カテゴリ:日記( 595 )
ブンバボン
ウッ!ハッ!

という掛け声と共に、
よしお兄さんが力こぶを誇示し、
そして躍動し始める。

♪耳を澄ませば 地球の音がドン!ドン!ドン!ドン!聞こえる~

そこでお兄さんが「たいこ びよよーん」と合いの手を入れる。

わしは、
「たいこびよよんって、なんやねん!」

と、つっこむ。
たいこ、びよよんは、おかしい。意味不明だ。
しかし、「おかあさんといっしょ」で毎日のように聴いているので、おかしいとも思わなくなってるのだ。
娘も、わしら親も。
これはある意味で感覚の麻痺だ。
だからわしは、あえて毎回、つっこむ。

「たいこびよよんって、どういうことやねん!」

しかし、それも毎度のことなので、
よしお兄さんの合いの手に対するわしの合いの手として、
家族には流され始めている。

わしが大学生の頃から、よしお兄さんは「おかあさんといっしょ」に出ていた。
何か覚えてる。
下宿のテレビデオを点けたら、その時はべつの曲だったかもしれないが、
うら若きよしお兄さんが躍動していた。
鮮烈で、「何だこれは!!」と思った。

序盤が過ぎ、曲がサビに向かう。

♪こころ弾ませ 面白いことを探しに行こうよ ブンバボン!
「行くよ!」

ブンバボンボンボ ブンバボン!!

スタジオの場合は幼児たちと、
ファミリーコンサートの場合はステージ上を一人で、
よしお兄さんが躍動する。
特にステージの場合は、爆発的だ。

ブンバボンボンボ ブンバボン!!

調べたことがある。
よしお兄さんは、わしの二歳上だ。
わしが大学を出て、
結婚し、娘が生まれて、テレビを購入して、
「おかあさんといっしょ」を観るようになったら、
まだ出ていた。

♪たまごがひとつ たまごがふたつ ぱんだのお目めが つけまつげ!
ひらひらひらひら ひらひらひらひら ひらっ ひらっ
「うぇーー」

そう、ここもおかしい。
ぱんだのお目めがつけまつげという歌詞も、ある程度意味不明だが、
その後の「うぇーー」の所で、よしお兄さんが必ず変な顔をするのだ。
「なんで変な顔するねん!」と、
わしは一応つっこむ。

何年もの間、
毎日とは言わないが、
毎週のように「ブンバボン」をパフォーマンスし続けて、
よしお兄さんにとって、これは人生のテーマ曲のようになっているのではないか。
耳をすませば、目を閉じれば、
幻聴のように「ブンバボン」が、鳴り続けてはいないだろうか。
時々視聴するだけで、時として頭から離れなくなるくらいの楽曲だ。
と、わしは少し心配になる。

娘は4歳、今年5歳なので、
正直、「おかあさんといっしょ」のストライク世代を、徐々に終えようとしている。
そのうち、見なくなるだろう。
関口家の、よしお兄さんとの邂逅も、終わるのだ。
その後も、新たにストライク世代となった幼児たちを対象に、
よしお兄さんは踊り続ける。

いや、
もう36歳のよしお兄さんだって、
そう遠くない将来、「体操のお兄さん」を引退するだろう。
そして、40代になり50代を過ぎ、
おじいさんになっていく。
よしおじいさんになるわけだ。
それでも、ここまで徹底してやり込んでしまった「ブンバボン」は、
生涯のテーマ曲であり続けるのではないか。

そしていつか、
「おじいちゃん!しっかりして!」
となったときに、
「そうだ、耳元でブンバボンを聴かせよう!」
となるはずだ。
ラジカセで聴かせると、
弱っていたよしおじいさんは、
「たいこ びよよん」って、動き出す。

こんな風な、
人生における絶対的なサムシングを得るって…
何というか…

うらやましい…!!

まあ、その「よしおじいさんしっかりして」という時には、
2歳下のわしもおじいさんになっている。
わしの耳元では、誰かが新聞紙を、がさごそしてくれるだろうか。
ガムテープをビーッと。

「汽車に乗って、しゅっぱーつ!」
♪がさごそがさごそ
がさごそがさごそ
ガムテープ ビッビー!
ガムテープ ビッビー!

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by syun__kan | 2018-06-18 22:48 | 日記 | Comments(0)
暴君と暴論
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「最近、恐竜のしっぽが、
琥珀に浸かって固まった化石が見つかって、
写真見たけど、やっぱりめっちゃ毛が生えてたよ」

と奥さんが言って来るが、
そんなことは聞きたくないのである。
恐竜に毛が生えてるとか。
羽毛で覆われてるとか。
そんなことは、誰が求めているのだろう?
学術であると同時にロマンというか、文化というか、
エンターテイメントコンテンツというか、
恐竜ってそういうものではないか?

わしが小さな頃は、“暴君竜“ティラノサウルスは直立していた。
図鑑に描かれた絵は、プレーリードッグのようにスックと立っていた。
わしはそれを真似して、チラシの裏に恐竜の絵を描きまくる幼児期を過ごした。

小学校に上がった頃、ティラノサウルスの姿勢は水平ということになった。
これまでより頭を下げて、尻尾を上げて。
研究者の研究により、そういうことになったのだろう。
これはこれで、かっこよい。
「ジュラシック・パーク」にも、その姿勢で出てきた。
「ジュラシック・パーク」、面白かったな…
実は続編の「ロスト・ワールド」も好きだ。
船から脱走して街で暴れるティラノサウルス。
良いじゃないか、かっこいい!

もういいじゃん、これで。
…もういいじゃん。
研究、終わっても。

研究している人も、「恐竜かっこいい」というのが前提としてあって、
この道を志したのではないのか!?
このかっこいい存在をもっと探求しようということで。
解き明かそうみたいなことで、アンビシャスみたいなことで。

その結果が、ふっさふさって!!

いや、鳥に進化したのは良いよ。
でも、毛を生やさなくても良いのではないか。
ジュラシックパークはどうなる?
これ以上研究したら毛が生えそう、というところで、研究を止めても良かったんじゃないか。
爬虫類っぽいモールドの方が、かっこいいではないか。
別に恐竜がどう進化して何で絶滅しようと、
正直わしらには関係おまへん。
もういいじゃん、正確なことは。
うやむやに、ね。済まそうよ。
そういう、全部分からないグレーなのも素敵だよ。

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by syun__kan | 2018-06-17 23:01 | 日記 | Comments(0)
CGと洗濯
日曜朝。
「小さなプリンセスソフィア」を、何の違和感もなく見るけど、
学生の頃はCG、コンピュータグラフィクスでできたアニメーションが苦手だった。
何故苦手だったか、その理由が、
逆に今は正確に思い出せなかったりするのだが、
やはり「最先端技術を使った作品はいずれ最先端でなくなり、古びてしまう。
人が手を動かして作った物は普遍性があり古びない」等、
考えていたのだと思う。

そこで洗濯機がメロディを奏で、
洗濯物を干す仕事へ。
奥さんが、「今日、外に干す?」と聞く。
確かに日曜の今日は、曇りだ。
部屋に干した方が乾くかもしれない。室内の方が暖かい。
暖房をつけることもできる。
しかしわしは答える。

「雨が降らないということが確定しているなら、
一応外に干した方が良いんじゃない。
それが何というか、礼儀だと思う。
空に対する。
前、バットマンか何かで、
高い所から飛び降りてきて着地するシーンをCGで描いたのだけど、
着地の後に歩いて行くシーンまでCGで描いたら、
役者が怒っちゃったこと無かったっけ?
歩くシーンは人でできるやろ!みたいに。
何かそういう感じで、
雨が降らないなら外に干した方が良いと思う」

ベランダに干しながら、
何というか理屈ではなく、
基本的にこういう人間だから、わしはCGアニメが苦手だったのかもしれないと思った。

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by syun__kan | 2018-06-17 21:11 | 日記 | Comments(0)
奥さんの手による
帰宅。
奥さんは二階で娘を寝かしている。
娘はもう夕飯その他すべて済んでいるが、
奥さんとわしはまだである。

わしは今日の夕飯は何かなと思い、フライパンを開ける。
鶏むね肉をブツブツ切ったものと、玉ねぎと、
ジャガイモが、
何らかの汁に浸かっていた。
となりの鍋を開けると、味噌汁。
これはすぐに分かった。
しかしながら、フライパンにて浸かっていたものが、
何なのかが、分からない。
何かをこれから加えるのか?
カレー粉を加えれば、カレーになるが。
そこまで汁は多くない感じ、
ぶつ切りの肉が、半分浸かったくらい。
とりあえず、フライパンと鍋に火をつけて、温める。
わしの中の得心し切らない思いを反映し、
火力は弱~中。
奥さんが二階から降りてくる。
フライパンの中のものが、何なのか聞きたい。
しかし、「見たけど何だかさっぱらこっちゃ分からなかった」というような感想は、
何となく失礼なのではないか、という思いが掠める。
「フライパンのあれ、何?」
というのは。
なので、もう少しぼんやりと、
「今日の夕飯なあに?」
と聞いた。
「トウモロコシご飯」
「あーいいね」
と答える。
トウモロコシご飯は美味しい。
トウモロコシから実を取って混ぜ、芯も入れて炊く。
美味しい美味しい。
うんうん。
そうかそうか。
えーと、
わしは次のセンテンスを探る。
皆目見当がつきませんというより、
あらかた検討は付きますけど詳しくお聞かせ願えますか?
というニュアンスがベターと判断し、
しかし「あらかたの検討」を外してしまっては無に帰すのだが、
しかし温め直して配膳するのはわしの役目に習慣的になっているので、
ここを解決しないことには、
どんな皿が適当でどんな盛り付け、食器が正しいかも、
判別できないので、
わしは少しの勇気で、
微小な賭けに出る気持ちで
「おかずの、フライパンの中のは、あれは煮物的なもの?」
と尋ねた。
「あーうん、今日忙しくて。そうなった」
とのことで、
「あーなるほどなるほどねそうなのね」
と、バーッと強火に。

美味しかったですよとても、ええ。

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by syun__kan | 2018-06-07 22:01 | 日記 | Comments(0)
スティル勉強
最近ワークショップを二つした。

一つ目のWSは、小平第六小学校。
こちらは、わしの同僚の先生繋がりて呼んでいただいた。
5月21日に、授業にお邪魔して、
1、2時間目に6年生3クラス、3、4時間目に5年生3クラス、計200名弱の方々を相手に、
体育館で、新聞紙とガムテープの授業を行った。
通常級の授業を担当する機会は意外と今まであまりなかったので、
とても勉強になった。
子どもたちも皆、本当に良い子だった。

ポイントとしては、奥さんがWSに復帰したこと。
わしの奥さんは、正直言って子どもへの対応がわしより上手い。
とても戦力になるので、以前はWSともなれば必ずお手伝いいただいていたのだが、
妊娠~子育てのため、4、5年間遠ざかっていたのである。
しかし21日は、娘を幼稚園に届けた後、
自動車で小学校にかけつけ、
久々にWSに加わった。
やはり安心感がある。わしのワークショッパーとしての欠けている部分が補完された感がある。

もう一つのポイントは、ほぼボランティアだったことだと思う。
学校の教員として、職場の代休の日に、出張という形で行った。
だから報酬などはない。
自分の勉強のため。
そして親友の三宅感君が、多摩美術大学での三宅君の個展のために、
色々な場所に一生懸命、チラシを置いてもらったりしているのを、
ブログを通して知ったのだ。
入場料を取るわけではないのに、
つまりお客さんが何人来ても収入になるわけではないのに、
損得抜きでこんなに一生懸命になれるなんて!
わしも、5年くらい前に多摩美で個展をやらせてもらったときは、
一生懸命会場設営したし、ポスターのデザインもしたけど、
配布は多摩美の方に任せていた。
何といっても、多摩美は八王子の山の中だし、
交通の便が良いとは言えない。
その辺でチラシを手に取った方が、ふらっと見に来れる感じのロケーションでは、
あまりないのだ。
という、気が、わしはしていた。
しかしこの、三宅君の、損得抜きの情熱を見て、何だか感動し、
今回はわしもボランティアで一生懸命WS、やろう!と思った。

二つ目のWSは、この間。
6月2日に光が丘のこども発達支援センターで行った、
主に知的障害のある小学生と保護者を対象としたWS。
これは、練馬区の委託事業の募集に、応募する形で、
つまり、自分たちで企画する形で行った。

いままで、呼んでいただいて講師を務めることは何度もあったけれど、
企画・運営する側になったのは初めてだ。
同僚の先生と、色々と事務手続きし、何をするか考え、
チラシを作ったり受付の準備をしたリ必要な物品を揃えたり、一からやった。
正直言って、このWSの成否を案じ、
2か月くらい前から緊張し続けていた。
当日、来ていただいたのは、3組の親子様方だった。
自分たちの企画・運営で、3組集まっていただけて、本当に嬉しい。
ありがとうございました。
楽しんでいただけたことを、切に願う。

ということで、
自分なりに勉強しながら、えんやこらとやっています。
一応新聞紙とガムテープをいじったりとかは自分にしかできないことなので、ええ。
テレビ番組用のちょっとした造形物も作りました。放送の時期になったらお伝えします。

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by syun__kan | 2018-06-05 22:43 | 日記 | Comments(0)
郷愁ムヒ
群馬を飛び出して生きているが、体の中には群馬が残っているのだろう。
この間、学校で花壇を掘り起こし、耕して、
コンニャクイモを植えた。
八高さんという、群馬の有名なコンニャク農家の方に、
母を通じてもらったコンニャクイモで、
昨年も栽培して、授業で生徒たちと生芋コンニャクを作った。
わしをぎゅーとしぼると、結局群馬の汁が出る。
生まれてから18歳まで住んでいた場所というのは、
汁的な物になって永遠に体内を循環するのだろう。
消えないのである。
長靴を履いて、放課後の黄昏時に土をいじっていたら、
膝のあたりを蚊に刺されていた。
正確にはその跡があった。
何となく「ありがとう」と思った。
なぜって、わしは、大人になって久しいためか、
前ほど蚊に刺されなくなってきたのである。
子どもの頃はよく刺された。
若い血は美味しいのであろう。
うちの娘は、よく刺されている。
跡がいつまでも残って、夏の子どもという感じである。
奥さんも、蚊に刺されると、わりあい腫れて、いつまでも跡になる。
そう、わしは体質なのか、刺されても跡があまり長期間残らない。
そういったこともあって、寛容になり、
「ありがとう」というフィーリングを得るに至ったのかもしれない。
花壇から取り除いた草を、草捨て場に捨てに行く。
しかしながら、わしの膝のあたりに、刺された跡があるということは、
つい先ほど、蚊が数匹、わしの膝に止まっていたということであり、
何となくその、止まっている光景を想像すると、
フッと「叩かねば!」というごく軽い憎悪のようなフィーリングが反射的に湧き、
「いや、ありがとうじゃない!!」
と思った。
家に帰って、奥さんと話していると、
ふと、自分が蚊に刺されただけではないことに気付く。
やはり体質により、蚊の跡は大したことないのだが、
よく見ると、右足首と左のふくらはぎがやや腫れている。
この腫れ方は、おそらくブヨだ。
毒虫と呼ばれるやつ。
懐かしいなあ、わしが群馬の小学生だったころ、
喘息児だけが行ける「ぜんそくサマーキャンプ」に行ったら、
同じく足首をブヨに刺されて腫れあがり、
歩けなくなって3日目のハイキングに行けなくなったり、
何かまた別のキャンプに行った際、
耳を刺されて片耳だけ大きく腫れ上がり、
ハーフの宇宙人みたいになったことがある。
昔はあんなに大騒ぎしていたが、
大人になった今であれば、よく見なければ気付かない。
気にしないまま、生活できるし、仕事にも行ける。
これが大人の強さである。
ブヨを無視できるのである。
わしはまた穏やかなフィーリングを得る。
と、翌日、一日過ごすうちに、
ブヨに刺された箇所が、だんだん、もっと腫れてきた。
時々かゆい。
そうかこれ、時間が経ってから腫れるのか。
ブヨを無視して大人の泰然自若さを世界に示すわしの考えが危うくなってくる。
このまま腫れ続けたら、歩けなくなって仕事に行けないではないか。
そして家に帰ったら、奥さんが、
「うちにあるのは子ども用のやさしいやつだけだったから」と、
何か強力な容赦ない感じのムヒ的な薬を買ってきていて、
それを塗ったら、次の日には治っていた。
奥さんは、親の仕事の都合で、子どもの頃引っ越しで転々としていて、
故郷という実感のある土地はないそうだ。

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by syun__kan | 2018-06-02 17:44 | 日記 | Comments(0)
けへ
コップに入ったお茶を飲んだのだけど、
一口目で、
変な所に入ったのが分かった。
変な所とは、要するに気管支である。
昔は、
ターヘルアナトミア以前は、
消化器官と気管支があるとかがよく分からなかっただろうから、
「変な所」と言ったのかもしれないが、
今なら分かる。
杉田玄白さんらの恩寵を受けたわしらなら。
喉の奥の、分かれ道、
Ý字路のようなところで、
大部分は消化器官に流れ込んだのだけど、
ごく一部が、
おそらくほんの少しが、
何故だか間違えて、
気管支に流れ込んだのだ。
その辺りのジャッジは、かなり厳格なのだろう、
「違ってるけど少しだけだからまあいいよ」
とはならないようだ。
得てして、わしの気管支は、
お茶に対し断固として拒否の意向を示した。
すなわち、「咳したい」という指令だ。
しかしここで咳してしまっては、
一口目で、お茶を飲むことが頓挫してしまう。
まあ、頓挫したとしてそんなの大したことではないのだが、
中断というのは何となく気分が悪いものだ。
全部飲んじゃってから咳しよう、と思い、
わしは、そのままごく、ごくと、
3回喉を鳴らし、コップのお茶を飲み干した。
咳。
「けへ」という咳。
どうやら、一口飲み目ですぐに対応せず、
あと2回、喉を鳴らして飲んでしまったため、
その間に変な所に入ったお茶が、
さらに深く、より変な所に入ってしまったようで、
けへ、
咳が、
けへ、
とまらな…
けへ、
くな、
けへ、
ってしま、
けへ、

けへ…

けへ、
けへ、
けへ。

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by syun__kan | 2018-05-26 22:18 | 日記 | Comments(0)
お別れ
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ウルトラマン好きの幼児にあげるため、
実家から持ってきた怪獣、
20年振りによく見たら、
その造形の美しさに改めて魅せられ、
また思い出も相まって、
絶賛情が移り、
しかしあげる約束はもうしているわけで、
きっとたくさん遊んでくれるよと、
奥さんに背中を押してもらったりしながら、
お別れの挨拶をしている、
なう。

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by syun__kan | 2018-05-23 23:43 | 日記 | Comments(0)
10周年記念、10人のおっさん
この5月末で、このブログも10周年となる。
何の収益も上げていない、誰のためにもなっていないブログなので、
10周年といっても、祝うことなど何もないのだが、
個人的には、ある程度感慨深いのである。
記念に、10年にちなんで、好きな「おっさん」を10人挙げる日記を書こう。
わしは小さなころから、おっさんに興味を持ち、おっさんに学んできたのである。


1、長州力(プロレスラー)
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わしは小さいころ、土曜4時の「ワールドプロレスリング」を、毎週心待ちにしていた。
一番のお目当ては、長州力だ。
当時、長州はすでに40代で、
若くはつらつとした武藤や橋本の、追撃を受け止める立場だったが、
わしはベテランの長州が好きだった。
だって、明らかに、若い選手より、ダシが効いていたからである。
全ての面で味わい深かったのである。
それは5歳でも分かった。
長州は、「おっさん」の魅力を教えてくれたのである。


2、伊福部昭(作曲家)
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わしは、いわゆる「90年代平成ゴジラシリーズ」の、直撃世代である。
年長さんの時に「ゴジラvsビオランテ」があって以降、
ほぼ毎年末に新作映画があり、
6年生の時の「ゴジラvsデストロイア」まで続いた。
小学生のわしにとって、映画というのは既に完成された一つの世界であり、
「監督」「脚本家」という、物語の作り手は、
存在を意識したことがなかった。
かわりに頭に入ってきた、作り手側の個人名は、
「スーツアクター」の薩摩剣八郎と、「作曲家」の伊福部昭だった。
特に、あまりに怪しく内臓をもぞもぞさせる劇伴音楽は、常に口ずさむくらい好きで、
大人になったら、音楽だけでも聴くようになった。


3、前川淳(折り紙作家)
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小学生の頃に、折り紙にはまった。
算数は超苦手だったが、図形問題だけは得意で、
つまり空間認知が優位だったのだろう、
折り紙の折り図を理解し、その通りに折るのが非常に得意で、
自分に折れない作品など無いと思っていた。
それでもってある日、前橋市立図書館で、新しく目についた折り紙の本を借りてきて、
折ってみたら、
その本はめちゃくちゃ難しかったのである。
紙はよれよれになり、わしのプライドもくちゃくちゃになった。
わしは何度もリトライし、折れるようになり、
次第に「中割り折り」を多用するリズミカルな工程と、
魔術的な造形美の虜になった。
その本が「ビバ!折り紙」であり、著者は「前川淳」だった。
当時はインターネットなど無いから、前川淳氏の顔などは分からず、
しかしその名前は、わしの中で神格化され、
「まえかわじゅんまえかわじゅん」とつぶやきながら登下校していた。


4、成田亨(デザイナー、彫刻家)
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小学校のころ、夏休みになると「ウルトラマン」の再放送が、まだあった。
これは幸運だった。
高度成長期のスーパーエキセントリック映像芸術を、多感な時期に享受できたのだから。
大学生ころになると、
わしが「大好き」と思っていた初期のウルトラ怪獣たちは、
すべて「成田亨」という武蔵美出身の彫刻家のデザインだと知る。
「レッドキング」などは、「彫刻家」という職業?肩書?の、存在価値証明だと思う。
最近のクリエイターがデザインする怪獣は、
みんな鳥山明っぽいというか、
唐突なツノや、人のような筋肉が付いてたりする。
なんというか、発想が二次元的なのだ。
レッドキングはそんなんいっさい無く、
全体の形の流れや構造を踏まえた、表面の形で覆われ、
頭の先まで緊張感と躍動感が漲っている。
フォルムとモールドが完全に理に適っているのだ。


5、嘉門達夫(シンガーソングライター)
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深夜ラジオをきかっけにして、
中学生のころ、「替え歌メドレー」「鼻から牛乳」等のコミックソングで有名な、嘉門達夫にはまった。
面白さもさることながら、
その分析的な思考が興味深かった。
自分の歌を、「日常指摘」「反実仮想」「言葉遊び」に分類し、
感じたことを、ある意味システマチックに、工場的に、
数学の公式に当てはめるようにして作品化していく。
アイデアを、初期衝動のまま叫ぶといったような、
そういう表現方法とは、実は正反対なのだ。
作品化のためには、ちゃんと人まで届くように、
整理して、オチを付けて、味付けして、お皿に盛りつけて、提供する。
そういった作法を、教え込まれた気がする。
文を書く上でも、一番影響を受けたのは嘉門さんだと思う。


6、細野晴臣(ミュージシャン)
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10代後半は、YMOばっかり聴いていた。
とっくに解散していて、作品はすべて追体験だったが、
特に初期の曲は、躍動感があって攻撃的で愉快で、まるで恐竜みたいに感じた。
坂本龍一、高橋幸宏も大好きだが、
ライブでずっと伏し目がちでほとんど身動きせず、
汗一つかかず、
声も張らない細野晴臣は、輪をかけてかっこ良過ぎた。
大学2年でアメリカに旅行した際、
ÝⅯОが初めて海外でライブした、グリークシアターという会場を、
その日は何も催されていないのに、
ただ眺めるために尋ね、
外から壁を眺めて写真を撮った。
4年生のころだったかには、細野さんが講義に来られて、
わしはソロアルバム「はらいそ」にサインをしてもらおうと思って出待ちしたが、会えなかった。
基本的にすれ違いだった。
わしはあのような、汗一つかかない感じの余裕やかっこよさは、一生身に付けられないのだろう。
せめて自分の犬に、細野さんから取って「ハル」と名付けた。


7、武藤敬司(プロレスラー)
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5歳のわしがベテラン長州を応援していた時、
武藤敬司は、若々しく、大空を駆けまわるようなレスリングをしていた。
わしが成人近くになると、武藤も歳を取り、おっさんになって、
良いダシが出てきた。
いや、ダシどころの話ではない。
武藤の時間経過はもっと顕在的だった。
巨体でリングを飛び回っていた影響で、
変形性膝関節症等で、膝が真っすぐに伸びなくなり、
日常生活に支障をきたすほどになってしまう。
しかし武藤は、飛べなくなっても、
膝を攻められて悲鳴を上げることで観客を引き付け、
膝に負担のない新しい必殺技でやり返し、何度も熱狂に導いた。
プロレスから教わることはたくさんあるのだが、一番は、
「マイナス要素を悲観しないこと。
工夫次第で、それはプラスにもなり得る」
ということだ。


8、マイケル・ジャクソン(歌手)
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マイケルは、わしの体を解放した。
わしはスポーツとか、まるでダメなので、
自分の体を有効活用したことがなかった。
歩いたり日常生活を送ったりすることだけに使っていた。
しかし、表現の衝動はやって来る。体にもやって来る。
でも何もできない。
わしの体は、表現のためのスキルを何も持っていない。
そんな大学1年の頃、レンタルビデオ店でマイケルのVHSを借りてきて、
「BAD」のショートフィルムを観て、
月並みだが、衝撃を受けた。
「君が欲しかったのは、これだろ?」
と言われた気がした。
歌もイマジネーションも(ツッコミどころも)すべて超人のマイケルだが、
一番わしをぶっとばしたのは、やはりダンスだった。
それからというもの、わしはいつでもどこでも踊った。
大学の構内でも、道を歩いている時でも。
ムーンウォーク。
美術館でもロボットダンス。
交差点でターン。
わしの体はようやく、意思をもって動き始めたのである。
それが一般的な「有効活用」だったのかは分からない。


9、長新太(絵本作家)
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長さんは「ナンセンスの神様」と呼ばれる。
わしもそう思う。
神様とは何か?それは、
「いつでもそのお方に思いを馳せれば、心が穏やかになる」存在のことだと思う。
わしは大学で絵本創作研究会に入ったので、
図書館でよく絵本を見ていた。
長谷川集平や田島征三も大好きだが、
彼らは、泥臭く地を這いまわる、人間を含めた生き物たちの息遣いを代弁していた。
長さんの絵本は違う。
全く何のメッセージも無い。
「笑わせよう」とか、そういった力みさえ感じない。
「意図」みたいなものを感じない。
ただ、極彩色の変な出来事があるだけ。
それが人にどういった感慨を与えるかというと…
そう、心が穏やかになるのだ。
「ゴムあたまポンたろう」は、
司馬遼太郎の「坂の上の雲」に次ぐ、わしの座右の書だ。


10、桂枝雀(落語家)
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「桂小米」を名乗っていた若いころは、わりと静かな芸風だったそうだが、
「二代目桂枝雀」を襲名して以降、
まるで赤塚不二夫のギャグマンガのような、
座布団をはみ出しそうな破天荒な芸風で、関西の爆笑王となる。
一方で、小米時代から鬱と闘い、
枝雀になってからもそれは続き、
59歳で自殺未遂し、そのまま亡くなる。
「笑い」を極限まで研究する方だったそうで、
それで思い詰めて鬱になってしまったのか、
あるいは、鬱に対して「攻撃」するために、
振り切った芸で大爆笑を生んでいたのか?
「卵が先かニワトリが先か」みたいな話かもしれないが、
一つ言えるのは、
わしが元気な時もそうでない時も、
いつ聞いても枝雀の落語は、寄り添ってくれるのである。
そして枝雀さんは、わしが10年ぶりにくらいに「新たに好きになったおっさん」だった。
というかわしも、枝雀を心の友にできるくらいの「おっさん」になったのだ。

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by syun__kan | 2018-05-19 21:05 | 日記 | Comments(0)
大仏
4連休の1日目は、家族で鎌倉に行った。
大仏様を見たり、鳩サブレを買ったりした。

2日目は、娘のママ友の家族たちのバーベキューに参加した。

3日目、わしは一人の時間をもらった。
学校では、生徒にとって良いことをしようと考え続け、
家では父として、家族にとって良いことを考え続ける。
何ら不満はないのだが、
誠にわがままなようだが、たまに、切実に、
自分にとって良いことを自分で何かしてあげたくてたまらなくなる。
アーティストとして、制作に悩むことも多いので、
最近は輪をかけて切実だった。

一人で何しようかなと、あれこれ考えたが、
結局わしは、電車で池袋に行って、ジュンク堂書店でひたすら本を読んでいた。
そして目が留まったのが、仏像の本。
いろいろ読んでみて、
写真が豊富で、裏表紙に、
「人間みんな生きてるときから仏様」
と書いてある、
西東社の「写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!」を購入した。
わしは、大仏のようなものを作りたいかもしれない。と、
制作のヒントになる予感がした。

4日目、つまり今日、
明け方に、別の部屋で寝ている娘が、
「さみしい」と言って親が寝ている寝室に来た。
なので傍らに寝かせた。
わしも小さいころ、親の布団に入って安心した経験がある。
前にも書いたが、
あの、大きな親の体の傍らにいる感覚が、今に至るまでの親への信頼感につながっていると思う。
4歳の娘にとっても、わしの体はとても大きいだろう。
それはまるで大仏のようだろうな、
と、なんとなく思った。
人々は、親に抱かれるような感覚を得たくて、
大仏を作ったのかもしれない。
と、なんとなく思った。

娘はわしの腕枕で、むにゃむにゃ言い、
かぽかぽ、空気を出して口を鳴らしたりしている。
赤ちゃんのころより「フェアリー感」は薄れたとはいえ、
まだまだ大人より、仏様に近い感じがする。
巨大な未来を所有しているという点で、
娘はわしより「大きい」。
その大きさの傍らにいて、
わしにとっては、娘が大仏のような感じだな、と思った。

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by syun__kan | 2018-05-06 07:45 | 日記 | Comments(0)



現代芸術家、関口光太郎の日記。
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