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今年観賞した作品

貧乏暇なしを地で行っており、
物事の理解がゆっくりなため、
わしは芸術家を名乗っている割に、
日頃から観賞する作品の数は少ない。

それでもこの年の瀬になり、一年を振り返って見れば、
いくつかの印象的な作品との出会いがあるものだ。
今年印象的だった作品5つ!

1.「グッバイ艶」/南川泰三
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作者が、亡き妻との半生を描いたノンフィクションとのことで、
新聞広告を見て気になり、7月に西友の書店で購入。

後腐れの無い男女の関係を描いた作品ってある。
村上春樹とか。
読者には、そういう後腐れの無い男女の関係に憧れる、
若いアンチャンとかもいるのだろう。

しかしこの作品の主人公と「艶」は、徹底的に後腐れる!!
というか後腐れそのものが、この作品のメインストーリーだ。
「艶」はアルコール中毒で、散財がひどく、破滅的な人生を送り、
主人公はブン回され、それでも最後まで付き合い、きる。
病んだ彼女と付き合いながら浮気なんぞしおる、ノルウェイの森の主人公には、とうていできない生き方ではないか?
わしは断然、「グッバイ艶」に共感する。
人はみんな、オリジナルラブを貫けばいいという、勇気をもらったよ。

2.「ドロヘドロ 1~16」/林田球
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秋頃、奥さんに勧められて読んだ。ら、はまった。
作品中で、魔法使いは、修行すると悪魔になれるんだけど、
悪魔になりかけると、初期症状として
・突然の暴力的な行動
・歯に布着せぬ物言い
・高速の動き
・ポジティブ
・そしてクリエイティブ
という特徴が現れる。

そして悪魔は、歌った後に
「いつでも陽気に笑っていろ」
というメッセージを残したりする。
どんなときでも笑っているやつが、一番恐ろしいやつだ、という意味らしい。

突然の暴力的な行動は困るが、それ以外の面で、悪魔の考え方はけっこう自己啓発的である。
ドロヘドロを読んだ時期、わしは仕事でなかなかにストレスフルだったので、
「悪魔になろう!」と思い、
そのつもりで生活していた。
出だしほどではないが、現在でも、ちょっとその気分は残っている。

いつでも陽気に笑っていろ。

語感は軽いけど、確かにこれはなかなか凄いことで、それなりに腹の据わったことで、周りにとってはけっこう恐ろしいことであり、なかなかできないことだ。
でもこういう人って、たまーにいるよね。
わしもそうありたいのである。

3.「エチケット(パープルジャケット)」/岡村靖幸
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服役から復帰した40代半ばの歌手が、手始めに出したアルバム。
8月末に購入。

新曲ではなく、ベスト盤でもなく、「リアレンジアルバム」とのこと。
昔の曲を、もう一回演奏し直し、歌い直したんだって。

ようするに、ナスとかピーマンといった「食材」と使って天ぷらという「料理」を作ったのではなく、
冷蔵庫にあった天ぷらという「料理」を「材料」とし、新たに天ぷら煮のような「料理」に仕立て直した、という感じか。
新鮮味はないけど、味は染みてる。みたいな。

ピンクジャケットとパープルジャケットの2種類があり、
とにかくこの「パープル」は、面白すぎ!
9月から12月の4ヶ月間、通勤中に毎日聴いていた。

とにかく、いろんな、ものの作り方があるということを学んだよ。

4.「IMMORTAL デラックス・エディション」/マイケル・ジャクソン
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これとは別に、この間、Tシャツを買った。
新宿東口を出て、アルタの左、西口方面に向かう小さなガード下をくぐり、
すぐ右手にある、いかがわしいサングラス屋や、いかがわしいペット屋の並びにある、
いかがわしいTシャツ屋で買った。
ここでは、一年中、いかがわしい黒Tシャツを売っている。
ローリングストーンズのベロとか、WWEのプロレスラーとか。
そういうラインナップに、もれなくマイケルも、含まれてる。
そう、マイケルとは、こういう存在だった。
B級グルメだったのだ。亡くなるまでは。

亡くなってから、妙に一般的になってしまった。
韓流みたいに。世の中でちやほやされて。

それも悪くないけど、わしはいかがわしさのあるマイケルの方が好きだったな。
マイケル・ジャクソンを好きであることは、
小学生が雨の中、傘をさしながら、道で拾った小鳥を抱いて歩くときの、腕に感じる暖かみに似ていた。

この「IMMORTAL」は、マイケルが一般的になった後にいろいろ出たサムシングの中では、悪くない方だ。
マイケルの40年のキャリアを、2枚のCDに凝縮した感じで、
ただでさえ濃いめのマイケルワールドが、さらに特濃状態で、
聴き通すとかなり食い応えがある。
わしはタイトルを「胃もたれ」と読むことにした。

5.「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」
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知人がこのアニメを絶賛していたので、見たくなった。
といっても、うちにはテレビが無い。
どうすればいいんだ?ドラえも~ん!

すると、「なんだいのび太くん」とばかりに出てきてくれるのが、奥さん。
すぐに、ああだこうだして、見れるようにしてくれた。

面白かったのか、どうだったのか、
何しろジブリ以外のアニメなんて20年ぶりくらいに見るから、
比較対象が無くてよくわからないのだけど、
ポケモンとかうまい棒とか、わしらが小さいころに味わった文化が、
「こんなのあったよね~」と、共有して懐かしむようなものとして登場していて、印象的だった。
わしらの世代も、もう作品を通して昔を懐かしんで良くなったんだ、みたいな。
とにかく、「あの花」観賞は新鮮な体験だったよ。

来年も良い作品に出会えますように!ていうか作れますように!
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by syun__kan | 2011-12-24 23:48 | 日記 | Comments(2)

今日はおっさん祭りです

「あなたはおっさんばっかり見ている」
と奥さんに言われることがある。
確かにわしは中年男性が好きである。

「中年男性」と聞いて、
あなたはおなかの出た薄毛でメガネでスラックスに頑迷なおしりを浮き上がらせて白いワイシャツにランニングシャツが透けて何だか幅の広いネクタイをした人物像を思い浮かべてしまうかもしれないけど、

ちがう。
そういうんじゃないんだ。
わしの好きな中年男性はそういうんじゃない。

例えば、わしはこの間小学校に授業しに行った。
かわいかったよー、一年生は。
教室には、将来営業職に就く人も、花火師になる人も、整備士になる人も、劇団員になる人も、ニートになる人も、刀鍛冶になる人も、暴力団になる人も、公務員になる人も、農業をやる人も、
皆いっしょくたに集められている。
いろんな種類の可能性を持った人たちなんだけど、
小学一年生の時点であれば、人間は、ほぼ全員かわいく、魅力的で、個人差はあんまりない。

でーもー、歳をとって、人たちは世の中に散開して行きます。
人それぞれ、パーソナリティーが千差万別になってくる。
いろんな状態の人間になる。

ちなみに、さらに歳をとって老人になれば、またあんまり個人差はなくなる(というイメージを持っている)。

その、一番色んな状態になってるのが、おっさん。
先述の通り、おなかの出たワイシャツに幅広ネクタイのおっさんもいれば、
美しいおっさんもいる。
わしも将来、間違いなくおっさんになるので、どんなおっさんになろうか、
それこそ真剣に、思案しなくてはいけない。
わしはこれから、女性にはならないので、
美しい女性を見ることはやぶさかではないが、
人生の参考にはならないのである。
確かに永作博美は好きだけども。

だから、世の中のおっさんに、目を光らせて、
美しいおっさんを探しているんだ。
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柴田恭兵はもっともわかりやすく、美しいおっさん。
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武藤敬司(左)と蝶野正洋(右)は、
男が憧れる男として幼いころから刷り込まれている。
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若いころの武藤さん。
30歳前後で、まだ「おっさん」とは言えない時期かもしれないが。
このころ、わしは小学生で、
武藤さんは土曜四時のテレビ朝日の画面で、
188センチ110キロの腰の締まった肉体をムーンサルトで躍動させていた。
それは考えられないくらいセクシーな出来事だったよ。
こういう健康的なカッコ良さを見て育ったから、
煙草のケムリ的な不健康なカッコ良さ気持ち向かわなかったのかもしれない。
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また傾向が違うけど、
フレッド・アステアも歳をとってからの光りかたが凄い方。
こういうおっさんになりたいなあ。
ああ、無理。
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そして横綱は、坂本龍一。
こんな色男は、もう日本にいないんじゃないか。

ちなみに武藤さん以外は敬称略で紹介させていただいた。
美しいおっさんは、呼び捨てにしたくなる。
武藤さんだけは「さん付け」したくなる。
パーソナリティーとは不思議だ。

とにかく、この日記を書いている間、美しいおっさんのことを考え続けて、幸せだった。
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by syun__kan | 2011-12-18 11:08 | 日記 | Comments(0)

堂々肌荒れ

どんなポジティヴィストでも、
プラスに捉えられないものってある。
わしはそれを知っている。

ニキビである。

わしの肌は、時折断固として荒れる。
おでこはバトルフィールドとなる。

中学生の時に、荒れ始めた。
医者に行くと、洗顔フォームと化粧水と保湿クリームと塗り薬を買わされ、
朝夜顔洗って塗ることを命じられ、
「まあ、二十歳になれば治るから」
と言われた。

当然、洗顔フォームと化粧水と保湿クリームと塗り薬使って洗ったり叩いたり塗ったりしたところで、治らないんだよ。
そんなものには、わしのおでこの宿命を左右する力など、これっぽっちも持っていない。

わしのニキビは、「出るときは出る。以上!」という、決然さがある。

今年の夏ごろ、わしの洗顔フォームが使い切ってなくなって、ようやく気付いた。

「なぜ、顔だけ、普通のせっけんで洗わないのだ?
540円くらい出して、顔用の泡を買わなきゃならんのだ?
おんなじ肌じゃないか!
わしのおでこは、荒れるときは荒れる。荒れないときは荒れない。
そんなのよくわかってるじゃないか!」

ということで、顔も普通のせっけんで洗うようになった。
洗顔フォームで洗っていた時と、状況はこれっぽっちも変わらない。
荒れるときは荒れるし、わりと平穏なときもある。

中学生のころから、ずっと同じだ。
医者よ、なんの根拠があって、「二十歳になったら治る」と言ったのか?

ただ一つ、変わったことがある。
気にならなくなったことだ。
出るんだニキビは。うん。
最近平日はストレスが原因なのか、あまりおなかが動かない。
そのかわり休日に胃腸ははしゃぐ。
そしておでこはいじましく悶える。
人生を反映するなら、これがわしの、デコである。
荒れればいい。
跡を残してゆけ。
これがわしの人生だ。
わしなりのテクスチャーになればいい。
ナンバーワンにならなくてもいい。
もともと特別な、オンリーワンのデコ。

だからわしは、ニキビをプラスに捉えることはできないが、
「まあどうでもいいや」と平然としていられるようになった。
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by syun__kan | 2011-12-11 23:15 | 日記 | Comments(0)

前進するUFOの前後する話

UFOが飛んでいます。
夜です。
森の上を飛んでいます。
森は黒いシルエット。
空は…暗い暗い青みどり。

サーーッと、飛んでいくわけですね。

そのうち、海に出ます。
海の上を、サーーッと飛んでいきます。

イルカの群れが見えます。
クジラの背中も見えます。
灯台。
貨物船。

UFOは、円盤型です。
おわんを、逆さまにしたような形。
底面は、平らになっていて、
丸い、球を、こう、スライスした形、
そう、目玉焼きの黄身みたいな…
丸い型に入れて焼いた目玉焼きみたいな…
いわば月見バーガーの目玉焼きみたいな。
丸い形が、三つ。出ている。
月見バーガーから、目玉焼きを取り出して、
それが三つ目の目玉焼きで、
それを、裏返したみたいな形だよ。要するに。
それが底面。
それで、上は、さっきも言ったように、おわんの逆さま。
おわんが、こう、丘になっていますね。
すごく低い円錐と言えば良いのか…
わかるよね?
その、平らな円錐の、てっぺんが、こう、平らな平らな円筒になってるじゃない。
おわんがいつもテーブルと接している部分だよ。
わかります?
ああ、それでそのUFOの場合は、おわんが逆さまなわけです。
なので、その平らな円筒が、UFOのてっぺんにあたるわけです。
でもそれは円筒のままではなくて、一番上は、丸くなってる。
液体ムヒのように、こんもりと丸くなっている。
そしてここからは、独特なんだけど、
その丸みのてっぺんが、ひっつめになってる。
そう、ひっつめ。
ラーメンマンみたいな。

そういう形状のUFOが、後ろ髪をなびかせて、サーーッと飛んでいるわけです。

やがて夜明けが近付いてきました。
街が見えてきました。

街では、たけしが起きだしました。
4時です。
テレビをつけると、めざにゅーをやっています。
「おはようの方も、これからお休みの方も、おはようございます、杉崎美香です」
たけしは新聞奨学生です。
窓を開けました。外はまだ暗い。

そのとき、UFOにも変化がありました。
底面が取れ、地面に落ちていきます。
底面はだんだんしぼんで小さくなり…

たけしの家の窓に飛び込む頃には、三つ目の目玉焼きになりました。

たけしが机に目をやると、三つ目の目玉焼きが皿に載っています。
「あれ?おれ、目玉焼き作ったっけ」
と、ちょっと疑問に思ったけど、食べました。

そして自転車で新聞配達に出かけました。
夜が明ける。

かたや、底面は取れ、平らな円錐は縮んでなくなり、
残された、空を飛ぶひっつめ。

それは、ひっつめの帽子になった。
朝日に向かって、自転車で走る、たけしの頭に被さりました。

たけしは「ニイハオ」と言いました。

なぜこのように、「ニイハオ」みたいに気の利いたことを言えたかというと、
たけしは目玉焼きを食べたときから、予期していたのです。
ひっつめの帽子が降ってくることを…

だからようするに、わしは偶然性の力を信じているのです。
わしは凡人です。どう、じっくり考えこんでも、人の想像を超えるものは出てこない。
だからいつも、偶然性とか、即興性に頼って、立体作品を制作します。
計画性もなく、ふらっと作り始め、その過程で起こる偶然とかひらめきをどんどん取り入れて作る。
そうすると、誰も考え付かないような、日常から跳躍した形ができたりする。

だからこうやって、ふらっと物語を語り始めたりすることもあります。
何か凄く面白い話になるのではないかとどこかで期待しながら。
昨夜も奥さんに向かって、UFOの話を語り始めた。
でも、着地しなかった。うまくいかなかった。
どこか、肩に力が入っていたのかもしれない。
無意識をうまく付き合えなかった。

そういうこともある。
ということで。
バイバイたけし。
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by syun__kan | 2011-12-04 20:36 | 日記 | Comments(0)