最近は制作している。
普段は学校で働いているので、
生徒たちや同僚の先生とコミュニケーションを取りまくっているが、
本来的には、わしは自分の世界に入るのが好きな性質を持っていると思う。
制作することは、完全に自分の世界に入ること…。
三宅氏のような、映画製作であれば、まだいろんな人とコミュニケーションを取る必要があるが、
わしの彫刻はなにぶん一人でできてしまうので、誰とも話す必要が無く、
今わしは存分に一人の世界に入っている。
一人の世界に入ることが好きなのに、多くの人とコミュニケーションを取ることが必要な職業に就いているのは、
自分の弱点を強化したい目的もあった。
実際、この仕事は非常に勉強になる。わしをビシビシ育ててくれている。
自宅から、職場へマイバディを引きずりだせば、同僚がいて、生徒が問答無用に登校してくる。
この強制コミュニケーションの環境において、わしはどれだけ多くのことを発見したか。
学んだか。
それこそが、この3年半の全てであり、財産である。
そして今…わしは久々に、ミクロの世界にこもる…
自分だけの世界に。
自分の独裁が行き届く、イッツアスモールワールドに。
そこには、学びや発見が無い、わけではない。
ミクロの世界にも、発見はある。
例えば…わしの作品を見た人から、よく
「何日分の新聞を使ったんですか?」と聞かれる。
わしはいつも「数えてないから、すみませんわかりません」と答える。
でもほんというと、新聞は、各社ごとにページ数が違う…
朝日と日経が多い。40面まである。
読売は38面。東京とか、産経はもっと全然少ない。
これが発見。ちっさ!発見ちっさ!
そしてもう一つ。
ガムテープは光る。
粘着面どうしを貼り合わせて、それを一気に引きはがすと、
はがれる部分が、仄明るく、青白く光る…。
学生時代、夜の彫刻棟にこもって制作してた時に、発見した。
なぜ光るのかは、分からない。
幻を見たわけではない。ほんとに光る。
発見した時は、一人で夜中にそんなことを発見していることが、
おかしくて少し怖かった覚えがあるよ。
通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの 細通じゃ
芸術制作のの 細道じゃ
ちっと通して 下しゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つの お祝いに
粘着テープが 光ります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
通りゃんせ 通りゃんせ