自転車でわしを追い抜いて行った父子。
子が、
「メンチカツって何なん?コロッケとどうちがうの?」
と。
父は、
「コロッケの中味はマッシュポテト。メンチカツは、ハンバーグに衣をつけて揚げた物」
と答えた、
その会話をわしの耳に残し、そのまま去った。
わしは、
「父、上手いこと答えたな。
…
しかし本当にそうなのか?
メンチカツとは、ハンバーグに衣をつけて揚げた物なのか?」
と思った。
何にせよ、コロッケもメンチカツも、わしにとっては工程が多すぎる。
料理は嫌いではないが、5工程くらいまでしか、やる気が起きない。
揚げ物だったら、チキンカツやトンカツが限度。
コロッケなんて、
ジャガイモを茹でるなどしてやわらかくして、潰して、味付けて、成形して、小麦粉つけて、卵つけて、パン粉つけて、揚げるなんて、
やることが多すぎるだろう。
メンチカツが、仮にだ、ハンバーグに衣をつけて揚げた物だとしたら、
わしはハンバーグを作った時点で、もう食べ始めてしまうだろう。
そういう意味では、ロコモコも、あまり理解できない。
せっかく丸めたハンバーグを、ばらして食べるなんて、
はじめから丸めなければいいじゃないか。
彫刻を作る場合でも、
粘土で作って、金属板はさんで石膏塗って、乾くまで放置して、石膏開いて粘土取り除いて型作って、洗剤塗って、型にまた石膏流し込んで、とか、
何工程も踏まなければならないのは苦手だ。
新聞紙とガムテープで丸めて作っておしまい!というのがいい。
初期衝動のまま最後まで行きたいのである。
まあ、すごくコロッケとメンチカツを食べたいと思っている人がいたら、作ってあげられるかもしれないけど。