前述の通り、文化庁にて、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて文化面をいかに盛り上げるかという会議に出席した。
ついに中央官庁にまで到達してしまったのか、新聞紙とガムテープは。
あるいはただの運命の気まぐれなのか。
しかしこの話をいただいて、わしにしかできないことがあるという使命感を抱いたのも事実。
大学出たばかりの、アートしか頭に無いでくのぼうが、
こうして曲がりなりにも社会人として育つことができたのは、
間違いなく特別支援教育のおかげ。
特別支援教育界がわしを受け入れてくれたおかげ。
勤めた旭出学園特別支援学校で出会った(現在も日々出会っている)、生徒たちのおかげである。
わがままにも、同時進行でアートをやらせてもらっている身として、
彼らに、特別支援教育界に、何か恩を返したい。
常々そう思っていた。
ラッキーにもオリンピック・パラリンピックに向けた文化政策に関われるかもしれないポジションに来られた今、閃いたのは…
彼らをはじめとする、日本中の子どもたちに、「自分はオリンピックに出た!」と思える体験をさせること。
傍観者ではなく、当事者になってもらう。
もちろん競技では出られない。
しかしオリンピックは文化・芸術の祭典でもある。
アートでなら、彼らに「自分はオリンピックに出た!」という気持ちを与えられるのではないか。
例えば、日本全国でワークショップを開催し、彼らの創作物を、
わしが一つの巨大なオブジェに集約させる。
それがもし、オリンピック・パラリンピックのシンボルとして大きく取り上げられたなら、
彼らは「自分は出た!」と思えるのではないか。
岡本太郎の「太陽の塔」を越える造形物を、みんなの手で…。
わしはこれ、本気で実現させたい。
久々に戦慄している。
まだ全然、具体的なところまで行ってないけどね。