靴ひもと太郎さんの太陽のダブルミーニング。
実家でオリンピックの開幕と共に制作を始めて、しばらく経つ。
途中、岡本太郎記念館の方との打ち合わせや職場の出勤やワークショップで東京とグンマを行ったり来たり。
寝る時間もばらばら。寝る場所も床だったりソファだったり電車の中だったり。
めまぐるしくいろいろな人に会う。
記念館館長の平野さんや七宝焼の先生や「情熱大陸」とかの番組制作の方やみちのくプロレスの番組を作っていた方や教科書製作会社の方や新聞販売店のザ・社会人といった趣のメンズや東京新聞の記者の方、奥さんの同僚やどこかの国の言語を操るお姉さんなど…
皆それぞれ強烈なインパクトを短期間に残して行かれた。
ワークショップは8月4日と5日の2回。
4日は21_21デザインサイトで「東北のかたちをつくろう」。
5日は青山こどもの城で200人を相手に「好きな物をつくろう」。
それぞれ、新聞紙、ガムテープ、カラーガムテープを使って工作。
こういう時に頼りになるのが奥さん。
奥さんはこどもの扱いが非常にうまい。
ぐずりそうなこどもをさっと笑わせてみせる。
わしも職業柄、こどもに接するのは苦手ではないが、
やはり天性のものを持っている人っていうのはいるのだ。
4日は奥さんはお絵描き教室の仕事でいなかったため、わしは心細くも単身ワークショップに乗り込んだが、
翌5日は奥さんと、奥さんの同僚もこどもの城に馳せ参じてくれ、活躍していた。
実家には母がお絵描き教室をしいたアトリエがあり、そこを占拠して作っている。
いつ集中できるかわからないから、ずっとアトリエにいて、
昼夜問わず、力つきたら床で眠り、起きてまた作る。
深夜にオリンピック中継をラジオで聞きながら、ド深夜に制作できるのは、実に趣があり、
アラサーでそんなことやってられるのはやはり幸せなことだろう。
ボンヤリした意識の中で福見さんが負けたり伊調さんが勝ったりした。
ラジオは非常におんぼろで、AMのNHKしか聞けない。
聴視者の年齢層がそうさせるのか、さらっとした洋楽などは流れず、
朝一番にはラジオ体操。
夜は森進一さんや五木ひろしさんやペギー葉山さんらの壮絶な歌唱が時折流される。
普段接しない文化なので、それはそれで間違いなく新鮮な体験だった。
一番インパクトがあったのは、島倉千代子さんの「東京だヨおっ母さん」。
何と言うか…一番しっくりくるのは、「霊的」という言葉か…霊的な歌唱だった…もうごめんなさいと言いたくなるような…
めまぐるしい中にも、わしは絶えず新聞とガムテープをぐしゃぐしゃしている。
新聞とガムテープによるアートは、わしを一人の世界に入り込ませるのではなく、
むしろ社会との接点になっているようだ。
こういう展開になるとはな。