めた。
8月6日にちなんで、衣装には折り鶴を付けた。
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終了時の様子はこう。
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まずは全身を覆うという目標については、
あとは尻尾のみだ。
明日、できれば全身を覆いたい。
明日が正念場になろう。

自由制作コーナーでは、今日もたくさんの子どもたちが、
海の動物など、好きな物を作ってくれた。
広島では、こどもでも「~じゃけえ」としゃべる。
「はよ作りんしゃい」など、
子どもが使う広島弁はかわいい。
4歳くらいの女の子が、お父さんに「何作ってるの?」と聞かれ、

「たこつくりよる」

と答えていたのが、無性にかわいかった。
広島の家族に、楽しい思い出を提供できたのなら、この上ない喜びである。
何かスローガンを掲げよと言われたら、
今日のわしなら、

「子どもがたこつくりよる世界を」

とするだろう。
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by syun__kan | 2016-08-06 22:29 | 日記 | Comments(2)

広島滞在制作・7日目・メガネ

カプセルホテルで目覚める朝も、もう何度目なのだろう。
逆に菓子パンが恋しくなって、朝食は菓子パンを買い、
電気自転車で美術館近くの公園まで行って食べる。

8時くらいから制作を開始。
終了時の様子はこう。
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だいぶ、カオスになってきた。

わしの造形は、ひとことで言ってしまえば、
「立体カオス」である。

「カオス」っていうのは、混沌です。
いろんなものが混ざってわーっとなっている感じです。
絵画でも、カオス的な絵はよくあります。
映像でも、よく見かけます。
でも立体では、あまり見かけません。
カオスな立体作品は、あまりないのです。

どうしてか?

大変だからだと思います。

「細かいものをたくさん表す」ということに関しては、
絵よりも立体は、一般的に、しんどいのです。

絵や映像では、コンピュータを使えたりします。
そこではコピーペーストを使えたりするので、
絵も映像も、カオスな物を作りやすいです。

立体の世界でも、「型取り」という「コピーペースト」の手法はあるにはありますが、
それをせずに、すべて「手びねり」でやろうとすると、
カオスな状態まで持っていくのは非常に手間がかかります。
現代社会では、効率化が優先されていますからね。

それをあえてやるのが、関口光太郎というわけです。
というか、そこが空き家だったのかもしれません。

でも、仲間はいます。
西洋の大聖堂の彫刻や、例えば日光東照宮の陽明門なんかも、
見事な「立体カオス」でしょ?
宗教が絡むと、「神様のために」という思いが働くのか、
それとも「皆を圧倒しなきゃ、信者増やさなきゃ」と思うのか、人は手間を惜しまなくなります。

宗教が絡んでないのに、立体カオスを作り上げたのが、
今回オマージュを捧げていると言っていい、「シュバルの理想宮」などです。

わしの制作も、宗教は全然絡んでません。
わしは教育を絡めようとしています。
結果的にそうなっています。
7月16日、17日に、作品の部分を子どもたちと一緒に作り、
滞在制作期間も、自由制作コーナーを設置し、
お客さんが作ったものを城に加えて行っています。
身近な物さアートになる楽しさを伝えているのです。
そういった教育者としての行いと、
造形作家としての凄みを同時に見せようという企画なので、
総力戦ですが、実に楽しく充実感に溢れています。

夕飯は、またご飯を炊きました。
職員さんたちが、煮卵やトマトやもずくスープを恵んでくださり、
「ウマイッス」
と言いながら食べました。
こういう自分の様子、何かで見たことあるなと思ったら、
電波少年で世界を旅する若い芸人さんでした。

ところで、昨日のわしの写真で、
わしのメガネが、他の服と同じく、「ガムテ化」されていることに気付いただろうか。
一昨日の夜、メガネの弦が折れてしまったのである。
もともと、日ごろのくんずほぐれつの仕事でダメージを負っていたのだが、
ここで寿命が来た。
なので、弦に針金を当て、ガムテープで巻き付けて補強し、
ついでに全部巻き付けて衣装の一部としたのだが、
美術館の中ではいいとして、
外部ではこれでは何か過ごしにくい。
新しいメガネを買おうと思う。
と職員さんに言ったら、
「そんな日和ったこと言ってていんですか?」
と言われた。
ガムテメガネで過ごすべきということか。
まあ、無理ではないが…。
学生の頃は、マイケル・ジャクソンのコスプレのままで八王子や橋本の街を歩いたりしたし、
サティで買い物したりしたが、
旅先だしな…
ということで、今日は制作終了後にジンズでメガネを買ったのさ。
ジンズはわしの地元、前橋の企業なんだぜ!
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by syun__kan | 2016-08-05 23:26 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・6日目・自炊

以前、溜池山王のラジオ局で宿直のバイトをしていた。
二日連続でシフトに入ったりすると、
一晩泊まって9時に解放され、
その日の17時からシフトに入らなくてはならなかったりする。
自宅から一時間半くらいかけて通っていたので、自宅に戻るのもおっくう、
しかも交通費は自腹、ではあったが、
わしは戻った。
数時間しか自宅いれないのに。
何のためか?
自炊するのだ。
バイト先ではコンビニか、近くのすき屋で食べるしかなく、
これ、二晩も続いてくると、けっこうストレスなのだ。
基本美味しいのだけど、
何か違うのだ。
食べ物としての生命力がないのだ。
栄養的になのか?精神的になのか?
何となく参ってくる。
だから敢えて、自宅に戻り、ご飯を炊き、
チャーハンなり何なりを作って食べることで、息を吹き返した、
というか摂食者としての正気を取り戻した。

話が逸れた。
というか、初めから違う話をしていた。

今日は滞在制作6日目、
滞在は7日目であり、
2週間の滞在のちょうど折り返し地点である。

朝食は昨日イオンで買った、半額のおにぎり4個。
半額のおにぎりでも、4つ食べれば一応腹持ちする。

「大人魚姫の城」の制作は12日間で行うので、
初めの10日間で魚型を覆い、その後の2日間で内部構造を作ろうと思っている。
ということは、魚型は昨日までで左半分を終え、今日から右半分を作らなくてはならない。

うまく行ってる?

うん…ちょうどぎりぎり。
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前回の写真より、少しだけ右側に手が及んでいるのがわかるだろうか。
わしの手法は、ある日急にグッと進んだ!ということは起こらない。
にじり、にじりと進んでいく。しかない。
やった分だけ、進むのだ。それ以上はない。
新聞ガムテアートから学んだ人生訓でもある。

そして何と、学芸員さんが厚意で、
炊飯器を美術館に持ち込んでくださった。
わしは閉館後、2キロの無洗米あきたこまちをイオンで買ってきて(イオン利用しすぎ)、
1、7合くらいを喜々として炊き、
いなばタイカレーの缶詰をかけて夕飯に食べたのであった。
また別の職員さんがご厚意で、ふりかけや保存の効くおかずを提供してくださったのである。
タイカレーで消費しきらなかったご飯は、アーモンドとカシューナッツを甘く絡めたおかずによってわしに吸収されたのであった。

明日は卵を買って行ってかけようかと思う。キムチもいいな。
後半戦に向けた心強い味方が現れた。

美術館っていうのは、玄関ではなく、搬入口から入るもんだぜ。
と、言えるようになりたいとは、以前から思っていたが、
まさか自炊まですることになるとは、思ってなかった。
何となく、よくわからないけど、感無量のような気持ちがする。
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by syun__kan | 2016-08-04 21:37 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・5日目・拝啓

拝啓、僕は、徐々に疲れてきました。
一昨日の観光で、一日駆けずり回ってしまったので。
でも今日のお客さんが、とてもいい人で、
僕のブログを読んで、サイゼリアばかりではと、
野菜ジュースを差し入れてくれました。
おかげで僕は元気です。

と、こんな風に書くと吉田拓郎の歌のようだが、
しかし吉田拓郎は広島出身だから、それも良いかもしれない。
(新聞丸めた、夏休み。テープを巻いてた。夏休み、針金曲げてた、夏休み。)

そのような魅力的な人物をたくさん輩出している広島は、
やはり魅力的な人が集っている。
野菜ジュースを仕入れてくださった方の他にも、今日もたくさん、魅力的なお客さんをお迎えした。

①高校総合文化祭放送部門、強豪の埼玉代表放送部。

今日、結果発表があるとのことで、若干の緊張の面持ちの中、
関口の滞在制作を訪れ、
自由制作コーナーで新聞を揉んでくれた。
総合文化祭に参加している高校生がどのように広島で過ごしているかを聞かせてくれた。
きらめく青春がうらやましかったぜ。
関口も埼玉在住なので、気になってホテルに戻ってから調べたら、
オーディオピクチャー部門で優秀賞を獲得していた。
おめでとうございます。

②現代美術好きの白人女性。

広島は世界的にも有名な観光地であるから、
外国の方が観に来てくれる機会も非常に多い。
今日の女性は、「とても面白い、観れて良かった、シュバルを連想する」と語ってくれ、
他にも、関口の参考になりそうな作家の名前を挙げ、メモ書きで教えてくれた。
確かに、日ごろから若干シュバルっぽい関口の作品だが、
今回の魚型の城は、いつにも増してシュバルを意識して作っている。
何しろ、タイトルは最初は「メバルの理想宮」にしようと思っていたのだ。

③ともたけさん。

関口の大学の同級生であり、油画科だったとのことで、
大学時代に面と向かってお互いを認識したことは無いが、
大学の時から関口の作品を知っていてくれて、
共通の知り合いがたくさんいた。
今は広島で中学校の先生をされているそうだ。
多摩美から遠く離れた地でバッタリ会うとは、
世間は狭い、というか、「縁」というものがカヴァーする範囲は広いんだな感じた。
「油絵で言えば、はたのぞみさんって知ってます?」
「ああ、あの小さい子ですね」
「その人、今わしの奥さんですよ」
と言うと、驚いていた。

他、たくさんのお客様たち、どうもありがとうございました。

ところで、疲れて来ているのは本当である。
制作は今のところ順調ではあるが、
滞在も長くなってきて、「ハレ」の感じがしなくなり、
これが日常になってきた。
朝はやはり昨日イオンで買った半額のお弁当を食べ、
夜は松谷のカレー牛。
いただいた野菜ジュースは、本当に身に沁みました。
まだ、折り返し地点にも来てないのである。
ここからが勝負だ。

なので、もう寝ようと思います。
ごきげんよう、ごきげんよう。
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by syun__kan | 2016-08-03 23:29 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・4日目・車道を愛す

昨夜から、カプセルホテルに戻っている。
何が起こるかわからないハナホステルは終わり、シンプルライフが再開した。
残りの日程は、ずっとカプセルホテルに泊まり続ける。

朝食は、昨日「シン・ゴジラ」を観た後にイオンのスーパーで買った半額ののり弁、
ハナホステル滞在で余った食パン一枚。

滞在制作、今日は広島の中学校の美術部の方々がたくさんお見えになった。
本日終了時の様子はこう。
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「日本のシュバル」と称しても差し支えない感じになってきている。
その称号を目指している人が他にいるかは不明である。

19時過ぎに終了し、またイオンの中にあるサイゼリアに向かう。
昨日利用し、その気兼ねなさに、若干はまってしまった。
長居しても、電話しても、何ら問題ないし、安い。
旅先感は皆無だが。
パルマ風スパゲティとフォカッチャとドリンクバー、708円なり。

食べながら、埼玉東京の県境で留守番している、奥さんと電話する。
今日は車にボリさんを乗せ、40分ほど走り、ショッピングモールに行ったとのこと。
そう、我が家は自動車を購入したのである。

奥さんが免許を無事取得したのが7月21日、
車が納車されたのは7月24日。
まだ自動車ライフが始まって間もない。
初心者が新車に乗っているわけで、
初新車と称しても差し支えない。

納車の日、わし、奥さん、ボリさんの3人でディーラーに取りに行き、
乗って帰った。
運転は奥さんだ、
わしはゴールド・ペーパー・ドライバーである。
帰路で立ち寄った西友で、奥さんは駐車しようとし、一台一台を隔てる白線の上に停車した。
教習所では褒められてばっかりだったというが、
初めて乗る車種は難しかったようだ。

しかし、ふだんゆったりしているのに、一度勢いがつくと全然物怖じしなくなる奥さんは、
毎日車に乗って出かけ、
わしが広島に発った後も、
友達の親子は乗せるわ、立体駐車場にチャレンジするわ、ベンツとレクサスの間に停めるわのアグレッシヴさで、
どんどん運転の腕を上げ、行動範囲を広げている。
おかげで、わしなんか不在でも、
奥さん&ボリさんは楽しくやっているそうだ。
わしはこう言い返すしかない、
「何言ってんの、わしはゴールド免許だぜ」。

ちょっと前に「車道が好きじゃない」という日記を書いたわしであるが、
自動車がこんなに奥さんを楽しませているなら、
車道のことを悪く言っては天罰が下る。
車動に感謝である。
好き嫌いなんて、しょせん個人的な思い入れの話なのだ。

そういえば、わしは以前、ゴルフが嫌いだった。
環境破壊だし、
テレビ放送があまりにも淡々としているし、
打つまでの、打った後の動作になんとなく鼻につくナルシズムを感じて。
しかし最近は、寝転がってプレステをやり続けていた父が、ゴルフをするようになり、
外に出て健康的に運動する機会を与えてくれている。
だからゴルフがちょっと好きになった。
実に勝手な、個人的な思いれだが、
ゴルフも良いとこあるじゃんと思えたのである。

世の中、簡単に白黒着くものではないのだから、
やはり仲直りこそ一番素晴らしいことの一つなのだと思う。
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by syun__kan | 2016-08-02 21:46 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・オフ日・つくる、ゆく

やはり二泊目となると慣れが生じて、
始発で走り出す電車の音も、隣人の物音も気にならず、
ハナホステルの2段ベッドで8時まで寝た。

キッチンで、冷蔵庫に保管していた食材で昨日と寸分変わらぬ朝食を食し、
9時過ぎにチェックアウト、
広島駅のコインロッカーにスーツケースを預け、
レンタル電気自転車を借りて広島市街の観光へ。

広島市街は自転車サイズの街だ。
名所がたくさん点在しているが、それぞれ微妙に遠く、
徒歩には向かない、しかし公共交通機関で巡るのも、ちょこまかし過ぎるきらいがある、
その点自転車、特に電気自転車は最高の武器だ。
貸していただいた学芸員さんは、さすがに必要なものを知っている。

最初に向かったのは縮景園という庭園。
5メートル歩けば違った景色や名勝が次々を現る、
まさにその名の通りの美しく楽しい庭園だった。
中には、戦没者が埋葬され、1987年7月31日に発掘された慰霊の碑もあった。
広島市街には、こういった原爆の痕跡が無数にある。

次に、隣接する県立美術館へ。
全国高等学校総合文化祭の美術・工芸部門を観るためだ。

高校総合文化祭は、何年か前に文教出版様の取材を受けたときに、
担当の方が、

「文化部の甲子園であり、彼らにとって最大の舞台である」

と話されていて、興味を持っていた。
そしたら今年訪れた広島が、偶然にも今年の開催地であったということだ。
しかもわしの滞在制作に、引率の先生や参加している高校生が、
何度も足を運んでくれるのだ。
これはぜひ行きたい。

それにしても、以前はわしも高校生であったし、
登山部と同時に美術部にも入部していたのに、
「高校総合文化祭」なんて全然知らなかった。
まあ、無理もないかもしれない。
わしは高校時代、全く青春していなかった、
というか高校時代の記憶がほとんどない。

実際に観た高校総合文化祭の美術・工芸部門展、
これは、正直に言って…
掛け値なしに素晴らしかった。
本当に感動した。

例えば絵画なら、47都道府県より、それぞれ4点ずつくらい出品されていた。
つまり、各都道府県のトップ4の作品が集まっているのだろう、
技術的にも、一定のレベルをクリアしていて、
何よりその、
酒もたばこも経験していない高校生たちの、
濁りのなさ。
彼らがそれぞれに置かれている状況で、
思っていること、考えていること、悩んでいることの真剣さ。
大切さが、胸に迫ってきた。

素晴らしい作品は数多くあったが、
敢えて一つ挙げるなら、兵庫の高校生が描いていた自転車のスポークの絵か。
鳥肌が立った。
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わしの故郷の群馬はどうだ?と思って観ると、
前橋東高校の男子生徒が凄く良い作品を描いていた。
こういったメンバーが、10年後にわしのライバルになっていくのか?
日本の未来は明るい。

県立総合体育館の方でも、展示しているとのことで、
自転車を向けた。
しかしそこでは展示の期間が終了していると受付の人に言われ、
かわりにグリーンアリーナでインターハイのバスケットボールをやっていて、
セコイアの木のような学生たちがロビーを闊歩していてサファリパークの様だった。
流れのまま、客席に着いてしばらく試合を見ていた。
ここでも、濁りのない青春がスパークしていた。
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その後、平和記念公園に自転車を向けた。
原爆ドームを観ながらたどり着いたのは、平和大橋、西平和大橋。
これはイサムノグチのデザインであり、若き日の三宅一生がインスパイアされたことで、
クリエイティブ界では有名であり、
そっちに疎いわしでも知っている。

ウィキペディアによれば、
1951年6月11日ノグチが広島へ訪問した時、
「6年前のいまわしい雰囲気が地面に静かに横たわっている。しかしその地上に生活する民の顔は大きな希望に燃えてたくましい」
と、人の生と死をテーマにデザインを決定し
平和大橋は「いきる」、西平和大橋は「しぬ」とノグチによって命名されていた。
事情あって「つくる」「ゆく」に変更された。

橋を観たのち、平和記念資料館を観た。
その後原爆死没者慰霊碑に手を合わせた。
日本人なら、一度は行かなきゃならないと、今まで何となく思っていたので、
来れて良かった。
オバマさんが来る来ないも大事だが、
自分が行ったかどうかも大事である。
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資料館の展示物は本当に、見るのが辛いものだった。
関口は基本的に、物事を前向きにとらえるすべは持っているが、
そんなものは機能しないのだ。
東日本大震災の時にも思った。
どう消化して良いかわからない。

公園内のベンチで、昨日美術館の職員さんにもらったパンを昼食とした。
暑い。

敷地内には国際会議場という建物があり、
高校総合文化祭の写真部門展もやっていたので、拝見した。
こちらも、本当に素晴らしかった。
彼らが向ける、年少者への目、高齢者への目、
仕事、地域、友人などへの目…
美術部門と同じく、性的要素や濁りのない表現の、
月並みな言葉で言えば瑞々しさが、本当に良かった。

高校生は社会的人間としてはもちろん未熟だが、
生命体としては、ピークにあるのかもしれない。
だとしたら、その表現が素晴らしいのも当然だ。

演劇部門も、アステールプラザという施設でやっているとパンフに書いてあったので、
そちらに自転車を向けた。
「行けば観れる」くらいに軽く考えていたのだが、
大ホールは満席であり、
生中継している小ホールに通された。
そこで静岡代表の演劇を観たのだが、
かなり面白そうで、あれは生で観たかったな~。

続いて北海道代表の上演があり、整理券を取って大ホールで観ることができた。
地元北海道の常呂町でカーリングを日本で普及させた人物を取り上げていて、
クライマックスでわしは涙が溢れて止まらなかった。

続く広島代表は、正面から原爆の物語を扱っていた。
原爆は死の物語であるが、
それを演じる高校生は、高校生活の部活動における最大の舞台で、
今この瞬間を生き、まばゆいばかりに生を燃焼させていた。
わしが資料館で感じた消化できなさを、
彼らは昇華しているのだ。

どちらも、自分の地元を愛し、誇りを持ち、
それを満天下に示していて素晴らしかった。

もう時刻は18時、
わしは自転車をイオンのショッピングモールに向け、
サイゼリアでペペロンチーノとドリアとドリンクバー(計780円)を食べ、
19時10分からの、「シン・ゴジラ」を観た。
庵野さんという監督のもと、日本で12年ぶりに制作されるゴジラ映画である。

ゴジラはわしを造形物の世界にいざなった、非常に思い入れのあるキャラクターであるが、
また偶然にも、反核が根底に流れる物語である。
広島で8月に観るのも、何かの縁だ。
今作は特に核兵器がストーリーの中心だった。
原爆ドームの写真も登場した。
観終わって、正直言って、
素晴らしかった。
要するに、若いこれからの世代で、いろいろな困難に立ち向かって行こう、という話だった。

今日一日の中身の濃い混乱に、
広島の演劇部と、庵野さんが、解答を示してくれたのだと思う。
岡本太郎の「母の塔」も、
ぶっつりと切られて死んだ大樹から、新しい芽が出てくる様子を表している。
要するに、そういうことなのだ。
つくる。つくろう。
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by syun__kan | 2016-08-01 23:59 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・3日目・ファブリーズ

実はうまく寝られなかった。
線路が近く、電車の音がうるさいからか、
それともカーテンを隔てた隣人のいびきが気になるのか。
ハナホステル1泊目という新しい環境に若干緊張していたのか?
0時半、仕方なくわしは、iPodのイヤホンを耳に入れた。

聴くアルバムはもちろん、YMOの「テクノドン」。
中高生の時、わしはYMOの大ファンだったのだが、
このアルバムだけは、何度聴いても、途中で寝た。
ファンだから、これじゃいけない気がして、
何度もチャレンジし、何度も撃沈した。
そのうちに、このアルバムは、
寝つきが悪い時に聴くという、大切な役割を担うようになった。

細野さんのぼそぼそした歌声と、
ポワポワした音のおかげで、それなりにうつらうつらできた。

朝7時には出発しようと思って、6時15分に起き、
屋上に干してある洗濯物を取り込みに行ったら、
ドアの張り紙に8時にならないと鍵が開かないと。

手元に今日着る分の服はあるが、
靴下だけがない。
干してある。

①7時に出発してコンビニで靴下を買う。
②8時まで待つ。

という選択肢が浮かぶが、
この際、1階のキッチンを使ってみようということで、
コンビニまで歩いて行って、食パン、卵、カット野菜、マヨネーズ、ファブリーズを買った。
どうしてファブリーズが必要かって?
アーティストがあんまり夢を壊したくないが、
ガムテープの服は洗濯できないのさ。

キッチンでは、何やら大勢の外国人が、やおらカップ麺を食べたりコーヒーを飲んだりしていたが、
わしも張り紙で注意事項や物の場所を確認しながら、
卵3つ分のスクランブルエッグのサンドイッチとマヨネーズをかけたサラダを作った、
というか盛った。
しかしながら、やはり自炊した物はうまい。

無事8時となり、靴下をゲットしたわしは、
昨日学芸員さんにカードをもらい、教えてもらった、
電気自転車のレンタサイクルポートに行く。
若干迷いながらポートにたどり着き、若干迷いながら美術館まで着いた。
美術館に向かう坂道を間違え、途中階段があったときは困ったが、
重たい電動自転車を気合いで持ち上げた。
何だか朝からリズムが悪いが、このくらいは笑顔で乗り切らなきゃならん。
「台風クラブ」という映画のラストに近いシーンで、
工藤夕貴の演じる中学生が、
何だかものすごい深い水たまりに、笑顔で踏み込み、渡り、
気にせず歩いて行ってしまうシーンがある。
あれは良いシーンだ。

滞在制作には今日も、たくさんの方がお見えになり、
千葉でホットペッパーを見て気になり、観に来てくれた方、
兵庫から来てくれた方、
広島で開催されている高校総合文化祭関係の先生方、生徒さんたちなど、
魅力的なお客さんをお迎えした。

ご高齢で、車いすで来られた方が、
わしの大人魚姫を見て、

「わー、こんなの初めてだ」

とおっしゃり、

「良い記念になる」

と言って、観光名所の様に、一緒に記念写真を撮られていた。
わしの何倍も長く生きているであろう方にとっても、
わしの作品が「初めて」のことであり、「記念」になるということが、
わしにとって非常に嬉しかった。

17時の閉館の頃になると、疲れを感じた。
制作中に疲れを感じるのは、3日目にして初めてのことだった。

カメラでブログ用に撮影するのを忘れた。申し訳ありません。

事務所に上がると、職員さんたちがケーキで、
わしの誕生日をお祝いしてくださった。
そう、わしは今日33歳になったのである。
特殊な状況で迎えた日ではあるが、生まれて良かった。
生きていることを実感することをしながら迎えられた。

19時過ぎに制作をやめ、
学芸員さんと食事に行った。
炭火焼の居酒屋さん。
テレビでは、広島カープが逆転勝ちした。
現在、ダントツの首位らしい。
最近のカープ人気、そして優勝が視野に入る状況のせいで、スタジアムの座席はずっと完売状態らしく、
滞在制作中に一度は試合を見に行きたいと思っていたが、どうやらそれはかなわない。
でも、全然良いです。
カープが勝てば、広島の方々の機嫌も良くなる。

明日は閉館日。
広島市街を観光します。
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by syun__kan | 2016-07-31 23:59 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・2日目・空腹と孤独

無事目覚めた、カプセルの中。
わしの故郷の前橋は、養蚕が盛んだったが、
蚕もこんな感じで目覚めただろう。

カプセルホテルに泊まるおじさん達は、いびき以外の声を発しない。
物音を立てないのだ。
それがルールであるかのように、交流というものが全く無い。
おじさんは、孤独を愛しているのだ、たぶん。

おなか減った。
昨日食べなかったメロンパンと、
昨日ショッピングモールで買った野菜ジュース、サンドイッチを、
カプセルホテルのラウンジと呼ばれる細長いスペースでもそもそと食べる。

徒歩で美術館へ。
8時半着。

朝の時点の様子、すなわち昨日終了時の様子はこう。
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右手前がわしの「大人魚姫」、左奥が、今回WSと滞在制作で完成させんとする、「大人魚姫の城」。
左手前と右奥が、
同時参加されている、スサイタカコさんのゾーン。
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真ん中の入り口はわしがあらかじめ作って持ち込んだ。
上の方の塊は、16日のWSで参加者さんたちが作ってくれた塔を乗せている。
カラーのかわいい作品たちは、
17日のWSで参加者さんたちが作ったもの。
骨組みを全部覆って城を完成させるべく、
わしが昨日から奮闘しているというわけです。

ちょうど今日から、美術館の企画展「1945年±5年」が始まるということで、
オープニングセレモニーに参列してみた。
皆フォーマルな中、一人Tシャツ短パンで申し訳なかった。
わしは朝から晩まで、滞在制作でスタジオというスペースに籠りきりなので、なかなか観る機会がないが、
非常に面白そうな展示なので近いうち、隙をついて観たい。
戦中、戦後の過酷な時代に描かれた絵を。

ガムテープの衣装に着替えて、制作開始。
土曜日ということもあり、午前中からお客さんが絶えない。

わしが思うに、美術の制作活動の最大の敵は、空腹と孤独だ。
短期的にも、長期的にも。
(ああ、おなか減ったなー、今日誰とも話してないなー、という一日スパン的にも、
人生スパン的にも、ということ)

そういう意味で、滞在制作は非常に良い、と、今回気づいた。
二大強敵のうちの一つ、孤独を解消してくれる。
お客さんが見守ってくれるし、時々話しかけてくれる。
わしは一瞬の集中力で勝負を決めるタイプの制作スタイルではないので、
話しかけてくださって全く問題ないです。

空腹に関しては、美術館で利用されている仕出し弁当を頼むことにした。
バランスは大事だ。

19時45分に制作終了、
制作中はアドレナリンが出ていて疲れをまったく感じないが、
「さあ、今日はここまで」
と思ったとたんに、疲労がのしかかる。溢れてくる。
終了時の様子はこう。
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少し増えているのが分かってもらえるだろうか。

広島市街は路面電車が市民の足だ。
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猿侯町という駅に向かう、
着いた駅で、ラーメンの夕食。
今日は実は、カプセルホテル泊ではない。
広島カープ人気の影響か、今日明日は満室で取れなかったのだ。
代わりに泊まるのは、ハナホステルという、
外国人観光客の若者や、カープを弾丸的に応援する人のためと思われる、リーズナブルな宿。
ロビーは外国語の張り紙やパンフで溢れていて、
2泊で5000円でおつりが来た。
細長い5階建て、
歩いているのは外国人ばかり。
わしの部屋は5階の一室、
6畳ほどの部屋に二段ベッドが置かれ、4人寝れるようになっている。
館内着はなく、アメニティも有料で、
わしはバスタオルをレンタルしてシャワールームで入浴。
夏とはいえ、3泊目となるとそれなりに洗濯物がたまるもので、
わしは屋上で200円払って洗濯した。
洗濯機の終了を待ちながら、この文を打っている…
ちょっと待って、
今、物干しに洗濯物を干してきた。
わしの背後ではよくわからない言語で話している外人女性二人、
このホステルには、1階にキッチンもある。
5階には、なぞの「カープを応援するための部屋」もある。
同じ格安宿だが、
孤独を愛するカプセルホテルとは大きく違う。
今夜の宿は、要するに、交流を促進している。
国際交流を。
結局わしはどちらが好きなんだろう?
おそらく、やはり、バランスが大事なのだ。

1階のキッチンを、この2泊のうちに、使うことがあるだろうか。
明朝はすぐに出かけてしまうので使わないが、
食材を、明日、買って帰ろうか、どうしようか、
という夜。
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by syun__kan | 2016-07-30 23:17 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・1日目・こむら返り

明け方、強烈なこむら返りで目が覚めた。
しかし、声をあげるわけにはいかない。
ここはカプセルホテルである。
壁一枚隔てた左・右・上・右上・左上には、別のおじさんが寝ている。

水分不足が祟ったか、あるいはこの1×1×2メートルほどの狭い空間が災いしたか。
とはいえ、今回泊まっているカプセルホテルには、ある程度満足している。
新しいので設備が清潔だし、
何よりこのミニマリズム感、ソリッド感が、好きだ。
おじさんが一人泊まるのに、これ以上はそぎ落としようがないであろうという、
そう、何というか、
潔癖というか、現代における禅というか、そんな感じだ。

搬入や7/16~17のワークショップの際もここに泊まったので、
攻略法も大体掴んでいる。
歯ブラシ、櫛等のアメニティは、だいたい揃っているが、紙コップだけがないので、
フロントで「紙コップください」と言うことも忘れない。

この広島で、わしは制作しかやることは無い。
昨夜寝たのは0時過ぎだったが、
今朝は6時45分には、もうホテルを出るしかなくなった。

ホテル近辺には、「松屋」と「なか卯」がある。
WSの際は松屋だったので、今日はなか卯できつねうどんの朝食。
コンビニで昼食も買う、
内訳はメロンパンとベーコンが乗ったパン、レーズンパン、紙パック1リットルのミルクコーヒー。
菓子パンはなぜ「菓子」と呼ばれるのだろう、
まるで「食事」として認められていないみたいだ、
徒歩で、朝の、ひとけのない繁華街を抜け、
大きな通りを歩き、大きな川を越え、
丘を登って、そこは広島市現代美術館、
まだ7時半。

警備の人はわしを認識しているので、
まだ誰も居ない館内に入れる、
ソファでわしは、滞在制作用の衣装をせっせと作る。
今作るんかい!というツッコミを自分で思う。
ガムテープシャツとネクタイ。

試着しているうちに職員さんたちも出勤される、
わしは開館の10時までのラストスパートでガムテープズボンを作る。

開館ぎりぎりで完成し、着用し、10時に制作をスタートさせるが、
伸縮しないガムテズボンでわしの下半身はガチガチに固まってしまい、しゃがむこともできない。
昼休憩時に修正しようと思いながら、
下半身ガチガチのまま「大人魚姫の城」の制作を進める。

11時くらいまで一人くらいしかお客さんがいらっしゃらなかったが、
昼頃には少しずつお見えになり、
中学校の美術部の集団などが来て新聞ガムテ工作を体験してくれたりし、
わしは思い切り制作でき、その様子が見世物にもなるという夢のような時間を過ごした。
本当に、待ちに待ったこの2週間が、1時間、また1時間と減っていくのが、
早くも惜しかった。

17時閉館後、19時半まで制作し、
館を後に。
美術館の裏手にある、スカイウォークという動く歩道に乗ると、
イオンのショッピングモールに着く、
そこの和食レストランに入ってかつ丼を頼み、食べるが、
胃もたれしそうでポットの水をほぼ全部飲んだ。

ショッピングモールは大きく、映画館まであり、
今日封切りの「シン・ゴジラ」に心を動かされたが、
レイトショーすぎて見終わると0時近くなってしまうので今日はやめておいた。
野菜ジュースや30%引きのサンドイッチ、下着のシャツを買って、
適当に出口を出るとあまりよくない口だったようで、
ホテルを探し45分間さまよい歩いた。
やっと到着し、奥さんと電話して、今こうして日記を書いている。
明日もリオオリンピックに出ている選手くらいの集中力で一日を燃やしたい。

ちなみにカメラをホテルに置いて来てしまったので、しまった滞在制作の様子をブログ用に撮影できなかったと思ったのだが、
広島現美さんのツイッターに写真が載っていて助かりました。
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https://twitter.com/HiroshimaMOCA/status/758845819713753088/photo/1
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by syun__kan | 2016-07-29 23:04 | 日記 | Comments(0)

広島滞在制作・前夜

無風と言っていいくらい、普段は反響のないこのブログですが、
一昨日の日記をシェアしてくださった方々、ありがとうございます。

話は変わりまして、
わしは今、恍惚感の中にいる。
終業後、電車を乗り継ぎ、
広島に向かう新幹線「のぞみ」の中。
明日、7月29日から、2週間かけて、
広島市現代美術館において、滞在制作するのだ。
今夜23時頃、広島に着く。
簡易宿泊施設から、朝、美術館に行き、
夜まで、新聞紙を揉み続け、
ガムテープを巻き続け、
夜に簡易宿泊施設に戻って寝る。
という生活を2週間送る。

もし仮に、わしが新聞を揉むことに、
ガムテープを巻くことに、
興味がない人だったらとしたら、
それは限りなく懲役に近い。

しかしわしは、その作業がどうやら天命のひとつに該当するので、
現在の新幹線の中において、
スペシャルな感慨に襲われている、
覆われている。4号車1列A席ごと。

普段は埼玉の県境の住居と東京の職場を往復し、
教員の仕事を全うさせていただき、
家庭では奥さんと丁々発止というか以心伝心というか、
そんな感じで2歳7か月のボリさんを育てる父。
でもそういった「日々」をいったん離脱し、
基本的にわし個人的な独裁の2週間を送っていいよ、という幸せ。
送り出してくれた奥さんとボリさんの度量に感謝申し上げる。

でも、楽しいだけじゃない。遊びじゃない。
2週間で大作を仕上げるというプレッシャー、
そして広島現美の意に添う作品を作れるか、という、これまた超ド級に強烈なプレッシャー、
そして日程のうちの後半5泊、一緒に泊まるはずだったのに、犬の預け先が確保できず来れなくなった奥さん&ボリさんに、
満足いくお土産を持て帰れるか、というプレッシャー。

2週間のうち2日間は、休館日のため、わしはオフになる。
ほっとけばわしは、どこかしらの場所を見つけ、制作を続けるだろう。
泊まるのがカプセルホテルのため、ホテルではできないので、例えばカラオケボックスとか。

そんなわしに対し、
「宮島に行ってきなさい。できれば呉にも。
行けなかった私らの分まで!」
という奥さんからの指令が出ている。
お土産と、広島観光をしたぜという土産話なしでは帰れないのだ。

そんなわしの2週間を、
広島にお越しになれない方々にも鑑賞していただきたいので、
というかわしの不安をおすそ分けしたいので、
これから2週間、毎日日記を更新します。
客観的にも、面白い状況だと思うし。
制作の進行状況の写真を交えて。
計画がうまく完遂するか、
ぜひ毎日見に来るように!
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by syun__kan | 2016-07-28 21:05 | 日記 | Comments(0)