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喘息神

1週間前の土曜日は寝込んだ。
高熱ではないが、発熱したのだ。
心身ともにやられていた。

日曜になると熱はすぐに下がったが、声が枯れた。
月曜から仕事に行くと、否応なしに一日しゃべり倒す。
さらにガラガラになっていく声。
加えて、こないだきんぴらごぼうを食べているときに噛んでしまった唇が口内炎になり、食事するのがおっくうに。

そして、あまり眠れない日が出てきた。
これはインソムニア、不眠症というやつか。
うまくいかない内容の夢を見続け、夜中に目覚めてぼやぼやしていると朝に。

歯を磨くと、歯茎が変な感じがした。痛いというか…。
歯周病というやつだろうか?

口内炎は、三つの小さなものが合体し、大きな一つになろうとしていた。

加えて虫歯が痛い。
わしは「歯並びだけは自信がある」と自認する美しい歯列の持ち主であるが、
ちょっと前に、歯が痛くなり、5年ぶりくらいに歯医者に行くハメになっている。
まだ治っていない。

声枯れは火曜あたりが最悪で、少しずつ回復した。
職場で朝歌う、「気球に乗ってどこまでも」も、
最後の「ららら~ららら~ららら~ら~ら~」が墜落寸前でバーナーの火が消えかかっていたが、
徐々に高度を上げた。
しかし夜中に、咳が出るようになる。

わしは小児喘息もちだった。
「中度」と呼ばれるレベルで、しょっちゅう咳が止まらなくなった。
肺に息がなくなるまで咳をし続けて顔の毛細血管が切れてくまになったりとか。
ほこりや煙、運動で息を切らしたりすると誘発された。

現在、夜中に咳が出るようになって、それを思い出した。

小学校卒業時までにほぼ治ってしまったので、現在は「そんなこともあったなあ」という感じだが、
病院で吸入したり、気分転換のため父が深夜に近所をドライブしてくれたことなどの風景は、覚えている。
物心付いた頃からそこにあるものだったので、順応していたというか、
あたりまえすぎてつらいと思ったことは全くない。

むしろ感謝しかない。
幼い頃から咳をしまくったおかげで、わしの腹筋はバキバキに割れたのである。
腹筋運動とか全然してないのにシックスパックだ。
多少衰えたが、今でも割れている。

それに、多少の不条理に対し、なんとも思わない耐性が付いた。
喘息もちだとしょっちゅう病院行かなきゃならないし、花火持っちゃダメだとか、制約も多い。
遊び中だろうと深夜だろと、強制腹筋集中筋トレにさらされる。
そういうのに慣れることで、強くなった。

これは小林よしのりさんが漫画で描いていた理屈と同じだ。
小児喘息を患っていた者には、喘息の守り神が付くのだ。

現在のわしも、夜中に咳が止まらなくなるにつれ、ついに腹筋が筋肉痛になった。
これでわしはようやく勢いづいた。
大丈夫、わしには喘息の守り神が付いている。
これくらいのことでへこたれていては、守り神に対して、小児喘息にかかっていた幼少期のわしに対して、失礼である。

週末には声もだいぶ回復し、歯茎の変な感じもなくなった。
なぜか突然訪れた停滞期も、これで終わりだ。あとは上がるだけである。

そしたら不意にずきーんと頭痛がしてきた。
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by syun__kan | 2014-04-27 03:04 | 日記 | Comments(0)

ハッピーバースデー

わしが誕生日を記憶しているのは、
自分と奥さんとボリさんと両親と妹とマイケル・ジャクソンと三宅感と戸坂明日香だけだ。
そして今日は親友、三宅感君の誕生日だ。
おめでとう。
学生時代、彼に、

「松屋とか吉野家の、安い牛丼って素晴らしいよね。
世の中で3番目くらいに素晴らしいよね」

と言ったら、

「ほんとだよね!
一番は人生、二番は音楽で、
3番目くらいだね!」

と言って即答で同意してくれた。
たぶんその辺りのランキングは多少、お互いにあの頃と変動しただろうけど、
変わらない愛をあなたに送るよ。

日々、日々、労働と対価の繰り返しは、そんなに悪くは無いんだけど、
合理化合理化のことばかり考えていると、
ときどき味気なくなって心がパサパサすることもあり、
そんなときに、ああまたあの人はどこかで変なもの作っているんだろうな、と思い浮かべるだけで、
世の中が立体的に思えて、心がジューシーになる。
それこそ世の中におけるアートの役割だと思う、し、
三宅感さんはその申し子であると確信している。
そのジューシーさがさらにたくさん世の中に振りまかれることを祈って!
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by syun__kan | 2014-04-21 21:40 | 日記 | Comments(0)

鼻水

昔わしは、拒否反応が起こると、鼻水が出る性質があった。
思い出すのは中学生の頃、
定期テストを受けると、その試験時間内だけ、ドドドーと、鼻水が出た。
体がテストを拒否していた。
不思議と、チャイムが鳴って試験終了となると、鼻水は止まるのである。
思春期だったので、自分がなぜこのような学習をしなければいけないのか、全然納得がいかなかったのだろう。
でも、テストを受けずにはいられないという状況、へのストレス。
文字通りのハナタレ小僧。

同じ反応が、8年前の新職員研修で起きたことがある。
今の職場に初めて出勤し、同期たちと一緒に校長、教頭の話を聞いたとき、
とめどなく鼻水が出た。

一生懸命受験し、望んで就職した職場であることは間違いなかったが、
やはり、学生と言われる立場から、社会の荒波に押し出される瞬間のストレスというのは、
気づかぬうちに体に宿っていたのだろう。
親指で鼻の穴を押さえるのが大変だった。

などと、書いている今、日曜日の午前中も、わしは若干鼻水が出ている。
手もプルプル震えている。
何だか知らないけど口内炎ができて、痛い。
ここ一週間くらい、ちょっと疲れが溜まっていた。
新年度の職場は、それなりの大変さがある。
おととい金曜日、家に帰ってきてから、36.9度の微熱が出た。
昨日の土曜日は、痰を風呂場でげーげー吐いた。そして一日寝込んでいた。
今日はだいぶスッキリしたが、鼻水が少し出る。

わしは、平日は体調を崩さない。
平日に熱を出さず、寝込まず、
土日にまとめて体調を崩すことが、いつの間にかできるようになっている。
仕事を休みたくないのである。
これは意地と責任感とこだわり行動がミックスされたような感覚だ。
仕事は楽ではない。
いつも懸命に努力している。うまくいくときもあれば、行かないときもある。
感謝されることもあれば、お叱りを受けることもある。
自分の未熟さを痛感し、自分を責めることもあるが、
わしは負けず嫌いである。
いや、よくあるスポーツ系の人のように、じゃんけん一つとっても何が何でも負けたくないという訳ではない。
どうでもいい勝負は全然負けてよい。
ただ、自分が一生懸命やっていることに関しては、負けたくない。
定期テストとは違う。

だから今、休日限定で流している鼻水は、誇りである。
明日からはまたわしは、鼻水を流さずに職場に立つ。
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by syun__kan | 2014-04-20 11:00 | 日記 | Comments(0)

トッピング

よく言われることかもしれないが…赤ちゃんは、いいにおいがする。
わしはいつも、家に帰ると生後4ヶ月のボリさんのにおいをかぐ。
犬ほどではないが、人間もにおいによってかなりコミュニケーションをしていると思う。
ボリさんはバタークッキーのにおいがする。
それをかぐとわしは安らぐ。
人と人の相性というのは、においもかなりの部分を占めているのではないか。

しかし、一日都内に外出して帰ってきた昨日、ボリさんの頭のにおいをかぐと、
酒まんじゅうのにおいがした。
奥さんに渡して確認してもらうと、やはり「甘酒っぽい」という意見。
終日の外出により、何かが発酵したのか。
バタークッキーじゃなかった。

ふと、自分のにおいが気になった。
小学校3年生の夏休みの工作の宿題で、新聞紙にガムテープを巻いてステゴサウルスを作って以来、
いつになっても宿題が終わらないような人生を過ごしている関口君も、
もう30歳。
ひょっとして、加齢に伴う変化が出ていたりして?
ちなみにわしのにおいは、奥さんいわく「パン」だった。
学生のころから、頭をかがれると「こうばしい。パン臭がする」と言われていた。
そういえば最近かいでもらっていない。今どうなっているだろう?
久々に、頭のにおいを奥さんにかいでもらった。

「ピザだね」

ここ数年で何らかのトッピングがされていたようだ。
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by syun__kan | 2014-04-13 21:48 | 日記 | Comments(0)

悲鳴

カフェオレが飲みたかった。
この間、職場で。
スティックタイプのカフェオレの素の、封を切って、
カップにサラーッと入れる。
そしてポットでお湯を入れる。
その時、カフェオレのスティックの切れ端が、カップの中に落ちてしまった。
ベージュ色のカフェオレ液に紛れて見えなくなる切れ端。
まあいいや、つまみ出すのもめんどくさいし、誤って飲むこともないであろう。
そのままスプーンでかき回した。

職場は入学式前で、子どもたちはまだいない。
わしはベランダに座って、グランドを見ながらカフェオレを飲み、持参したパンの昼食を食べる。

しばらくすると、ブンと、アブ的な虫が飛んできて、わしのすぐ目の前、
前日の雨によってできていた、ベランダの水たまりにビャッ、と入った。
そしてアワワワ、ヤベヤベヤベ、という感じでもがいている。
水たまりは、彼がぎりぎり足が着かないくらいの深さであるようだ。

わしは一瞬、助けようかと思い、でもめんどくさくて、そのまま座り続ける。
そして子どもの頃に自分に思いを馳せる、
小学校時代のわしなら、絶対助けただろう。
わしは心優しい子だった。
両親の教育の影響か?
生き物地球紀行を見ていたからか?
幼稚園がキリスト教系だったからか?
手塚治虫のブッダを熟読していたからか?
無駄な殺生が嫌いだった。
道に這っているいもむしとか、危ないからなるべく木にとまらせたりした。
蚊とかも、なるべく叩かないよう、追い払ったりしていた時期もあった。
しかし今のわしはどうだろう。
座ってパンを食べ続けている。
どういうことだ?
優しくなくなったのか?
それとも歳をとってきて体が重くなったのか?
感性が鈍ったのか?
このままだとアブ的な虫はおぼれてしまうかもしれない。
アブは今、苦しいのだろうか?
ああいう、昆虫の様な生き物は、苦しさを感じるのだろうか…

そう考えながら、
カフェオレを飲んでいると、
カップの底の方に、
すっかり忘れていた、
切れ端が、
プカッと浮き上がってきて、
一瞬アブ的な虫かと思って、
いや、そんなはずは無いのだけれども、
水たまりでおぼれているアブ的な虫に思いを馳せていたので、
脳内イメージがリンクしてしまって、
アブ的な虫かと瞬間的に勘違いして、
わしは、

「どわっ!!!」

と、
悲鳴を上げた。

ふと見ると、アブ的な虫は、
水面を泳ぎ、ベランダの柵につながる壁にたどり着いて、壁を登って自分で助かっていた。
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by syun__kan | 2014-04-07 22:42 | 日記 | Comments(0)

入学式

母校、多摩美術大学では、今日入学式が行われた。
どうして知っているかというと、卒業生代表として、入学式で挨拶をすることを、数ヶ月前、打診されたからだ。

多摩美といえば、ゴッドファーザー・三宅一生氏をはじめ、ものすごいメンバーを卒業生として輩出している。
わしがそれを「代表」することなどできない。
まあ、わしは以前「出前アート大学」などの企画で校友会の方と繋がりがあったので、
今回は声をかけていただいたのだろう。何はともあれ光栄なことだ。

しかし今日わしは、自分の職場で仕事であった。
わしの職場も来週入学式を控えている。準備をしなくてはならない。
なので打診は申し訳ないがお断りさせていただいた。
わしなんかより、もっとふさわしい方が、今日挨拶されたはずである。

わしはかわりに、ここに、ひそやかに、今日多摩美に入学する方々に思いを馳せ、挨拶を書く。

新入生の皆様、おめでとうございます。

多摩美では、より多くお金を稼ぐためのメソッドや、会社でうまくやっていくためのメソッドや、より良い配偶者を得るためのメソッドなどは、
あまり教えてもらえないかもしれません。
まあ、個別に教授に押しかけて尋ねたりすれば、ひょっとしたら秘密で教えてもらえるかもしれないけど、
基本的には、普通に学習に参加してる分には、あんまり教えてもらえない気がします。

しかしそのかわり、必ず、卒業後のあなたを一生支え続ける、人生観、哲学を身に付けることはできると思います。
今から少しややこしい話をします。
美術とは、「美」の術です。
それはつまり、お金とかに人生を左右されるのではなく、美しいか否か、ということによって、生き方を決めていくことの哲学だと思います。
人生の岐路に立ったとき、またはもっと小さな選択を迫られた場合にも、
どういう風に舵を取れば、美しいか。
ということで判断できる。
そういう価値観を持つことができるんじゃないかな、と思います。

そんなの意味無いじゃん、と言う人はいるかもしれませんが、
でも私は、本当の意味で美術ができる、美術の哲学を持っているということは、
すごく強いことなんじゃないかなと思います。

例えば私は、お金を全て失って、キャプテン・クックのように住所不定無職になってしまったとしても、
…これは例えばですよ?
多摩美にいると住所不定無職になってしまうということではありません。例えばです。
住所不定無職になってしまったとしても、絵を描いて作品を作ったりすることで、満足できるでしょう。
その辺に落ちている木や石なんかを使って、彫刻を作ったりして、
おなかは依然として減っているけれども、何らかの喜びは得ることができるでしょう。

もし美術の能力がなければ、お金を全て失った時点で、絶望しかないでしょう。
でも私たちは、けして絶望することは無いのです。
美術の持つ力って、そういう面があるんじゃないかなと思います。
私は4年間で、それを身に付けました。
お金を稼ぐことには直接役立ってないけど、多摩美のおかげで私は一生絶望しないでしょう。

まあ、美術は解釈が多様で、私がいま話した美術の解釈も、無数の中のワンオブゼムです。
でも、何かしら、卒業後の一生を支えるような哲学を、この4年間でぜひ身に付けてもらいたいと思います。
答えはそれぞれで良いのだけど、努力すれば何かしらの大切な哲学を得ることができる、
そういう教育力を、この学校は必ず持っていると確信しています。
がんばってくださいね。
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by syun__kan | 2014-04-04 23:10 | 日記 | Comments(0)