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よく知らないこと
よく知らないことについては、意見を持たない。

これはわしのモットーである。
何かが起きたときに、当事者は意見を持つし、
それについてかなり詳しい人も、意見を持つのが自然だ。
しかしだ、わしにとって、おおかたのニュースは自分に直接関係なく、
新聞やインターネット、テレビで見た情報だけでは、出来事の背景や登場人物の思惑がわからないので、
「意見」を形成するには、到底足りない。
だからわしは時事的な話題については基本的に日記を書かない。

よく知らないことについて、断片的な情報だけでいろいろ意見を言う人がたくさんいて、
余計にこんがらがる、という状況も、世の中ではある気がする。

それに意見は、表出すると力を持つ・・・
何気ない意見でも、当事者やかなり詳しい人はそれを聞いたときには、ちゃんと情操を揺さぶられる。
それを思うと、ニュースに対する意見というのは、わしは軽々しく言えない。

とすると、たとえば今年のニュースでわしが意見を持てるのは、
プリンス氏の死去くらいであろう。
プリンスが生前発表した曲のほとんどは、わしのアイポッドに入っている。
先日土曜は、立川の映画館での、追悼企画に行ってきた。
「サイン・オブ・ザ・タイムス」というライブフィルムを、スタンディング・歓声アリで上映してくれるのだ。
上映前の劇場内は、プリンスのイメージカラーである紫の照明が付き、代表曲の「パープルレイン」が流れ、
画面には「Rest In Purple」。
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普段、身の回りにプリンスファンなんて全然いなかったので、
周り中プリンスファン、プリンス愛に溢れた空間にいるだけでかなり幸せだった。
ライブの最後の曲「The Cross」で、
プリンスは照明を使って舞台に「God Loves Peace」を意味する記号を映し出した。
アーティストはいつも、平和の素晴らしさを口ずさむ。
プリンスはMTVで史上初めてプロモーションヴィデオが放送された黒人アーティストである。

この企画は、映画館のあるスタッフさんがプリンスファンで、実現したものだそうで、
上映前にはこの方の挨拶があった。
わしと同い年くらいかな?30歳前後の男性で、
集まった満員の席からは「ありがとう」というニュアンスの拍手が送られた。
自分の思いを仕事に反映し、多くの方に感謝される。
素晴らしいことだ。こういうのを活躍という。

わしも活躍しなくてはならない。
夏には広島市現代美術館で、展示とワークショップを行う。
その内容の詳細については、まだ相変わらずシンキングタイムだが・・・。

ところで、立川の上映会の前日には、
71年前に原爆が投下され、黒い雨が降った広島に、
アメリカ初の黒人大統領であるオバマさんが訪れ、
献花し、被爆者の方と抱擁するという、ニュースがあった。
そんな歴史的な出来事があった年に、同じ広島市エリアで展示・ワークショップを行うのも、
まあ、ただの偶然なのだけど、勝手に縁を感じている。
(恩人である三宅一生さんも、広島出身だ)

原爆について、平和について、わしは当事者ではない、と思いきや当事者である。
こういった問題に限っては、「関係の無い人は黙っていて」とはならないのだろう。
「みんな集まって!考えて!当事者なんだから!」という空気の方が強いだろう。
わしはやはり、よく知らないので、意見を言えるだけのものは持ち合わせていないけど、
展示やワークショップを通し、印象を口ずさむくらいはできるかもしれない。
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by syun__kan | 2016-05-30 22:23 | 日記 | Comments(0)
多摩センター再訪
この間、池袋のブックオフで買った文庫本に、レシートが挟まっていた。
「2009年 啓文堂書店 多摩センター店」
とのことで、
お前は多摩センターで買われたのか。

多摩センター、わしは学生時代バイトしていたぞ。
2005年から2年間くらいだから、被ってはいないけど。
購入者とはすれ違っていないけど。

長嶋有による「夕子ちゃんの近道」という小説の文庫本、
読み進めると、またレシートが。
「2009年 ウェンディ―ズ 多摩センター店」
もうだめだ。
郷愁が止まらない。
ロマンスが有り余る。
銀色の包み紙、四角いビーフパテ、
ほんのり甘いバンズ、
裏メニューの小倉バーガー。
青春の味、就活の味、ウェンディ―ズハンバーガー!

多摩センター駅は、京王線と小田急線と多摩モノレールが乗り入れる。
京王、小田急の南口を出ると、レンガの大通りがあって、まっすぐ行って、
左に曲がると何やら華やかな、
生活感のない商店街、多摩ニュータウンらしい独特の雰囲気。
それを抜けると正面に見えてくる、くすんだ虹とお城のような構造物を有する巨大な箱、
その名もサンリオ・ピューロランド。

右手に見えます、ニキ・ド・サンファルの彫刻を何故かたくさん従えた超高層ビルが、
天下のベネッセ・コーポレーション。
これが本館的な建物で、道を挟んだ左側のやや低いビル、これもベネッセ・コーポレーション。
そこの3階だったか4階だったかで、
わしは進研ゼミを作る現場の、雑用バイトをしていたのだった。
当時彫刻科の同期の、三宅君や山崎さんもネ。

いろいろなことがあったぜ。
早稲田とか美大以外の人と知り合ったりさ、
一流企業戦士の物腰の洗練具合にびびったり、
イラストレーターさんの駅まで原稿取りに行ったり、
本館最上階の展望台から下を見下ろして無数に広がる集合住宅を見て、
「人間ってウィルスみたいなもんだな…」
と思ったりね。
今の職場に送るための書類を揃えたのも多摩センターのたしかサブウェイ。

そんな、多摩センターにちょっとだけ思いを馳せた昨今、
たまたま、家族でピューロランドに行くことになった。

手前の生活感のない商店街でお使いすることはあっても、
ディッパーダンでクレープ食べることはあっても、
ウェンディ―ズでチリポテト食べることはあっても、
ベネッセ本館に書類届けに行くことはあっても、
決して足を踏み入れることのなかった、その奥、
サンリオ・ピューロランドへ!

学生時代、あのお城付きの巨大な箱だけは、なんとなく霞がかかっていた。
近づけなかった。
近づいちゃいけない気がした。
何ていうか、サンリオおよびキティが非常に高いポピュラリティを誇るコンテンツだけに、
それが「一般社会」の象徴のような気がして。
自分の中にキティがいなくて。
関口の世界観とサンリオの世界観が少しも被らなくて。

でももう、わしは行ける。
抵抗感など、さっぱらこっちゃ消え失せた。
学校で働いて10年目、妻子持ち32歳。
ウィルスばりに増殖したってことだ。
頭に白い猫の一匹や二匹、余裕で存在している。
心がリンゴ3個分広くなった。
10年ぶりの多摩センター、
行きたい、ボリさん(2歳5か月)に見せたい、
自分も見たい、サンリオ・ピューロランド!

密閉された濃密なkawaii空間で繰り広げられるプロダンサーたちの今この瞬間を生きる!といった感じのエンターテイメント、
すっごく面白かったよ。
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by syun__kan | 2016-05-23 22:43 | 日記 | Comments(0)
土粘土を砕く
3年に一度、100キロ以上の大量の土粘土で、
5時間ぐらいかけて遊ぶ単元をするのですが、
今回は、新しく購入する粘土に加え、
3年前に使い、乾燥してカチカチになったまま保管していた粘土も、
砕いて水に浸し、柔らかくして使うことにしました。

中学部2・3年生が、今日、固くなった粘土を砕きました。
木槌でひたすらガンガンガンガン…
1時間叩き続けました。
ある意味破壊的な活動を、授業で「さあどうぞ」と行うのも珍しいことです。
みんなよくやっていました。
細かくなった粘土が美術室中に飛び散り、
細かくなりすぎた土は土ぼこりとなって床をすべて真っ白にしました。

その後、細かくなった粘土を大きな容器に入れ、
水を入れて浸しました。
乾燥した粘土が水を吸う、シュワシュワした音が聞こえました。
来週、どうなっているでしょうか。

その後の片付けは、非常に大変でした。
飛び散った粘土をほうきで集めて捨て、
真っ白の床を全員で雑巾掛けしました。
時間内にすべて終わらなかったので、放課後関口が仕上げしました。

片付けをしていたら、急に感慨深くなりました。

木槌で粘土を砕くことは、粘土で遊ぶための準備です。
この準備の大変さ。片付けの大変さ。
これこそ、彫刻の醍醐味ではなかったかと。

関口は多摩美術大学彫刻科の学生でした。
そこでは、石を彫る学生は、関ケ原にある採石場まで、石を買いに行きました。
トン単位の石を、フォークリフトで、頑丈なトラックに積んで帰るのです。
帰って来て下ろす時も大仕事です。
また、知り合いの木彫の学生は、卒業制作で高価な木を彫りたいために、
親戚を回ってお金を借り集めていました。

これらのエピソードは、「準備」です。まだ造形操作は始まっていません。
しかし、準備から彫刻は始まっているのです。
準備を通し、「自分はなぜこの素材を使うのか?」ということを考え、素材との対話が開始します。
片付けも大変です。
彫刻作りは大体周りを汚します。言い換えると周りに迷惑をかけます。
重いため、手伝ってもらうことも必要なので、
お願いしたり、謝ったり、また人を手伝ったり、といったことが絶えません。
しかしこれらを素通りしては、本物ではありません。
全部含めて、彫刻なのです。

学校で普段行う授業では、手軽に造形操作を体験させることを優先することが多いです。
しかし今日の授業では、彼らなりの、
準備、片づけを、がっつりと腹に食らうことができたかもしれないと思いました。
1年生はまだ難しいでしょう。
集団として成熟している2・3年生だからできるかもしれないと考え、実施しましたが、
外れていませんでした。
みんなよくやってくれました。

そう考えると、多摩美から旭出学園に就職した関口にとって、今日の粘土ガンガンは、
ささやかな集大成だったかもしれない…と思いました。

(今日は、旭出学園ホームページでのブログと同じ文を載せてみました。
ほぼ毎日、ほぼ絶賛更新中の図工・美術作品紹介ブログ、
わしの手によるサムシングとあわせてチェケラ!)
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by syun__kan | 2016-05-18 21:35 | 日記 | Comments(0)
車道に愛を
車道が好きじゃない。

「速い方がえらい」
「上手い方がえらい」
「高価な方がえらい」

こういった価値観に、車道上は支配されているように感じる。

単純すぎる!
おれのほうが速いぞー、おれのほうが金持ってるぞー、ブーンブーン、
これではまるで子どもではないか。

でも、わしが普段、車道にたくさんお世話になっていることは、分かっている。
普段から、買い食いしたりして消費している商品は、ほぼすべて流通業の賜物であるし、
わしの作品だって、馴染みの運送業者さんにいつも運んでいただいている。
車道あっての関口光太郎!

でも、でも…。

「速くないけど、そこが良い」
「上手くないけど、魅力的」
「高価じゃないけど、私にとっては宝物」

こういった価値観。一見矛盾した価値観。「けど」入りの価値観。
これがアートではないか。
それに魅力を感じるから、アートをやっているのである。

だから普段より、美術の授業をし、自らもアートを司るわしは、
歩道の価値観に生きているのである。
歩行のスピードだからこそ目に留まるものに、価値を見出そうとする。

普通免許(AT限定)は持っている。
18歳から3年くらいは、原付に乗って車道に参戦していた。
しかし原付は、3年乗って3回こけて、最後は盗難に遭ったので、
車道の印象はやはり良くない。

それが最近…そんなこと言ってられなくなってきた。
ボリさん(2歳5か月)は、今日から幼稚園のプレに行き始めた。
家族を社会的に運営するには、車道の力が必要になったりするらしい。
学校に通い始め、急に迎えに行く用事があったら?
荒天時は?
奥さんが教習所に通い始めた。
事態は動いている。
いつまでもナイーヴな感性を無駄に露呈し続けるわけにはいかん、のかもしれない。

近いうちに、わしは限られた貯金を切り崩し、初めての自動車を買うのかもしれない。
運転するのかもしれない。
シートベルト締めるかもしれない。
ワイパー振るかもしれない。
その時に見えるものは?
わしの目に映る車道の価値観は?
やはり単純で子どもっぽいだろうか。
それとも、これまでとは違う景色が見えるだろうか。

何度も言うけど、仲直りとは人生で最も素晴らしいものの一つである。
車道を愛する日が来てほしい。
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by syun__kan | 2016-05-11 22:48 | 日記 | Comments(0)



現代芸術家、関口光太郎の日記。
by syun__kan
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