写真は、2006年3月。多摩美術大学の卒業式で、
写っているのは彫刻学科諸材料専攻の卒業生。
あたりまえだが、左から3番目の白い人物がわし。
どうしてとつぜんこの写真を載せたかというと、先日、2006年3月卒業の彫刻学科生の同窓会があったからだ。
当時の彫刻学科には、諸材料の他に、木彫、石彫、塑造、金属の専攻があり、
卒業までこぎつけたのは全部で29人。
このうち、20人弱くらいかな?新宿のイタリア料理に集まっていた。
わしも終業後の金夜に参加し、しゃべって飲んだ。
とても楽しかった。はずだが、
抱いた感想は、
「やっぱりこの集団には馴染まないな!!」
というもの。
これで良いのだ。
みんなのことが嫌いなわけではない。
わしは学生当時から、はねっかえりだった。今になると、そう思う。
単に社交性が無かったというのもあるけども。
当時イケイケだった村上隆さんのフラットな作風に対して、めのかたきのようにしてはねっかえっていたし、
かといって、ドドドドド!!!ギュイイイン!!!という爆音を立てながら、
粉まみれになってひたむきに素材に向き合う、いかつい同級生たちの職人のような背中にも共感できなかった。
その結果、新聞紙をガムテープでモショモショ巻くことになる。
合同講評で教授陣の前で、幼虫から成虫に衣装を変えながらダンスしたこともある。
ピンボールのようなはねっかえり。
多摩美の良いところは、そういったはねっかえりに対し、「ダメ!」と押さえつけないこと。
「イイネ!」とも言わないけどね。
良いでもだめでもなく、ただ、やらせてくれる。
安心してはねっかえらせてくれる。
これが、実は多摩美の教育力なんじゃないだろうか。
多摩美の卒業生は一匹おおかみが多く、母校を顧みない傾向があると、校友会の人が言っていた。
ホームカミングデイ的なイベントにもあんまり来ないと。
そうかもしれない。はねっかえりだからみんな。
でももう少し、母校に感謝してもいいかもね。
不良でも歳を取ると親に感謝したりして、ガキの頃は迷惑かけた~みたいなラップを歌ったりする。
はねっかえった結果、わしは卒業式で、彫刻学科の卒業生を代表して(マイケル・ジャクソンの姿で)壇上で卒業証書を受け取った。
先生方は最後にイイネ!ボタンを押してくれたのだ。
これは何年経ってもわしの誇りであり自慢話である。
あの素晴らしい29人を代表できたというのは。