今日ほど、みんなから話しかけられたこともない。
わしは今、心配されている、と同時に、感想を述べることを求められているのかも知れない。
でも、わしもまだ、よくわからない。
三沢が死んだ時も、一週間経ってからでないと、文に表せなかった。
だから今日という日なんかは、まだ全然無理だ。
でも、わしは今、心配されている、と同時に、早急に感想を述べることを求められているのかも知れない。
だから、とりあえず何か書いておいたほうがいい。
と思って、今日の日記を書こう。
家にテレビがなくて、携帯でニュースを見ることもしないわしは、
なんにも知らずに職場に出向き、
授業の準備をしていたのだが。
みんなが、わしを見つけると話しかける。
でもその内容が、あまりにもばかばかしくて、
全然、その内容を頭に取り込めない。
その内容に向き合えない。
向き合ってしまったら、今日一日、仕事できなくなる。
だから、聞こえないふりをする。
でも、生徒でさえ、話しかけてくるんだから!
無理もない、体育の創作ダンスで「スリラー」を取り入れたのはわしだし。
おととしの体育で「スリラー」のダンスを考えて、今では定番になっている。
でも、みんなよく話しかけるけど、話しかけられても、わからない。
わし自身、その話を、人づてにしか聞いてないから、まだ信じられない。
はいはい、ちょっと待ってねー。
それに、職場はあくまでも公の場だから、公人として振舞わなくてはならない。
わしとその話をできる人は、ここにはだれもいない。
お仕事が終わると、西新宿のブート屋さんへ行った。
その店のレジに、いつも立ってる、くるくるパーマのお姉さんとは、その話ができる。
ブート屋さんで、今までまだ買ってなかった映像を、2つ買う。
そのうちの一つは、96年にヨーロッパで「アース・ソング」をパフォーマンスしている映像だった。
ちょっとロボットダンスをするとお客がすごく盛り上がることに気づき、
地球の環境破壊や紛争を憂いてる歌なのに、たくさんロボットムーヴしちゃう映像。
おちゃめすぎる。
お客の反応の良さに気を良くして、口パクなのに、それを無視して肉声で「ハーッ」と叫んじゃう。
かわいすぎる。
そんなあなたが、好きだったよ。
最後に、アドリブで入れた「Tell Me Why About It」…
あなたを知って、少なからず、わしの人生変わったよ。
なんでまた、再び、あなたがいない世界で生きなきゃならないのか。
やれやれ。まだ全然わかりません。