奥さん「生まれ変わるなら、カタツムリとナメクジ、どっちがいい?」
わし「それは完全にカタツムリ」
奥さん「なんで?カタツムリは鳥に食べられるよ」
わし「それを言ったらナメクジは存在を消される可能性がある。塩で。
それより、カタツムリは、テーマ曲があるんだよ。
でーんでーんむーしむーしかーたつむりー
おーまえのめーだまはどーこにーあーるーって。
世の中において、テーマ曲があるってことは、それだけ愛されている、一流の証拠なんだ。
わしは子ども相手の仕事をしているわけだけど、
テーマ曲のある動物とない動物がいるってことに気づくんだ。
例えば、子どもがクマの柄のバッグを持っていたときに、
あるーひ、もりのーなーか、くまさーんに、であーったって、
歌ってあげると喜ぶわけさ。
ゾウも、ぞーうさんぞーうさんおーはながながいのねって、歌えるわけ。
馬も、おうまのおやこは…って歌える。
ネコも、「ネコふんじゃった」があるし、
犬も、子猫ちゃんとの共演ではあるけど「犬のおまわりさん」があるね。
しかし、キリンには歌がないのだよ!
キリンは、そこまでの存在なんだよ!
子どもがキリンのイラストのTシャツ着てても、歌ってあげられないのさ!
このテーマ曲問題は、あらゆる事象に通じていて、
例えば天候についてもそう。
風が吹いているときには、かーぜーよーふけふけー、かーぜーよーふけふけー、
ぼーくーもーはだしでー、とびだそーおーって歌ってあげられるし、
雨の時も、きのう みどりの かえるがね
おおきな はっぱの うしろでね
おてんきつづきで かなわんと そらにおいのり したんだよ
だから きょうは あめふり、だから きょうは あめふりって、歌えるわけだよ。
でも今日みたいな台風のときは、歌えないわけさ!
台風の歌ってないのですよ。
虹の歌もあるし、雪の歌もあるし、北風小僧の寒太郎もある。
でも台風の歌はない。竜巻もない。
それはどうしてかっていうと、しゃれにならないんだろうね」
奥さん「話それたね」